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[中3]三平方の定理|ピタゴラスの定理について詳しく解説

今回は、「三平方の定理」について例題を使って解説します。
三平方の定理は直角三角形において、「斜辺×斜辺=他の辺A×他の辺A+他の辺B×他の辺B」という式が成り立つというものですね。

二次方程式になるので、苦手意識を持つ方も多いと思います。
そんな三平方の定理ですが、実は暗記で補えるところもあります。

リラックスして問題に挑戦できるように、簡潔にまとめます。

目次

三平方の定理とは

直角三角形ABCにおいて、辺をa、b、cとします。
cを斜辺として、「三平方の定理」である「$a×a+b×b=c×c$」が成り立ちます。
斜辺以外を求める場合は、「$a×a=c×c−b×b$」や「$b×b=c×c−a×a$」と応用します。

ピタゴラス数と特殊な直角三角形

三平方の定理では、整数だけで3辺の比ができる、特殊な数字の組み合わせがあります。
こういった比がいくつかあるので、紹介していきます。

ピタゴラス数

先ほどのような、直角三角形における整数だけでできる3辺の比を「ピタゴラス数」と言います。

① $3:4:5$
② $5:12:13$
③ $8:15:17$
④ $7:24:25$

例に挙げた比も含めて、覚えておきたいピタゴラス数はこの4つです。
どの比も、一番大きい数は斜辺の値になります。
暗記しておくと、計算が段違いに早くなりますのでぜひ挑戦しましょう。

特殊な直角三角形

直角三角形の辺の比では、平方根も出てきます。
平方根が入った比の中で、次の3つはよく登場します。

⑤ $1:1:\sqrt{2}$
⑥ $1:2:\sqrt{3}$
⑦ $1:2:\sqrt{5}$

この中でも、⑤と⑥は三角定規になっている直角三角形です。
そういった点で、覚えやすい比ですね。
よく出てくるので、暗記しておくとかなりの時間短縮になります。

三平方の定理の証明

三平方の定理の証明は、工程を分けて解説をしていきます。

【例題】三平方の定理の証明

次の図形において、三平方の定理が成り立つことを証明しなさい。
また、色のついた2つの三角形は合同です。

三平方の定理を使う問題
三平方の定理を使う問題

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【解答】

台形ABCDにおいて、
\begin{eqnarray}& &(AB+DC)×BC×\displaystyle \frac{1}{2}=(a+b)×(b+a)×\displaystyle \frac{1}{2}\\
&=&\displaystyle \frac{1}{2}(a+b)(a+b)…❶\end{eqnarray}

また、台形ABCDは3つの三角形からなっているため、 

\begin{eqnarray} & &△ABE+△ADE+△CDE\\
&=&\displaystyle \frac{1}{2}a×b+\displaystyle \frac{1}{2}c×c+\displaystyle \frac{1}{2}a×b\\
&=&\displaystyle \frac{1}{2}(c^2+2ab)…❷\end{eqnarray}

❶と❷は同じ台形ABCDの面積を表しているため、

\begin{eqnarray} \displaystyle \frac{1}{2}(a+b)(a+b)&=&\displaystyle \frac{1}{2}(c^2+2ab)\\
(a+b)(a+b)&=&(c^2+2ab)\\
a^2+b^2+2ab&=&c^2+2ab\end{eqnarray}

よって、$a^2+b^2=c^2$(証明終)

【解説】

この証明は、3つの工程に分けることができます。
各ステップごとに解説していきます。

ステップ1:台形の面積の公式を使い、ABCDを求める式❶を作る。
ステップ2:台形を3つの三角形に分け、それぞれの面積を求める式の和❷を表現する。
ステップ3:❶=❷となるため、これを解いて三平方の定理の公式と同じ形に整理する。

各ステップごとに解説していきます。

ステップ1

台形の面積の公式を使い、ABCDを求める式❶を作る。
台形の面積は、$(上底+下底)×高さ×1/2$で求めることができます。
今回の問題は、一度大文字で辺を表して式に当てはめています。
合同である三角形の各辺を$abc$で表し、大文字をそれらの小文字に変えることで、
後の証明に使いやすくしています。

ステップ2

台形を3つの三角形に分け、それぞれの面積を求める式の和❷を表現する。
また、台形ABCDを、色のついていない三角形も含む3つの三角形の集まりと考えます。

そうすると$台形ABCD=△ABE+△ADE+△CDE$と表現できます。
この$△ABE+△ADE+△CDE$が❷の式になります。

ここで使う三角形の面積の公式は、$底辺×高さ×1/2$です。
❶と同じく先程の小文字を使って、❶=❷をスムーズに計算できるようになるわけです。

ステップ3

❶=❷となるため、これを解いて三平方の定理の公式と同じ形に整理する。
ここで注意が必要なのは、「結論を三平方の定理の形にする」ことです。

式の整理では、文字の書き間違いや移項のミスに気をつけましょう。

まとめ

今回は、三平方の定理が楽になるポイントや、証明の流れについて解説していきました。
ポイントは「整数比は暗記で時間短縮」、「証明はいくつかの公式を使うこと」です。
平方根も出てくるので、定理を利用しての計算には注意が必要です。

証明の場合は、公式の形を守って結論に持ってこなければならないことにも気をつけましょう。
テストの時は、暗記で時間に余裕を持たせて、証明にじっくり時間を使って冷静に挑みましょう。

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