直流回路の分圧・分流は理論科目で毎年出ている超重要単元です。 少し覚える式なんかもありますが、難しくはありません。
式を覚えなくても、オームの法則から電圧や電流を求めることは可能です。
しかし、ただでさえ時間の足りない電験三種の試験を突破するには、直流回路の分圧・分流くらいは完璧にしておいた方が良いでしょう。電力や機械でも使いますからね!
では、解説していきます。
直列回路の場合
まずは基礎的な直列回路から解説します。

直列回路の分圧
直列回路では \(R1\)と\(R2\) にかかる電圧は同じではありません。 \(R1\)にかかる電圧を\(V1\)、\(R2\)にかかる電圧を\(V2\)とします。
$$V1=\frac{R1}{R1+R2}V$$
$$V2=\frac{R2}{R1+R2}V$$
です。では\(V1\)の式をオームの法則を用いて解いてみましょう。
直列回路の合成抵抗\(R\)は\(R= R1+R2 \)。
次に、直列回路に流れる電流\(I\)は$$I=\frac{V}{R}\frac{V}{ R1+R2 }$$です。
そして、オームの法則より\(V1=IR1\)。これらを代入すると・・・
$$V1=IR1=\frac{V}{R}R1=\frac{R1}{R1+R2}V$$
直列回路の分流
直列の場合は電流が通れる道は1本しかありません。電源の\(+\)を出て、\(R1\)と\(R2\)を通って電源の\(-\)にたどり着く道です。
なので、直列回路には分流という考え方自体ありません。
並列回路の場合
次は並列回路の分圧・分流です。

並列回路の分圧
並列回路では、分圧する必要はありません。\(R1\)と\(R2\)のどちらにも電源電圧\(V\)がかかります。
並列回路の分流
直列並列混合の場合\(R1\)と\(R2\)にかかる電圧は等しいので、それぞれの抵抗に流れる電流はオームの法則で簡単に計算できます。\(R1\)と\(R2\)に流れる電流をそれぞれ\(I1\)、\(I2\)とすると、以下のように計算できます。
$$I1=\frac{V}{R1}\\
I2=\frac{V}{R2}$$
そして、回路全体に流れる電流を\(I\)とすると、
$$I=I1+I2$$
となります。
覚えておくと良いこと
直列回路:電流が同じ、電圧が違う。
並列回路:電圧が同じ、電流が違う。
分からなくなったら、直列回路なら電流が真っ直ぐ流れるから電流が同じ!と思い出すと良いでしょう。
