一次関数の変化の割合は、一次関数の傾きを表すため非常に重要です。
この記事では、そんな重要な一次関数の変化の割合の求め方を解説していきます。
変化の割合がマイナスになる場合や、分数になる場合も解説します。
最後には練習問題も準備しています。
ぜひ最後まで読んでいってください。
変化の割合とは
一次関数における変化の割合は、xが増えた(減った)ときにyがどのくらい増えた(減った)かの割合を表すものです。
次の式で変化の割合は求められます。
$$変化の割合=\displaystyle \frac{yの増加量}{xの増加量}$$
例えば、お風呂に水を入れるとします。
水を入れる時間をx分、入れた量をyリットルとします。
5分間で20リットルの水が入りました。
この時の変化の割合は、
$$変化の割合=\displaystyle \frac{20リットル}{5分}$$
変化の割合は、4となります。
変化の割合は一次関数の傾きになる
一次関数の式は、\(y=ax+b\) という式です。
\(a=傾き、変化の割合\)
\(b=切片\)
を表します。
一次関数の場合は、「傾き=変化の割合」になります。
bの切片は、問題の中で固定された数を表します。
例えば、さきほどと同じようにお風呂に水を入れる問題で考えてみます。
最初から20リットルの水が入っている場合、何分経過しても「最初に水が20リットルあった」という事実は変わりません。
このように元からあった数字を切片として考えます。
変化の割合が4、切片が20である時、\(y=ax+b\)の式で\(a=4,\ b=20\)なので一次関数の式は\(y=4x+20\)となります。
変化の割合の求め方
変化の割合は、
$$変化の割合=\displaystyle \frac{yの増加量}{xの増加量}$$
で求められますね。
\(x\)と\(y\)の増加量を求めるには「\(変化後-変化前\)」で求めるようにしましょう。
例えば、
(変化前):\(xが3\)のとき\(yが60\)
(変化後):\(xが5\)のとき\(yが80\)になる場合。
xの増加量は、「\(5-3\)」で\(2\)となります。
yの増加量は、「\(80-60\)」で\(20\)となります。
この場合の変化の割合は
$$変化の割合=\displaystyle \frac{yの増加量}{xの増加量}=\displaystyle \frac{5-3}{80-60}=\displaystyle \frac{2}{20}=\displaystyle \frac{1}{10}$$
になります。
変化の割合はマイナスにもなる
変化の割合(=傾き)は、マイナスになる場合もあります。
お風呂に水が\(100\)リットル入っているとします。
お風呂の栓を抜いて、水を抜いていきます。
\(x\)分後の水の量を\(y\)リットルとします。
2分後の水の量が、80リットルで、
6分後の水の量が、20リットルでした。
この時の変化の割合は、
xの増加量は、「\(6-2\)」で\(4\)となります。
yの増加量は、「\(20-80\)」で\(-60\)となります。
以上より変化の割合は
$$変化の割合=\displaystyle \frac{-60}{4}=-15$$
になります。
変化の割合は、分数になる場合もある
さらに変化の割合は、分数になる場合もあります。
もう一度お風呂に水を入れていく場合を考えます。
x分後の水の量をyリットルとします。
4分後の水の量が、50リットル
10分後の水の量が、90リットルでした。
この時の変化の割合を考えます。
xの増加量は、「\(10-4\)」で\(6\)となります。
yの増加量は、「\(90-50\)」で\(40\)となります。
変化の割合は
$$変化の割合=\displaystyle \frac{40}{6}=\displaystyle \frac{20}{3}$$
となります。
分数になる場合は、最後まで約分することを忘れないでくださいね。
変化の割合を求める問題
式の傾きから求める問題
問題
次の一次関数の変化の割合を求めなさい。
① \(y=3x+5\)
② \(y=-9x+10\)
③ \(y=\displaystyle \frac{1}{4}-8\)
解答
① \(3\)
② \(-9\)
③ \(\displaystyle \frac{1}{4}\)
解説
実は、この3つの式はすでに変化の割合が書かれているんです。
一次関数では、「傾き=変化の割合」でした。
ですので、①の式の傾きは3、変化の割合も同じく3です。
同様に②だと\(-9\), ③だと\(\displaystyle \frac{1}{4}\)になります。
増加量から求める問題
問題
・yはxの一次関数です。変化の割合を求めなさい。
④ x=3のときy=2、x=8のときy=22
⑤ x=6のときy=35、x=15のときy=29
⑥ x=12のときy=5、x=4のときy=25
解答
いずれの問題も
\(変化の割合=\displaystyle \frac{yの増加量}{xの増加量}\)
に数値を入れて求めます。
解答と解説
④ 4
\(\displaystyle \frac{22-2}{8-3}=\displaystyle \frac{20}{5}=4\)
⑤ \(-\displaystyle \frac{2}{3}\)
\(\displaystyle \frac{29-35}{15-6}=-\displaystyle \frac{6}{9}=-\displaystyle \frac{2}{3}\)
⑥ \(-\displaystyle \frac{5}{2}\)
\(\displaystyle \frac{25-5}{4-12}=-\displaystyle \frac{20}{8}=-\displaystyle \frac{5}{2}\)
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まとめ
一次関数の変化の割合は、
$$変化の割合=\displaystyle \frac{yの増加量}{xの増加量}$$
で求められます。
変化の割合は、-(マイナス)になることや分数になることもあります。
落ち着いて計算をしていきましょう。
一次関数の式は、\(y=ax+b\)です。
\(a\)は傾きですが、一次関数の場合だと変化の割合と同じです。
一次関数の式がわかっていて変化の割合を求める問題は、答えがすでに書いてあるのと同じことになります。
一次関数の問題は複雑なものもたくさんありますが、変化の割合を正確に求めることからスタートする場合が多いです。
丁寧に処理していってくださいね。
コメント
コメント一覧 (1件)
1次関数がy=3分の2x+5について、xの値が1から3まで増加するときのx,yの増加量を求めなさい。
↑1次関数が分数の場合はどのように計算したらいいでしょうか。いろんなサイト調べても載ってないくて困ってます。お手数をお掛けしますが宜しければ途中式も含め書いてくださると嬉しいです。