今回は中2で習う一次関数について解説します。
一次関数は3年生で習う単元、二次関数の基本にもなりますので、しっかり理解しておきましょう。
このページに一次関数の重要事項をまとめていますので、テスト前などにもぜひご活用ください。
1次関数
$y$が$x$の関数で、$y$が$x$の1次式で表されるとき、$y$は$x$の1次関数であるといいます。
1次関数は一般に次のように表されます。
$y=ax+b$ ($a,b$は整数)
比例を表す式、$y=ax$は$b=0$のときの特別な場合です。
1次関数の性質と調べ方
1次関数の値の変化
$x$の増加量に対する$y$の増加量の割合を「変化の割合」といいます。
1次関数$y=ax+b$では、変化の割合は一定で、$a$の値に等しいです。
また、上の式から下記の式が成り立ちます。
例)
$y=3x+5$の変化の割合は $3$
$x$の増加量が$4$のとき$y$の増加量は、
$y=3 \times 4=12$
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1次関数のグラフ
$y=ax+b$のグラフは$y=ax$のグラフを$y$軸の正の方向に$b$だけ平行移動させた直線です。
$y=ax+b$のグラフの傾き具合は、$a$がどのような値をとるかによって決まります。
$a$をそのグラフの「傾き」といいます。
$b$は$x=0$のときの$y$の値で、グラフの「切片」といいます。
例)
$a>0$のとき、$x$の値が増加すると$y$の値も増加します。グラフは右上がりの直線となります。
$a<0$のとき、$x$の値が増加すると$y$の値は減少します。グラフは右下がりの直線となります。
グラフをかくときは、切片と傾きに注目します。
例)
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1次関数を求める方法
〇グラフから求める
〇傾きと、通る1点の座標から求める
例)
$y$が$x$の1次関数で、グラフの傾きが$-2$,点$(3,1)$を通るとき、この1次関数の式を求めよ。
解)
傾きが$-2$より、1次関数は$y=-2x+b$・・・①
点$(3,1)$を通るので、$x=3, y=1$を①に代入して
$1=-2 \
times 3 + b$
$b=7$
よって、求める1次関数は$y=-2x+7$
〇通る2点の座標から求める
例)
$y$が$x$の1次関数で、2点$(-3,5),(3,-1)$を通るとき、この1次関数の式を求めよ。
解)
求める1次関数を$y=ax+b$とする。
2点$(-3,5),(3,-1)$を通るので、
$x=-3,y=5$を代入して、$5=-3a+b$・・・①
$x=3,y=-1$を代入して、$-1=3a+b$・・・②
①、②を連立方程式として解くと、
$a=-1,b=2$
よって、求める1次方程式は$y=-x+2$
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2元1次方程式と1次関数
2元1次方程式のグラフ
2元1次方程式$ax+by=c$は、$x$の値を決めると$y$の値もただ1つ決まるので、$y$は$x$の関数です。
例えば、2元1次方程式$2x+y=4$は、$y$について解くと
$y=-2x+4$となり、1次関数の式と同じ形になります。
また、グラフは傾きが$-2$,切片が$4$の直線です。
例)
方程式$2x-3y=-12$のグラフをかけ。
解)
2元1次方程式$ax+by=c$で$a=0$のときのグラフは$x$軸に平行な直線です。
また、$b=0$のときのグラフは、$y$軸に平行な直線です。
例)
① $-3y+3=0$のグラフ
$0x-3y=-3$の形の2元1次方程式なので、$x$がどのような値であっても
$-3y=-3$ → $y=1$が成り立ちます。
グラフは、点$(0,1)$を通り、$x$軸に平行な直線です。
② $2x=-4$のグラフ
$2x+0y=-4$の形の2元1次方程式なので、$y$がどのような値であっても
$2x=-4$ → $x=-2$が成り立ちます。
グラフは、点$(-2,0)$を通り、$y$軸に平行な直線です。
連立方程式とグラフ
$x,y$についての連立方程式の解は、それぞれの方程式のグラフの交点の$x$座標
,$y$座標の組です。
例)
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1次関数の利用
1次関数を利用した文章問題を解いてみましょう。
例)
長さ$20$㎝のろうそくに火をつけると、一定の割合で短くなっていくものとする。火をつけてから$x$分後のろうそくの長さを$y$㎝として$x$と$y$の関係をグラフに表すと、下の図のようになった。ろうそくの長さが$12$㎝になるのは、火をつけてから何分後か求めよ。
解)
直線の切片は$20$なので、直線の式を$y=ax+20$とおきます。
直線は($45,0$)を通るので
$0=45a+20$
$a=-\frac{20}{45}=-\frac{4}{9}$
よって直線の式は$y=-\frac{4}{9}x+20$ $(0≦x≦45)$・・・①
ろうそくの長さが$12$㎝になるのは、$y=12$を①の式に代入して
$12=-\frac{4}{9}x+20$
$x=18$
これは問題に適しています。
(答) $18$分後
例)
長方形ABCDにおいて、点Pは点Bを出発して辺上を点Cを通って点Dまで、秒速$1$㎝で移動します。
点Pが動き始めてから$x$秒後の△PABの面積を$y$㎠とします。点Pが次の辺上を動くとき、$x$の変域を求め、$y$を$x$の式で表せ。
(1)辺BC上 (2)辺CD上
解)
(1)
点Pが点Cに着くのは、動き始めてから$3$秒後であるから
$x$の変域は $0≦x≦3$
PBの長さは$x$秒後は$x$㎝なので
△PABの面積は$y=4 \times x \times (1/2)$
よって、$y=2x$
(2)
点Pが点Dに着くのは、動き始めてから$7$秒後であるから
$x$の変域は $3≦x≦7$
△PABの面積は、点Pが辺CD上にあるときは一定です。
$y=4 \times 3 \times (1/2)=6$
よって$y=6$
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