\ 約分の計算機 /
約分とは、分数の分母と分子を同じ数で割り、簡単な数字にすることです。例えば3/6であれば、分母と分子を3で割ることで1/2にすることができます。
今回はこの約分のやり方と問題、裏ワザについてわかりやすく解説していきたいと思います!
約分がわからない人には必見の内容です。ぜひ最後まで読んでいってください。
正解はどっち?
$\dfrac{28}{32}$を約分すると?
約分とは
約分とは、分数の分母と分子を同じ数で割ってより小さい数で表すこと
同じ数で割れないといけないので、公約数で割る必要があります。
早速例題を通して確認していきましょう。
\(\displaystyle \frac{3}{6}\)を約分していきたいと思います。

\(6\)と\(3\)はどちらも\(3\)で割ることができます。
3は、3と6の公約数ですね。
分母と分子を3で割ってみましょう。
\(\displaystyle \frac{3}{6}=\displaystyle \frac{3\div3}{6\div3}=\displaystyle \frac{1}{2}\)
このように小さい数で表すことができるのです。
約分の意味
小さい数字になるのは、実際にはどういう意味があるのでしょうか。
分数は「何個に分けたうちの何個」という意味があります。3/6であれば、「6個に分けたうちの3個」です。
これを約分すると1/2なので、「2個に分けたうちの1個」になります。

3/6より1/2の方がわかりやすいですよね。数が大きいともっとわかりやすいです。
例えば10/35だと、「35に分けたうちの10個」ですが、約分することで「7個に分けたうちの2個」になります。
通分との違い
約分と似た言葉に通分という言葉があります。
通分は分数の足し算・引き算をする際に使う言葉です。
例えば、\(\displaystyle \frac{2}{3}+\displaystyle \frac{1}{6}\)を考えてみましょう。

3個に分けた内の2個と6個に分けた内の1個を足すことはできません。
なので、\(\displaystyle \frac{2}{3}=\displaystyle \frac{4}{6}\)と直してあげるのが通分です。
これによって、
$$\displaystyle \frac{2}{3}+\displaystyle \frac{1}{6}=\displaystyle \frac{4}{6}+\displaystyle \frac{1}{6}=\displaystyle \frac{5}{6}$$

と計算出来るようになるのです。
詳しくは通分の記事を参考にしてみてください。
※参考記事
[小5]通分とは|通分の仕方と裏ワザを解説、通分がわからない人必見
約分の仕方
では、約分のやり方を解説していきますね!
\(\displaystyle \frac{18}{24}\)を約分していきましょう。
約分はたった2つのステップで出来ます。
- 分母・分子を割り切れる数を探して割る
(公約数を探して割る) - 割り切れる数が無くなるまで繰り返す
実際に2ステップに沿って約分をやってみましょう。
1. 分母・分子を割り切れる数を探して割る
分母と分子を\(2\)で割ってみます。
$$32\div2=16, 56\div2=28$$
なので、\(\displaystyle \frac{16}{28}\)となります。
ここで、図を使って説明します。
\(32\)と\(56\)に斜線を引いて、横に\(16\)と\(28\)を書きます。

2. 割り切れる数が無くなるまで繰り返す
割る作業を繰り返していきます。
すると、$\displaystyle \frac{16}{28}$は分母も分子も2で割れて$\displaystyle \frac{8}{14}$になります。
もう一度、分母と分子を2で割ると$\displaystyle \frac{4}{7}$になってこれ以上割り切れる数がありません。
よって、$$\displaystyle \frac{32}{56}=\displaystyle \frac{4}{7}$$だと分かります。

実際にステップに沿って約分していきましょう
\(18\)と\(24\)どちらも割り切れる数は何があるでしょうか。
パッと思いつくのは\(2\)ですかね。
\begin{eqnarray} 18\div2 &=& 9 \\ 24\div2&=& 12 \end{eqnarray}
となるので、$$\displaystyle \frac{18}{24}=\displaystyle \frac{9}{12}$$
となります。
この作業を割り切れる数が無くなるまで繰り返します。
\(9\)と\(12\)をどちらも割れる数は\(3\)があります。
\begin{eqnarray} 9\div3 &=& 3 \\12\div3 &=& 4 \end{eqnarray}
なので、$$\displaystyle \frac{18}{24}=\displaystyle \frac{9}{12}=\displaystyle \frac{3}{4}$$
となります。
\(3\)と\(4\)を割り切れる数はないため、ここで約分完了となります。
約分の裏ワザ
約分の裏ワザをご紹介します。
気づいている人もいると思いますが、実は約分は最大公約数で割れば、1回の計算で完了します。
\(\displaystyle \frac{32}{56}\)を裏技で約分してみましょう。
最大公約数で約分する
32と56の最大公約数は8です。
最大公約数の求め方は下記の記事が参考になります。
※参考記事
32と56の最大公約数の求め方
最大公約数とは?求め方も解説
分母と分子を最大公約数である8で割ってあげると、$\displaystyle \frac{32}{56}=\displaystyle \frac{4}{7}$となって一発で約分できます。
約分の本質になるので覚えておくと良いでしょう。
また、整数の約数を覚えておくと約分の計算が早くなるのでおすすめです。
約数については下記の記事が参考になります。
※参考記事
約数とは何か、約数の求め方を解説
\ おすすめの参考書! /
約分の問題
最後に約分の問題を解いて終わりにしましょう。
正解はどっち?
$\dfrac{28}{32}$を約分すると?
問題
次の分数を約分しなさい。
(1) $\displaystyle \frac{2}{4}=$
(2) $\displaystyle \frac{5}{10}=$
(3) $\displaystyle \frac{7}{21}=$
(4) $\displaystyle \frac{18}{32}=$
(5) $\displaystyle \frac{34}{51}=$
解答
(1) $\displaystyle \frac{2}{4}=\displaystyle \frac{1}{2}$
(2) $\displaystyle \frac{5}{10}=\displaystyle \frac{1}{2}$
(3) $\displaystyle \frac{7}{21}=\displaystyle \frac{1}{3}$
(4) $\displaystyle \frac{18}{32}=\displaystyle \frac{9}{16}$
(5) $\displaystyle \frac{34}{51}=\displaystyle \frac{2}{3}$
解説
(1) $\displaystyle \frac{2}{4}=\displaystyle \frac{1}{2}$
4と2の最大公約数は2なので、分母と分子を2で割りましょう。
※参考記事
2と4の最大公約数と公約数|求め方と答えが1分で分かる解説
(2) $\displaystyle \frac{5}{10}=\displaystyle \frac{1}{2}$
10と5の最大公約数は5なので、分母と分子を5で割りましょう。
※参考記事
5と10の最大公約数と公約数|求め方と答えを1分で解説
(3) $\displaystyle \frac{7}{21}=\displaystyle \frac{1}{3}$
21と7の最大公約数は7なので、分母と分子を7で割りましょう。
※参考記事
7と21の最大公約数と公約数|求め方と誰でも分かる答え
(4) $\displaystyle \frac{18}{32}=\displaystyle \frac{9}{16}$
32と18の最大公約数は2なので、分母と分子を2で割りましょう。
※参考記事
18と32の最大公約数と公約数|求め方と答え【簡単】
(5) $\displaystyle \frac{34}{51}=\displaystyle \frac{2}{3}$
最後は少し難しかったでしょうか?
51と34の最大公約数は17なので、分母と分子を17で割りましょう。
※参考記事
34と51の最大公約数と公約数|求め方とすぐわかる答え
約分とは?まとめ
約分について解説してきました。
- 約分とは、分数の分母と分子を同じ数で割ってより小さい数で表すこと
- 約分の仕方は、公約数で分母と分子を割ればOKです
- 約分の裏ワザとして、最大公約数で割る方法があります
約分は分数の足し算や引き算の後に計算することが多いです。
せっかく計算は合っていたのに、約分を忘れて減点されることが無いよう、しっかり練習しておきましょう!
分数の足し算と引き算は下記の記事が参考になります。
コメント