等式の変形とは、等式の性質を使って式を変形することを言います。式を変形することで、目的の文字の値を求めることができます。方程式を解くことができます。
例えば、x+5=4だとすると等式を変形することで、x=-1を求めることができます。
今回は等式の変形とは何か、等式の性質を使った問題と解き方、分数の場合の計算を解説していきます。
等式の変形とは?
等式の変形は、等式の性質を使って式を変形することを言います。式を変形して方程式を解いたり、目的の文字を解いたりできます。
例えば、下記のような計算をすることができます。
\begin{eqnarray} 4x+5=2x-3\\
4x+5-2x=2x-3-2x\\
4x-2x+5=2x-2x-3\\
2x+5=-3\\
2x+5-5=-3-5\\
2x=-8\\
x=-4\end{eqnarray}
どんな等式の性質使ったか確認していきましょう。
等式の性質
等式には4つの性質があります。
両辺に同じ数や文字を足しても、引いても、掛けても良いの3つと、両辺を0以外の同じ数や文字で割っても良いの4つの性質です。
分数がある場合は両辺に同じ数を掛けて分母をはらうことで計算できるようにします。
具体例を使いながら、1つずつ解説していきます!
両辺に同じ数を足しても良い
両辺に同じ数を足しても等式は成り立ちます。
$$A=B\ \rightarrow\ A+C=B+C$$
このように、両辺に同じ数を足しても等式は成り立ちます。
使い方
使い方としては、左辺から数の項を消すために使います。
(後ほど移項という便利な方法を紹介しますが、基本的なところなので解説しますね!)
方程式を解くには\(x=2\)みたいな形にする必要があります。
\(x-5=10\)だと、左辺にある\(-5\)が邪魔ですよね笑
なので両辺に\(5\)を足して、左辺に\(x\)しか残らないようにして方程式を解きます。
\begin{eqnarray}\\ x-5&=& 10 \\
x-5+5&=& 10+5\\
x&=&15\\
\end{eqnarray}
これで\(x\)を求められましたね。
同じ数を引いても良い
足しても良いと同様に、両辺から同じ数を引いてもOKです。
$$A=B\ \rightarrow\ A-C=B-C$$
使い方
この性質の使い方も基本的には足し算と同じです。
\(x+6=14\)という方程式があったとき、左辺の邪魔な\(6\)を消していきます。
\begin{eqnarray}\\ x+6 &=& 14 \\
x+6-6&=& 14-6\\
x&=&8\\ \end{eqnarray}
今は簡単な方程式ですが、分数やかっこが加わってややこしい方程式になったとき、これらの性質が活きるので頑張りましょう!あと2つです。
同じ数を掛けても良い
両辺に同じ数を掛けても、等式は成り立ちます。
$$A=B\ \rightarrow\ A\times C=B\times C$$
使い方
かけ算は分数や小数を整数に直したいときに使います。
\(\displaystyle \frac{2}{3}x+4=6\)だったら両辺に\(3\)を掛ける感じです。
\begin{eqnarray}\\ \displaystyle \frac{2}{3}x+4&=&6 \\
\left( \displaystyle \frac{2}{3}x+4\right)\times3 &=&6\times3\\\\
\displaystyle \frac{2}{3}x\times3+4\times3&=& 18\\
2x+12&=&18\\
2x+12-12&=&18-12\\
2x&=&6\\
x&=&3 \\\end{eqnarray}
両辺に\(3\)を掛けるとき、左辺全体に掛けるので分配法則を使っています。
0以外の同じ数で割っても良い
最後は割り算です。
両辺を同じ数で割っても等式は成り立ちます。
$$A=B\ \rightarrow\ \displaystyle \frac{A}{C}=\displaystyle \frac{B}{C}$$
ただし、割り算は注意事項があります。
『\(0\)で割ってはいけません!』言い換えると\(C=0\)はダメです。
これは数学のルールで、\(0\)で割るのが禁止されているからです。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。
使い方
割り算は\(x\)の係数を消したいときに使えます。
\(4x-9=7\)だと\(x\)の係数の\(4\)で割って\(x\)を作ります。
\begin{eqnarray} \\4x-9 &=& 7 \\
4x-9+9&=&7+9 \\
4x&=& 16\\
4x\div4&=&16\div4\\
x&=&4 \\\end{eqnarray}
式では\(4\)で割っていますが、\(\displaystyle \frac{1}{4}\)を掛けると言い換えることもできます。
等式の変形まとめ
等式の変形は、等式の性質を使って式を変形することを言います。式を変形して方程式を解いたり、目的の文字を解いたりできます。
等式の性質は、両辺に同じ数や文字を足しても、引いても、掛けても良いの3つと、両辺を0以外の同じ数や文字で割っても良いの4つあります。
方程式などを解くときに、等式の変形を使って解けるようになりましょう!
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