中3で習う平方根について、公式と用語をまとめました。
平方根は初めて習う数学の概念でつまづく人が多いです。
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平方根
平方根
2乗して$a$になる数を$a$の平方根といいます。$x^2=a$のとき、$x$は$a$の平方根です。
正の数の平方根は2つあり、絶対値が等しく、符号が異なります。
$0$の平方根は$0$だけです。
$a$が正の数のとき、
正の平方根を $\sqrt{a}$
負の平方根を $-\sqrt{a}$
また、まとめて$\pm\sqrt{a}$と表す場合もあります。
記号$\sqrt{}$を根号といい、$\sqrt{a}$と読みます。
例)
$2$の平方根は $\sqrt{2}$ と $-\sqrt{2}$ まとめて $\pm\sqrt{2}$
$4$の平方根は $\sqrt{4}=2$ と $-\sqrt{4}=-2$ まとめて $\pm2$
$0$の平方根は $\sqrt{0}=0$ のみ
一般に、$a$を正の数とするとき、次の式が成り立ちます。
$(\sqrt{a})^2=a$
$(-\sqrt{a})^2=a$

例)
$(\sqrt{3})^2=3$
$(-\sqrt{7})^2=7$
平方根の大小
平方根の大小について次のことが成り立ちます。
$a,b$が正の数で、$a<b$ならば $\sqrt{a}<\sqrt{b}$
例)
$\sqrt{10}$ と $\sqrt{7}$ の大小は $\sqrt{10}>\sqrt{7}$
$4$ と $\sqrt{17}$ の大小は $4^2=16$, $(\sqrt{17})^2=17$で$16<17$であるから $4<\sqrt{17}$
有理数と無理数
$a$を整数、$b$を$0$ではない整数として、分数$\dfrac{a}{b}$の形で表せる数を有理数といいます。
円周率$\pi$や$\sqrt{2}$のように分数で表すことのできない数を無理数といいます。

有限小数と無限小数
整数ではない有理数の中で、$0.5$ や $1.25$ のように終わりのある小数を、有限小数といいます。対して、少数点以下が無限に続く終わりのない小数を、無限小数といいます。無限小数の中で、$0.33333\ldots$ のように同じ数の並びが繰り返される小数を、循環小数といいます。無理数は循環しない小数で、無限小数です。
例)
$4/3 = 1.333\ldots$ は循環小数
$3/8 = 0.375$ は有限小数
$\sqrt{2} = 1.41421356\ldots$ は循環しない無限小数
平方根の乗法・除法
平方根の乗法・除法
$a>0, b>0$ のとき、以下の式が成り立ちます。
① $\sqrt{a} \times \sqrt{b} = \sqrt{ab}$
② $\sqrt{a} / \sqrt{b} = \sqrt{\frac{a}{b}}$
例)
① $\sqrt{2} \times \sqrt{3} = \sqrt{6}$
② $\frac{\sqrt{18}}{\sqrt{6}} = \sqrt{\frac{18}{6}} = \sqrt{3}$
根号のついた数の変形
$a>0, b>0$ のとき、以下のように変形できます。
① $a\sqrt{b} = \sqrt{a^2} \times \sqrt{b} = \sqrt{a^2b}$
② $\sqrt{a^2b} = \sqrt{a^2} \times \sqrt{b} = a\sqrt{b}$
根号の計算の結果、ある数の2乗との積になっているときは、根号の中の数をできるだけ小さい自然数になるよう変形します。
例)
① $4\sqrt{5} = \sqrt{4^2} \times \sqrt{5} = \sqrt{4^2 \times 5} = \sqrt{80}$
② $\sqrt{28} = \sqrt{4 \times 7} = \sqrt{2^2 \times 7} = 2\sqrt{7}$
根号の中の数が大きい場合は素因数分解すると根号の外に出す数を見つけやすいです。
$\sqrt{96} = \sqrt{4^2 \times 6} = 4\sqrt{6}$

平方根のおよその値
以下の平方根のおよその値を利用して、近似値を求めれます。
$\sqrt{2} \approx 1.414$, $\sqrt{3} \approx 1.732$, $\sqrt{5} \approx 2.236$
例)
$\sqrt{500} = \sqrt{5 \times 100} = \sqrt{5 \times 10^2} = \sqrt{5} \times 10 = 2.236 \times 10 = 22.36$
$\sqrt{0.02} = \sqrt{\frac{2}{100}} = \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{10^2}} = \frac{\sqrt{2}}{10} = 0.1414$
分母の有理化
分母に根号があるときは、分母と分子に同じ数をかけて、分母に根号がない形に表せます。これを「有理化する」といいます。

例)
$\frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}} = \frac{\sqrt{3} \times \sqrt{2}}{\sqrt{2} \times \sqrt{2}} = \frac{\sqrt{6}}{2}$
$\frac{5}{2\sqrt{5}} = \frac{5 \times \sqrt{5}}{(2\sqrt{5}) \times \sqrt{5}} = \frac{5\sqrt{5}}{2 \times 5} = \frac{5\sqrt{5}}{10}$
平方根の加法・減法
同じ数の平方根を含む式は、同類項をまとめる方法と同様に計算できます。

例)
$6\sqrt{3} + 2\sqrt{3} = (6+2)\sqrt{3} = 8\sqrt{3}$
$2\sqrt{10} – 6\sqrt{10} + 7\sqrt{10} = (2-6+7)\sqrt{10} = 3\sqrt{10}$
$\sqrt{12} + \sqrt{75} = 2\sqrt{3} + 5\sqrt{3} = 7\sqrt{3}$
$3\sqrt{5} – \frac{10}{\sqrt{5}} = 3\sqrt{5} – \frac{10\sqrt{5}}{5} = 3\sqrt{5} – 2\sqrt{5} = \sqrt{5}$
\ おすすめの参考書! /
平方根のいろいろな計算
いろいろな計算
分配法則や乗法公式を使って根号を含む式を計算できます。
例)
$2\sqrt{3}(\sqrt{12}-\sqrt{6})=2\sqrt{36}-2\sqrt{18}=2\times6-2\times3\sqrt{2}=12-6\sqrt{2}$
$(\sqrt{5}+3)(\sqrt{5}-1)=\sqrt{5}^2+(3-1)\sqrt{5}+3\times(-1)=5+2\sqrt{5}-3=2+2\sqrt{5}$
$(\sqrt{3}+\sqrt{2})^2=\sqrt{3}^2+2\sqrt{3}\sqrt{2}+\sqrt{2}^2=3+2\sqrt{6}+2=5+2\sqrt{6}$
根号を含む式の値
例)
$x=\sqrt{3}+2, y=\sqrt{3}-2$ のとき、$x^2+2x+y^2$ の値を求めよ。
解:
$x^2+2x+y^2=(x+y)^2\quad\ldots\quad(1)$
$x+y=(\sqrt{3}+2)+(\sqrt{3}-2)=2\sqrt{3}$ であるから、(1) に代入して
$x^2+2x+y^2=(x+y)^2=(2\sqrt{3})^2=4\times3=12$
複雑な計算式はそのまま代入するのではなく、例のように簡単な形に変形してから代入して求めます。
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