\(R-C\)直列回路の解説です。電圧やインピーダンスの求め方、求める際の考え方を解説しています。
この記事のPOINT!
- 電源電圧はベクトル和で求める
- コンデンサ\(C\)は電流の位相を電圧より\(\frac{\pi}{2}\)だけ進める
- インピーダンス\(Z\)は大きさだけなので、三平方の定理で求める
\(R-C\)直列回路の電圧

抵抗とコンデンサに交流電源を接続すると、電流\(I\)が流れて、\(R\)と\(C\)にそれぞれ電圧が掛かります。まずはこの電圧についての解説です。

交流回路のR(抵抗)、L(コイル)、C(コンデンサ)の働き
交流回路のR(抵抗)、L(コイル)、C(コンデンサ)の働きについて解説します。~Point~ 抵抗(R)は基本的に直流回路と同じ考え方でOKコイル(L)は電流の位相を\(\frac{\pi}{2}\)遅らせる。単位は(ヘンリー)コンデンサ(
<関連記事:\(C\ [F]\)を\(X_C\ [Ω]\)にする方法>
\(R-C\)直列回路に交流の電圧を掛けると、電流の位相は\(R-C\)の大きさに準じただけ進みます。
ここで一旦、電流\(I\)の位相を基準にして、ベクトル図を書いてみます。

すると、電流\(I\)と同じ位相に\(V_R\)、電流から\(\frac{\pi}{2}\)遅れた位相に\(V_C\)となります。
そして、\(V_R\)と\(V_C\)のベクトル和が電源電圧\(E\)のベクトルとなります。
電源電圧の大きさ
電源電圧のベクトル\(\dot E\)を求めました。この \(\dot E\) の大きさを求めましょう。
と言ってもすごく簡単で、\(V_R\)と\(V_C\)で三平方の定理を使えばOKです。
図にするとこうなります。

つまり、\(\dot E\)の大きさは\(|E|=\sqrt{V^2_R+V^2_C}\)です。
R-C直列回路のインピーダンス\((Z)\)
電圧を求めることができたので、次にインピーダンス\((Z)\)を求めます。
これも電圧と同じように求めることができます。抵抗とリアクタンスは電圧や電流と違い、位相がなく大きさだけです。
ただし、コンデンサ\(C\)は電流の位相を進める働きがあるので、単純に\(Z=R+X_C\)とすることができません。
インピーダンス\(Z\)は、以下の図を使って求めることができます。

$$Z=\sqrt{R^2+X^2_C}$$
これは三平方の定理を使って求めています。