(2019)令和元年 理論-問8|電験三種過去問解説

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問8

図の回路において、正弦波交流電源と直流電源を流れる電流\(I\)の実効値[\(A\)]として、最も近いものを次の\((1)\)~\((5)\)のうちから一つ選べ。ただし、\(E_a\)は交流電圧の実効値[\(V\)]、\(E_d\)は直流電圧の大きさ[\(V\)] 、\(X_c\)は正弦波交流電源に対するコンデンサの容量制リアクタンスの値[\(Ω\)]、\(R\)の抵抗値[\(Ω\)]とする。

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解説

この問題を解くには3つの知識が必要です。

  1. コンデンサの直流電源に対する動作
  2. インピーダンスの求め方
  3. 直流電流と交流電流の実行値の和の計算

逆に言えばこの3つの知識があれば簡単に解くことができます。一つずつ紐解いて正解を導きましょう。

まずは直流電流の大きさを求めます。直流電源に対するコンデンサは開放(\(R=\infty\))です。なので、直流電流\(I_d\)の大きさは

$$I_d=\frac{V}{R}=\frac{100}{10}=10[A]$$

となります。

  

次に交流電流の実行値を求めます。そのためにインピーダンス\(Z\)を求めましょう。

$$\begin{eqnarray}
\dot{Z}&=&1/(\frac{1}{R}-j\frac{1}{X_c})\\
&=&\frac{10}{1-j}\\\\
&=&\frac{10(1+j)}{(1-j)(1+j)}\\\\
&=&\frac{10}{2}(1+j)=5(1+j)\\\\
|Z|&=&5|1+j|\\
&=&5\sqrt{1^2+1^2}\\
&=&5\sqrt{2}
\end{eqnarray}$$

\(Z\)と交流電圧の実効値から交流電流\(I_a\)の実効値を求めることができます。

$$I_a=\frac{E_a}{Z}=\frac{100}{5\sqrt{2}}=\frac{20}{\sqrt{2}}=10\sqrt{2}[A]$$

  

ここまでで、直流電流\(I_d\)と交流電流の実効値\(I_a\)を求めることができました。あとはこれらを足すだけですが、ここに知識が必要です。

合計の電流値\(I\)は以下のように求めます。

$$\begin{eqnarray}I&=&\sqrt{I^2_d+I^2_a}\\
&=&\sqrt{100+200}\\
&=&\sqrt{300}\\
&=&10\sqrt{3}\\
&=&10\times 1.73=17.3[A]\end{eqnarray}$$

以上より答えは(3)です。

補足:なぜただ電流を足すだけではダメなのか

正直、電験三種に合格するだけなら、「直流電流と交流電流の実効値を足すときは2乗和の平方根」って覚える方がいいです。

が、一応補足します。

\(I_a+I_d\)の瞬時値\(i\)を式にすると、

$$\begin{eqnarray} i&=&I_d+i_a\\&=&10+I_m \sin (\omega t+α) \\
&=&10+10\sqrt{2}\times \sqrt{2} \sin (\omega t+α)\\
&=&10+20 \sin (\omega t+α) \end{eqnarray} $$

となります。あとはこの瞬時値の実効値を求めればOKです。

著者情報
この記事を書いた人
Kota

福岡県出身。高専から大学へ三年次編入したのち、大学院で工学の修士号・博士号を取得。数学と物理のプロフェッショナル。専門は電気。共同研究のためアイルランドへ留学経験あり。留学前は英語力が絶望的だったため、独学で猛勉強。海外旅行に1人で行ける程度の英語力を身につける。趣味はバドミントン・ボードゲーム・料理。最近はパン作りと英語多読にハマり中。TwitterとInstagramでも情報発信やってます!

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