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[数1]部分集合とは?記号、空集合、すべてあげよをわかりやすく解説

みなさんは「部分集合」と聞いて、どのような集合をイメージしますか?
「部分」の「集合」。

つまりある集合の一部分になっているということです。
たとえば、1年B組の中で、ペットを飼っている生徒たちをAグループとします。
そのとき、Aグループの生徒たちはペットを飼っていますが、1年B組の生徒でもありますよね。

部分集合とは
部分集合とは

これが部分集合の考え方です。

部分集合とは、ある集合の中に、1つの集合がすべて含まれることを表します。
それでは今から部分集合について考えていきましょう。

正解はどっち!

{2, 3}の部分集合は全部で?

目次

部分集合と記号

部分集合とは集合Aのすべての要素が集合Bの要素になっているとき、集合Aを集合Bの部分集合といいます。
実際に具体例をもとに考えていきましょう。

2つの集合$A=\{2,4\}$、$B=\{1,2,3,4,5\}$とします。
2つの集合をベン図で表すと、下記の図になります。

部分集合の例
部分集合の例

このとき集合Aは集合Bの部分集合といいます。
部分集合は記号「$⊂$」と「$⊃$」で表します。

今回の場合、「$A⊂B$」または「$B⊃A$」と表すことができます。
この2つにはどちらも共通するところがありますが、わかりますか?

どちらもBの方が開いていますね。

これが部分集合を表すときの大切なところです。

必ず大きな集合の方が開いているので、部分集合を記号で表すときはこの点に注意しましょう。
また、「$A⊂B$」を「$A$は$B$に含まれる」、「$B⊃A$」を「$B$は$A$を含む」と読みます。

どちらも左から読むと覚えておきましょう。

部分集合と空集合の関係

実は部分集合と空集合には不思議な関係があります。
すべての集合Aの部分集合に空集合が含まれます。

つまり「$A⊃\varnothing$」ということです。
それはなぜでしょうか

一緒に考えていきましょう。

「$A⊃\varnothing$」であるということは「$x∈\varnothing$ならば$x∈A$」が成り立つということです。
「$x∈\varnothing$ならば$x∈A$」を証明するために、この命題の対偶を考えてみます。

この命題の対偶は「$x∉A$ならば$x∉\varnothing$」ですね。
「あるxがAの要素でないならば、xは空集合の要素でない」

この命題は真です。なぜなら、空集合は要素をもたない集合だからです。
つまり対偶が真であることが証明されたので、もとの命題も真ということになります。

少し難しいなと思った人は、実際にxに数字を入れてみるとわかりやすいかもしれません。
$x=2,3$など、どの数字をいれてもこの命題は成り立ちます。

実際にやってみてくださいね。
以上のことから、すべて集合の部分集合に空集合は含まれます
この関係は覚えておきましょう。

部分集合をすべてあげよ|練習問題

それでは部分集合を求める練習問題を解いていきましょう!

まずは肩慣らし

正解はどっち!

{2, 3}の部分集合は全部で?

問題

次の集合の部分集合をすべてあげよ。
(1) {1,3}  
(2) {2,3,4}

解答

(1) $\varnothing,\ \{1\},\ \{3\},\ \{1,3\}$  
(2) $\varnothing,\ {2},\ {3},\ {4},\ {2,3},\ {2,4},\ {3,4},\ {2,3,4}$

解答

部分集合は集合Aのすべての要素が集合Bの要素になっていればよかったですね。
つまり、部分集合には要素を1つだけもつ集合や、要素がすべて含まれる集合などがあります。
このことからわかるように、部分集合は1つではありません。
では実際に問題を解説していきます。

(1) {1,3}の部分集合は要素を1つももたない空集合∅、要素を1つだけもつ{1}、{3}、
要素をすべて含む{1,3}の合計4つが解答になります。

(2) {2,3,4}の部分集合は
要素を1つももたない空集合∅、要素を1つだけもつ{2}、{3}、{4}、
要素を2つもつ{2,3}、{2,4}、{3,4}、要素をすべて含む{2,3,4}の合計8つが解答になります。

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部分集合のまとめ

部分集合について解説しました。
ポイントは下記の3つです。

  1. 部分集合とは集合Aのすべての要素が集合Bの要素になっているとき、集合Aを集合Bの部分集合といいます。
  2. 集合Aが集合Bの部分集合であるとき、「A⊂B」または「B⊃A」と表します。
  3. すべての集合の部分集合に空集合は含まれます。

これまでの内容で部分集合について理解できましたか?
部分集合はベン図で表すと、1つの集合の中に、もう一つの集合がすべて入っています。

とても特徴的なベン図になるので、覚えておきましょう。

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