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[数1]集合と命題|集合の記号と補集合、ド・モルガンの法則をわかりやすく解説      

今回は「集合と命題」の集合について解説していきます!
集合のなかでも記号や、補集合、ド・モルガンの法則などの基礎を解説しますよー

目次

集合とは|要素と記号      

集合とは、数の集まりのことをいいます。
例えば、10以下の自然数の中の偶数の集合を考えてみましょう。
\(2,\ 4,\ 6,\ 8,\ 10\)です。この数字1つ1つを“要素”といいます。

そして、\(n(A)\)のようにして、集合の要素の個数を表すことができます。
また、集合として表す場合、中カッコ{}で囲む必要があります。この集合を集合Aとすると、このような感じです。

\(A=\{2,\ 4,\ 6,\ 8,\ 10\}\)

\(n(A)=5\)

これは、他にも表し方があります。中カッコの中に縦線|を入れます。その左側が要素を表し、右側がその条件を表します。これは、10以下の自然数の偶数を表しているのと同じことになります。

A={ n | nは自然数かつ偶数、n≦10 }

続いて、集合に出てくる様々な記号の紹介をします。まず、初めに下記の集合があるとします。

\(U=\{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6,\ 7,\ 8,\ 9,\ 10\}\)
\(A=\{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5\}\)
\(B=\{4,\ 5,\ 6,\ 7,\ 8\}\)
\(C=\{2,\ 3\}\)
\(D=\{2,\ 3\}\)

図で書くとこうなります。

集合の記号と解説

ここで、今回扱う数字は集合Uだけだと仮定した場合、集合Uのことを「全体集合」といいます。
今回はUを全体集合とします。
先ほど説明したように、2や3は集合Aの要素です。
これを記号で表すとこのようになります。

$$2 \in A$$

また、7は集合Aの要素ではないため、このように表します。

$$7 \notin A$$

この時に、不等号と同じで、開いているほうが大きいほう(集合)と覚えるとミスをしないでしょう。
続いて、集合Cは集合Aの要素の一部と完全に一致しています。このような集合Cは集合Aの「部分集合」といいます。
これを記号で表すとこのようになります。

$$C\subset A$$

また、集合Bは集合Aの部分集合ではないため、このように表します。

$$B \not \subset A$$

これも、要素の記号と同様に、開いているほうが大きい集合と覚えましょう。なお、要素の記号ととても似ているため注意しましょう。さらに、集合Cと集合Dは全く同じ集合です。この場合のみ、等号を用いることができます。

$$C=D$$

次に、和集合と共通部分について説明します。和集合とは、2つの集合のいずれかに属する要素全体の集合を表します。記号「∪」(カップ)を用います。例えば、このような感じです。

\(A\cup B=\{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6,\ 7,\ 8\}\)
\(B\cup C=\{2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6,\ 7,\ 8\}\)

続いて、共通部分とは、2つの集合に共通している要素の集合を表します。
記号「∩」(キャップ)を用います。

共通部分が存在しない場合は、空集合といい、記号「Φ」(ファイ)を用いて表します。
例えば、このような感じです。

\begin{eqnarray} A\capB&=&\{4,\ 5\}\\
A\capC&=&\{2,\ 3\}\\
B\capC&=&\phi\end{eqnarray}

ちなみに、下記のように記号を複数回用いることも可能です。

\(A\cap B\cup C=\{2,\ 3,\ 4,\ 5\}\)

補集合とは|記号も解説  

補集合とは、全体集合の中のある集合に属さない集合のことをいいます。記号は「\(\overline{A}\)」という風に集合の記号の上に横線を入れます。
先ほどの例を用いると、このようになります。

\(\overline{A}=\{6,\ 7,\ 8,\ 9,\ 10\}\)
\(\overline{B}=\{1,\ 2,\ 3,\ 9,\ 10\}\)

これを用いると、このように和集合や共通部分も考えることができます。

\(\overline{A}\cup\overline{B}=\{1,\ 2,\ 3,\ 6,\ 7,\ 8,\ 9,\ 10\}\)
\(\overline{A}\cap\overline{B}=\{9,\ 10\}\)

補集合の性質

また、補集合にはこのように様々な性質があります。

  1. \(A\cup\overline{A}=U\)
  2. \(A\cap\overline{A}=\phi\)
  3. \(\overline{\overline{A}}\)=A

3つ目に関しては、裏の裏は元に戻るといったイメージですね。
さらに、この補集合を用いた「ド・モルガンの法則」というものがあります。

最後に「ド・モルガンの法則」の解説をします!

ド・モルガンの法則

まずは式をご覧ください。

$$\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap\overline{B}$$

$$\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup\overline{B}$$

実際に下の式を具体的に考えてみましょう。
先ほどの例を考えると、

\(U=\{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6,\ 7,\ 8,\ 9,\ 10\}\)
\(A=\{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5\}\)
\(B=\{4,\ 5,\ 6,\ 7,\ 8\}\)

なので、

\(\overline{A}\cup\overline{B}=\{1,\ 2,\ 3,\ 6,\ 7,\ 8,\ 9,\ 10\}\)
\(A\cap B=\{4,\ 5\}\)

つまり、
\(\overline{A\cap B}=\{1,\ 2,\ 3,\ 6,\ 7,\ 8,\ 9,\ 10\}=\overline{A}\cup\overline{B}\)

となり、確かに一致することが確認できると思います。
場合によっては、ド・モルガンの法則を用いて問題を解くほうが簡単なこともありますので、ぜひ覚えておいてください。

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集合と補集合の練習問題  

練習問題

\(U={1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6\}\)
\(A={1,\ 3,\ 5}\)
\(B={1,\ 2,\ 3,\ 6}\)

であるとき、次の集合を求めてみましょう。

集合の問題

\((1)A\cup B\)

\((3)\overline{A}\)

\((5)\overline{A\cap B}\)

\((7)\overline{A \cup \overline{B}}\)

\((2)A\cap B\)

\((4)\overline{B}\)

\((6)\overline{A}\cup\overline{B}\)

解答と解説

(1)

集合の問題

集合Aと集合Bの和集合であるため、

\(A\cup B=\{1,\ 2,\ 3,\ 5,\ 6\}\)

(2)

集合の問題

集合Aと集合Bの共通部分であるため、

\(A\capB=\{1,\ 3\}\)

(3)

集合の問題

集合Aの補集合であるため、

\(\overline{A}=\{2,\ 4,\ 6\}\)

(4)

集合の問題

集合Bの補集合であるため、

\(\overline{B}=\{4,\ 5\}\)

(5)

集合の問題

A∩Bの補集合であるため、

\(\overline{A\cap B}=\{2,\ 4,\ 5,\ 6\}\)

(6)

集合の問題

\(\overline{A}\)と\(\overline{B}\)の和集合のため

\(\overline{A}\cup\overline{B}=\{2,\ 4,\ 5,\ 6\}\)

【別解】ド・モルガンの法則より、\(\overline{A}\cup\overline{B}=\overline{A\cap B}\)なので、(5)より\(\overline{A\cap B}\{2,\ 4,\ 5,\ 6\}\)である。

(7)

集合の問題

ド・モルガンの法則より、
\(\overline{A\cup\overline{B}}=\overline{A}\cap B=\{2,\ 6\}\)

まとめ   

今回は集合について説明しました。

集合の単元はかなりたくさんの新しい記号が出てくるため、覚えるのが大変だとは思います。
しかし、覚えてしまえば、思ったよりは簡単に感じる単元でもあります。

今回の記事を参考にして、頑張って練習してみてくださいね。

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