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[数B]ベクトルの平行と平行条件、内積との関係、証明を解説

今回はベクトルの平行と平行条件、内積との関係、証明について解説します。

ベクトルの平行は図を書くことで、簡単に理解が深まります。
この記事では図の書き方まで解説するので、自分でも図を書いて理解するのがおススメです!

※参考記事
[数B]ベクトルとは|ベクトルの意味とスカラーとの違いを解説

目次

ベクトルの平行とは

ベクトルの平行とは「向き」が同じベクトルの組み合わせを表します。

ベクトルは向きと大きさの情報をあわせ持ちますが、向きが同じであれば大きさは異なっていても平行となります。

例えば$\vec{r_{1}}=(1,3)$というベクトルに対して長さが2倍のベクトル$\vec{r_{2}}=\vec{r_{1}}{\times}2=(1{\times}2,3{\times}2)=(2,6)$を考えます。

$\vec{r_{1}}$と$\vec{r_{2}}$は長さが違いますが向きは同じなので平行関係にあります。
逆に2つのベクトルが平行である条件は「片方のベクトルの定数倍の長さである」ことです。数式で表現すると以下になります。

$\vec{r_{1}}=a\vec{r_{2}}$ (aは実数)
平行の関係を図に表記しましたのでそちらでも確認してください。

ベクトルの平行
ベクトルの平行

ベクトルの平行と内積

ベクトルが平行の場合は内積の計算が簡単になります。そもそもベクトルの内積の計算式は以下で表されます。$\vec{r_{1}}・\vec{r_{2}}=|\vec{r_{1}}||\vec{r_{2}}|\cos\theta$

ベクトルが平行の場合は$\theta=0$なので$\cos{0}=1$となり、内積の計算式が以下のように表すことが出来ます。
$\vec{r_{1}}・\vec{r_{2}}=|\vec{r_{1}}||\vec{r_{2}}|\cos0=|\vec{r_{1}}||\vec{r_{2}}|$

これはつまり「平行なベクトルの内積はベクトルの長さをかければよい」ということを表します。

※参考記事
[数B]ベクトルの内積、公式と求め方、3次元、角度がわからないときも解説

ベクトルの平行を証明

平行なベクトルを求める練習問題を1つ解説します。

問題

$\vec{a}=(x,1)$,$\vec{b}=(2,3)$が平行な場合、$x$を求めよ。

答え

$\vec{a}$と$\vec{b}$が平行であるということは$\vec{a}$は$\vec{b}$の定数倍であると言えます。これを数式で表すと以下になります。
$\vec{r_{1}}=a\vec{r_{2}}$ (aは実数)
⇒$\vec(x,1)=a\vec(2,3)$
これを$x$成分と$y$成分でそれぞれ計算すると以下になります。

\begin{equation}
\begin{aligned}
x & = 2a\\
1 & = 3a
\end{aligned}
\end{equation}

これを解くと$x=\frac{2}{3}$になります。
(ちなみに別の解き方もあります。最後に記載してありますよ。)

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ベクトルの平行とはのまとめ

ベクトルの平行と平行条件、内積との関係、証明について解説しました。
ポイントは下記の3つです。

  1. ベクトルが平行の場合、片方のベクトルの定数倍で表現できる。
  2. 平行なベクトルの内積はベクトルの長さをかければよい。
  3. ベクトルが平行でである証明は「片方のベクトルの定数倍」という性質を用いることで証明できる。

下記に別解も記載しておきます。

$\vec{b}=(2,3)$は$x$成分と$y$成分の比率が2:3です。$\vec{a}$が$\vec{b}$と平行の場合、$\vec{a}$の$x$成分と$y$成分の比率も同じになります。
よって$\vec{a}$の$x$成分は$y$成分の$\frac{2}{3}$倍になります。
したがって$x=1\times\frac{2}{3}=\frac{2}{3}$となります。

ベクトルは図形的要素があるので他にも回答はあるかと思います。
ぜひ自分でも他の回答を探してみましょう!

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