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[数B]単位ベクトルとは?求め方、内積、垂直をわかりやすく解説

本記事では「単位ベクトル」について解説します。

単位ベクトルはベクトルを扱う際に基本となる考え方です。

※参考記事
[数B]ベクトルの内積、公式と求め方、意味を解説|角度がわからないときも

また今回は「内積」を用いて単位ベクトルについて解説します。
ベクトルは何を行っているのかイメージしにくいかもしれませんが、基本的な考え方と具体例も合わせて詳しく丁寧に解説します。

本記事で単位ベクトルについてぜひ理解を深めましょう!

単位ベクトルの問題!

単位ベクトルとは?

目次

単位ベクトルとは?

単位ベクトルとは、長さが1のベクトルを表します。

世の中には1m、1円、1秒など基準となる単位がありますが、ベクトルの世界にも単位があり、ベクトルの世界で基準となる単位が単位ベクトルです。

そもそもベクトルとは「方向」と「長さ」の情報を持っており、単位ベクトルは「長さ」が1なので「方向」については単位ベクトル毎に異なります。

例えば目隠しをした人に「こっちに来てください」と言ってもたどり着かせるのは難しいですが、「右に3歩、そのあと前に7歩」と指示する方が相手は分かりやすいですよね。

それは「右に1歩」「前に1歩」という2つの単位ベクトルがあり、それぞれを組み合わせることで相手から見た自分の位置を示すことができるからです。

このように単位ベクトルは「長さは1で方向を持った単位」を表し、単位ベクトルを組み合わせると2点間の位置を示しやすくなります。

単位ベクトルの求め方

単位ベクトルは長さが1であれば良いので、ベクトルを自身の長さで割ることで求められます。
ベクトル$\vec{r}=(a,\ b)$の単位ベクトルの求め方を以下に示します。

$\displaystyle \frac{\vec{r}}{|\vec{r}|}=\left( \displaystyle \frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}},\ \displaystyle \frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}\right)\cdots(1)$

(1)指揮を求めていきます。まずは$|\vec{r}|$を求めましょう。
$|\vec{r}|$は$\vec{r}=(a,\ b)$の大きさを表します。ベクトルの大きさは三平方の定理で求めることができるので、$|\vec{r}|=\sqrt{a^2+b^2}$となります。

ベクトルの大きさ
ベクトルの大きさ

例えば$\vec{r}=(1,\ 2)$の場合は$|\vec{r}|=\sqrt{1^2+2^2}=\sqrt{5}$となります。
つまり、$\vec{r}$の単位ベクトルは下記の通り求めることが出来ます。

$$\displaystyle \frac{\vec{r}}{|\vec{r}|}=\left( \displaystyle \frac{1}{\sqrt{5}},\ \displaystyle \frac{2}{\sqrt{5}}\right)$$

このように「ベクトルを自身の長さで割る」ことで単位ベクトルを求めることが出来ます。

垂直な単位ベクトル

単位ベクトルは長さが1のベクトルを表しますが、基本的にはある単位ベクトルとそれに垂直な単位ベクトルがセットになっている方が便利です。
例えば「右に3歩、左斜め前に7歩」というより「右に3歩、前に7歩」と伝えた方が分かりやすいはずです。
$\vec{r_1}=(a,\ b)$が単位ベクトルの場合、$\vec{r_1}$に垂直な単位ベクトル$\vec{r_2}$は以下のように求められます。

$$\vec{r_2}=(-b,\ a),\ \vec{r_2}=(b,\ -a)$$

内積の公式からわかる通り、あるベクトルと、あるベクトルに対して垂直なベクトルの内積は0になります。

※参考記事
[数B]ベクトルの内積、公式と求め方、意味を解説|角度がわからないときも

つまり$\vec{r_1}$と$\vec{r_2}$には$\vec{r_1}\cdot$\vec{r_2}=0$という関係が成立します。

また$\vec{r_2}$は単位ベクトルなので$|\vec{r_2}|=1$も成立します。
この2つを元に垂直な単位ベクトルを求めることが出来ます。

ただし「内積が0」ということを活かせば「ベクトルのx成分とy成分を入れ替えてどちらかの符号を反転させる」ことで垂直なベクトルは簡単に求められます。

単位ベクトルの問題!

単位ベクトルとは?

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単位ベクトルのまとめ

今回は単位ベクトルについて解説しました。
ポイントは下記の3つです。

  1. 単位ベクトルはベクトルの世界の基準となるベクトルで「長さが1」のベクトルを表します。
  2. 単位ベクトルは「ベクトルを自身の長さで割る」ことで求められます。
  3. 内積の性質を用いて単位ベクトルに垂直なベクトルを求めることが出来ます。

ベクトルは勉強だけだと意味を理解しにくいですが、物理的な挙動を計算する時に利用されます。
近年で言えば「咳をした時にどれだけ飛沫が散布されるか」「ゲーム上で物体が動いた時の挙動」など、モノが動くときに
ベクトルを用いて演算されています。

また座標平面もx軸とy軸という単位ベクトルを組み合わせて位置を示している、と考えることができます。
このようにベクトルは様々な計算をしやすくするツールの1つとして扱われています。

今回は2次元空間でのベクトルについて書きましたが、実は3次元、4次元、それ以上の次元でもベクトルというのは活躍しています。

様々なところで活躍しているベクトルの基本として今回の内容を理解していただけると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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