今回は中2で習う図形の性質の証明について解説します。
証明の問題は苦手な生徒さんが多く、受験にも出てくる重要な単元になりますので、しっかり理解しておきましょう。
このページに図形の証明の重要事項をまとめています。
テスト前などにもぜひご活用ください!
三角形
二等辺三角形の性質
言葉の意味をはっきり述べたものを「定義」といいます。
証明された事柄のうち大切なものを「定理」といいます。角度を求めたり、図形の証明をするときに使います。
定義
二等辺三角形は次のように定義します。
定義:2つの辺が等しい三角形を二等辺三角形という。
二等辺三角形で、長さの等しい2つの辺の間の角を「頂角」、頂角に対する辺を「底辺」、底辺の両端の角を「定角」といいます。
定理
二等辺三角形には次の2つの性質があります。
定理1:二等辺三角形の底角は等しい。
定理2:二等辺三角形の頂角の二等分線は底辺を垂直に2等分する。
例)
二等辺三角形になるための条件
定理:三角形の2つの角が等しければ、その三角形は等しい2つの角を底角とする二等辺三角形である。
例)
二等辺三角形ABCで、底角∠B,∠Cのそれぞれの二等分線を引き、その交点をPとする。
このとき、△PBCは二等辺三角形になることを証明せよ。
証明)
直角三角形の合同
直角三角形の直角に対する辺を「斜辺」といいます。
直角三角形では「三角形の合同条件」のほかに、次の合同条件が使えます。
定理:2つの直角三角形は次のどちらかが成り立つとき合同である。
1.斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい。
2.斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい。
詳しくはこちら!
例)
証明)
△POQと△PORにおいて、仮定より
∠POQ=∠POR ・・・①
∠PQO=∠PRO=90°・・・②
共通な辺であるから
PO=PO ・・・③
①,②,③より
直角三角形の斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しいから
△POQ≡△POR
よって、PQ=PR (終)
平行四辺形
平行四辺形の性質
四角形の向かい合う辺を「対辺」、向かい合う角を「対角」といいます。
平行四辺形の定義は次の通りです。
定義:2組の対辺がそれぞれ平行な四角形を平行四辺形という。
平行四辺形の性質は次の3つです。
定理1: 2組の対辺はそれぞれ等しい。
定理2: 2組の対角はそれぞれ等しい。
定理3: 対角線はそれぞれの中点で交わる。
四角形が平行四辺形になるための条件は次の5つです。どれか1つが成り立てばその四角形は平行四辺形です。
定理1:2組の対辺がそれぞれ平行である。(定義)
定理2:2組の対辺がそれぞれ等しい。
定理3:2組の対角がそれぞれ等しい。
定理4:対角線がそれぞれの中点で交わる。
定理5:1組の対辺が平行でその長さが等しい。
例)
下の図のように▱ABCDの辺AD,BCの延長線上に、AE=CFとなる点E,Fをとります。
このとき、四角形EBFDは平行四辺形であることを証明せよ。
証明)
仮定より、AE=CF ・・・①
▱ABCDの対辺は等しいから、AD=BC ・・・②
①,②よりAE+AD=CF+BC
よって、ED=BF ・・・③
▱ABCDの対辺は平行であるからAD//BC
よって、ED//BF ・・・④
③,④より、1組の対辺が平行でその長さが等しいから
四角形EBFDは平行四辺形である。 (終)
特別な平行四辺形
〇長方形
定義:4つの角がすべて等しい四角形は長方形である。
定理:対角線は等しい。
〇正方形
定義:4つの角がすべて等しく、4つの辺がすべて等しい四角形は正方形である。
定理:対角線は等しく、垂直に交わる。
〇ひし形
定義:4つの辺がすべて等しい四角形はひし形である。
定理:対角線は垂直に交わる。
平行線と面積
一組の平行線があるとき、一方の直線上の2点から他の直線に引いた2つの垂線の長さは等しいです。
このことから、下の図のような底辺BCを共有し、BCに平行な直線l上に頂点を持つ
△ABC,△DBC,△EBCは、高さが等しいので面積も等しくなります。
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