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[数A]条件付き確率とは、公式をわかりやすく解説|練習問題あり【良問】

今回は条件付き確率を解説していきます。

条件付き確率の公式とその意味、求め方を解説しています。
また、とても間違いやすい「確率の乗法定理」と「条件付き確率」の違いも解説しています。

最後には入試にも良く出題される「くじの問題」と「不良品の問題」の練習問題を用意しています。
ぜひ最後まで読んで、解けるようになってくださいね!

目次

条件付き確率とは

条件付き確率とは、事象Aが起きたとき事象Bが起こる確率のことです。

起こる確率を掛け算して求める、確率の乗法定理とは違った意味を持ちます。文章で説明してもややこしいので、公式と練習問題を使って理解していきましょう。

確率の乗法定理との見分け方は最後に解説していますよ!

条件付き確率の公式

条件付き確率の公式とその意味

最初に条件付き確率の公式を確認してみましょう。
事象Aが起こったとき、事象Bが起こる確率をP­A(B)と表し、以下のように求めます。

$$P_A(B)=\displaystyle \frac{P(A\cap B)}{P(A)}$$

ここで、\(P(A)\)は「Aが起きる確率」であり、
\(P(A\cap B)\)は「Aが起きてかつBも起きる確率」です。

普通の確率を求める公式を思い出してみましょう。

$$条件付き確率=\displaystyle \frac{求めたい事象の場合の数}{全ての場合の数}$$

条件付き確率の公式と確率の公式の形が似ていることに気づいたと思います。
確率というのは、全ての場合の中で求めたい事象が、どの程度の割合を占めるのかを求めたものになります。

このため、確率は0以上1以下の値になります。

これを踏まえて、条件付きの確率の公式の意味を確認してみましょう。

公式の意味

見方を変えると、全体を事象\(A\)が起こる確率\(P(A)\)としたとき、事象\(A\)と事象\(B\)が同時に起こる確率\(P(A\cap B)\)の割合を求めたものと見ることができます。

つまり、事象Aが起こったという前提があるため、全体の範囲が狭くなっています。
ただ事象Bの起こる確率ではなく、事象Aが起こったときBが起きる確率という考え方にです。

条件付き確率の求め方

条件付き確率の求め方

では、実際に条件付き確率の求め方をみていきましょう。 
条件付き確率\(P_A(B)\)は次のように求めましょう。

  1. Aが起こる確率\(P(A)\)を求める。
  2. AとBが同時に起こる確率\(P(A\cap B)\)を求める。
  3. 公式を用いて\(P_A(B)\)を求める。

具体的に、1個のサイコロを2回投げる場合を考えてみましょう。
1回目に偶数が出る事象をA、2回目に3の倍数が出る事象をBとします。

1回目に偶数(A)が出たとき、2回目に3の倍数が出る(B)条件付き確率P­A(B)を求めます。

まず、1回目に偶数が出る確率\(P(A)\)は、サイコロの出目が6つに対して偶数の出目は3つなので、下記の通り計算できます。

$$P(A)=\displaystyle \frac{3}{6}=\displaystyle \frac{1}{2}$$

次に、1回目に偶数が出て、2回目に3の倍数が出る確率\(P(A\cap B)\)は先ほど求めた偶数が出る確率である\(P(A)\)と3の倍数が出る確率\(P(B)\)の積で求められます。

出目の数が6つあるのに対して、3の倍数の出目は\(3,\ 6\)の2つなので、\(P(B)\)および\(P(A\cap B\)は下記の通り求められます。

$$P(B)=\displaystyle \frac{2}{6}=\displaystyle \frac{1}{3}\\
P(A\cap B)=P(A)\times P(B)=\displaystyle \frac{1}{2}\times\displaystyle \frac{1}{3}=\displaystyle \frac{1}{6}$$

したがって、1回目に偶数(A)が出たとき、
2回目に3の倍数が出る(B)条件付き確率\(P_A(B)\)は公式に当てはめることで、下記の通り\(\displaystyle \frac{1}{3}\)となります。

$$P_A(B)=\displaystyle \frac{P(A\cap B)}{P(A)}=\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{1}{6}}{\displaystyle \frac{1}{2}}=\displaystyle \frac{1}{3}$$

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条件付き確率の練習問題

求め方がわかったので、ここから練習問題に移ります。

くじの問題と不良品の問題を用意していますので、実際に解いてみてください!

条件付き確率くじの問題

条件付き確率|くじの問題

問題

当たりくじを3本含む10本のくじから引いたくじは戻さないで、A、Bの2人がA⇨Bの順に1本ずつくじを引きます。Bが当たりであるとき、Aが当たる確率を求めなさい。

解答

\(\displaystyle \frac{2}{9}\)

解説

まず、公式の\(P(A)\)にあたるAがくじを引いたときに当たる確率を求めます。
くじが全部で10本、当たりくじが3本、外れクジが7本なので、

  • Aが当たる確率:\(\displaystyle \frac{3}{10}\)
  • Aが外れる確率:\(\displaystyle \frac{7}{10}\)

です。
続いて、Bが当たる確率を考えます。
こちらは2通りの確率を考えて足してやる必要があります。

  • Aが当たった場合にBが当たる確率
  • A外れた場合にBが当たる確率

Aが当たった場合のBが当たる確率は、Aがあたりを引いているため、全体のくじの本数は9本です。
また、当たりくじは残り2本。
つまりBがこの状態で当たりを引ける確率は\(\displaystyle \frac{2}{9}\)。
さらに、Aが当たってかつ、Bも当たる確率なので、Aが当たる確率と掛け算する必要があります。

$$\displaystyle \frac{3}{10}\times \displaystyle \frac{2}{9}=\displaystyle \frac{6}{90}=\displaystyle \frac{2}{30}$$

次はAが外れた場合のBが当たる確率を求めましょう。

Aがはずれを引いているため、全体のくじの本数は9本です。
また、当たりくじは残り3本。
つまりBがこの状態で当たりを引ける確率は\(\displaystyle \frac{3}{9}\)。
さらに今回は、Aが外れてかつ、Bは当たる確率なので、Aが外れる確率と掛け算する必要があります。

$$\displaystyle \frac{7}{10}\times \displaystyle \frac{3}{9}=\displaystyle \frac{21}{90}=\displaystyle \frac{7}{30}$$

以上より、Bが当たる確率は

$$(Aが当たった場合にBが当たる確率)+(A外れた場合にBが当たる確率)より、$$

$$\displaystyle \frac{2}{30}+\displaystyle \frac{7}{30}=\displaystyle \frac{9}{30}=\displaystyle \frac{3}{10}$$となります。

今回の問題で求めるのは「Bが当たりであるとき、Aが当たる確率\(P_B(A)\)」です。
公式にあてはめると,

$$P_B(A)=\displaystyle \frac{Aが当たってかつBも当たる確率P(A\cap B)}{B画当たる確率P(B)}$$

です。
計算過程より、
\(P(B)=\displaystyle \frac{3}{10}\)であり、
\(P(A\cap B)=\displaystyle \frac{2}{30}\)とわかったので代入すると

\(P_B(A)=\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{2}{30}}{\displaystyle \frac{3}{10}}=\displaystyle \frac{2}{9}\)となります。

条件付き確率不良品の問題

条件付き確率|不良品の問題

問題

ある部品を製造する機械A、Bがあり、それぞれの不良品の発生する割合は、Aでは1%、Bでは2%である。Aで作った部品とBで作った部品が2:3の割合で大量に混ざっている中から1つ取り出すとき、それが不良品である原因が機械Aにある確率をもとめよ。

解答

\(\displaystyle \frac{1}{4}\)

解説

まず、大量にある部品から1つ取り出した時に、機械Aの部品の確率は2/5、機械Bの部品の確率は3/5となります。
これは「Aで作った部品とBで作った部品が2:3の割合で大量に混ざっている」という問題文からわかります。

次に不良率を考えてみましょう。
取り出した部品が機械Aの部品であり、かつ、不良品の確率は、\(\displaystyle \frac{2}{5}\times\displaystyle \frac{1}{100}=\displaystyle \frac{2}{500}\)

取り出した部品が機械Bの部品であり、かつ、不良品の確率は、\(\displaystyle \frac{3}{5}\times\displaystyle \frac{2}{100}=\displaystyle \frac{6}{500}\)

つまり、取り出した部品が不良品である確率は、

\(\displaystyle \frac{2}{500}+\displaystyle \frac{6}{500}=\displaystyle \frac{8}{500}\)となります。

以上を条件付き確率の公式に代入します。

  • 求めたい条件付き確率:\(P_B(A)\)
  • 取り出した部品が不良品である確率:\(P(B)\)
  • 取り出した部品が不良品でかつAで製造された確率:\(P(A\cap B)\)

とすると、下記の通り計算できます。

\begin{eqnarray}
P_B(A)&=&\displaystyle \frac{P(A\cap B)}{P(B)}\\
&=&\displaystyle \frac{2/500}{8/500}\\
&=&\displaystyle \frac{1}{4}
\end{eqnarray}

今回の問題は、不良品であることが前提のため、不良品である確率が全体になります。
したがって、求める確率は、(2/500)/(8/500)=1/4となります。

確率の乗法定理と条件付き確率の見分け方

最後に条件付き確率の注意点を紹介します。
確率の乗法定理と条件付き確率は似ているため、混合しがちという点です。

区別するためには、問題文の言い回しに注意しましょう。

「~~~のとき、・・・の確率」⇨ 前提条件を提示された場合は条件付き確率

「~~~が起こり、・・・が起こる確率」⇨ 一連の流れの確率を求める場合は、乗法定理を用いた確率

というように考えましょう。
ただし、全ての問題が上記の考え方に適用できるとは限らないので参考程度にしましょう。

まとめ

 今回は、条件付き確率について説明しました。

考え方が難しい部分があり、苦手にする方も多いかもしれませんが、イメージさえつかめば普通の確率と同じように求めることができることが分かったと思います。

ぜひ、参考にして問題を解いてみてください。

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