【集中力】大幅アップの勉強タイマー

【数1】三角形の面積を求める公式

三角比から三角形の面積を求める公式は、覚えておく必要がある超重要公式です。

三角形の面積の公式

三角形ABC

三角形の面積をSとすると、下記の式が成り立つ。

$$S=\displaystyle \frac{1}{2}ab\sin C\\
S=\displaystyle \frac{1}{2}bc\sin A\\
S=\displaystyle \frac{1}{2}ca\sin B$$

三角形の面積は通常だと、

(底辺)\(\times\)(高さ)\(\div2=\)(面積)

と計算します。

しかし三角比があれば、面積の公式によって、2辺とその間の角から面積を計算できるようになります。

今回はこの三角形の面積の公式を解説していきます!

この記事で分かること!

  • 面積の公式の基本的な使い方
  • そのほかの面積を求める公式(余弦定理やヘロンの公式など)
  • 面積の公式の証明のやり方

では、例題を解きながら面積の公式を理解しましょう!

目次

面積の公式の使い方1|2辺とその間の角がわかる場合

紹介する例題は3問です。

  1. 2辺とその間の角が分かっている場合(基礎問題)
  2. 3辺が分かっている場合
  3. 1辺とその両端の角が分かっている場合

この3問を解いていきます!

例題1|三角比 面積の公式基礎問題

三角形の面積の公式|基礎問題
三角形の面積の公式|基礎問題

図のような三角形の面積を求めよ。

解答1|三角比 面積の公式基礎問題

この問題は2辺のその間の角が分かっていますね。

この場合は公式を使って1発で計算できます。

$$S=\displaystyle \frac{1}{2}bc\sin A$$

より、

\begin{eqnarray} S &=&\displaystyle \frac{1}{2}bc\sin A \\
&=& \displaystyle \frac{1}{2}96\sin 120°\\
&=& 48\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2}\\
&=&24\sqrt{3} \end{eqnarray}

\(∴S=24\sqrt{3}\)

公式を使うと簡単に求めることができますよね!

面積の公式の使い方2|3辺がわかる場合

次の例題は3辺が分かっている場合です。

例題2|三角比 面積の公式

3辺の長さが分かっている三角形ABC
3辺の長さが分かっている三角形ABC

図のような三角形の面積を求めよ。

解答2|三角比 面積の公式問題

この場合は2つの解法があります。

  1. 余弦定理を使って、角度を出してあげて、2辺とその間の角から面積の公式で計算する
  2. ヘロンの公式に当てはめる

1つずつ解説していきますね。

余弦定理で面積を求める方法

面積の公式は

$$S=\displaystyle \frac{1}{2}bc\sin A$$

であり、今\(b=5,\ c=10\)が分かっています。

なので、\(\sin A\)がわかれば面積Sを求めることができますね。

\(\sin A\)を求めるために、\(\sin^2 A+\cos^2 B=1\)の式と余弦定理を使います。

余弦定理

三角形\(ABC\)において、\(AB=c,\ BC=a,\ CA=b\)とするとき下記の式が成り立つ。

$$a^2=b^2+c^2-2bc\cos A\\
b^2=c^2+a^2-2ca \cos B\\
c^2=a^2+b^2-2ab \cos C$$

余弦定理を変形すると、角度を求めることができます。

$$\cos A = \displaystyle \frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}$$

ここに3辺の長さを代入すると、

\begin{eqnarray} \cos A &=& \displaystyle \frac{b^2+c^2-a^2}{2bc} \\
&=&\displaystyle \frac{25+100-49}{100} \\
&=&\displaystyle \frac{76}{100} \\
&=& \displaystyle \frac{19}{25}\end{eqnarray}

(\sin^2 A+\cos^2 B=1)より、

\begin{eqnarray} \sin A &=& \sqrt{1-\cos^2 A} \\
&=& \sqrt{\displaystyle \frac{25^2-19^2}{25^2}} \\
&=&\displaystyle \frac{2\sqrt{66}}{25}\end{eqnarray}

となります。

最後に求めた\(\sin A\)を面積の公式に代入すると、面積が計算できます。

\begin{eqnarray} S&=&\displaystyle \frac{1}{2}bc\sin A \\
&=& \displaystyle \frac{1}{2}50\displaystyle \frac{2\sqrt{66}}{25}\\
&=& 2\sqrt{66}\end{eqnarray}

よって、面積は\(2\sqrt{66}\)となります。

ヘロンの公式で面積を求める方法

ヘロンの公式は3辺の長さを代入すれば解けてしまうので非常に便利です。

ヘロンの公式

三角形ABC

三角形ABCの辺の長さをa, b, cとすると、面積Sは下記の式で表すことができる。

\begin{eqnarray}
S &=& \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \\
ここで、s &=& \displaystyle \frac{a+b+c}{2}
\end{eqnarray}

\(a=7,\ b=5,\ c=10\)を代入すると、ヘロンの公式の\(s\)は以下のようになる。

\begin{eqnarray} s&=& \displaystyle \frac{a+b+c}{2} \\
&=& \displaystyle \frac{22}{2}\\
&=&11 \end{eqnarray}

\(s\)を使って面積\(S\)を計算することができます!

\begin{eqnarray} S &=& \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \\
&=& \sqrt{11(11-7)(11-5)(11-10)}\\
&=&\sqrt{11\times4\times6\times1}\\
&=&\sqrt{264} \\
&=&2\sqrt{66}\end{eqnarray}

よって、面積は\(2\sqrt{66}\)となります。

ヘロンの公式の注意点

今回は、辺の長さが(a=7,\ b=5,\ c=10)であり、無理数がありませんでした。

\(\sqrt{3}\)などの無理数があるとヘロンの公式は計算が複雑になるため、使えません。

辺の長さにルートがある場合は、余弦定理で面積を求める方がおすすめです!

面積の公式の使い方3|1辺と2つの角がわかる場合

最後は1辺と2つの角がわかる場合の面積の求め方です。

この場合は正弦定理を使って、辺の長さを計算してあげて、面積の公式に当てはめます!

例題3|三角比 面積の公式問題

1辺と2つの角がわかる三角形ABC
1辺と2つの角がわかる三角形ABC

図の三角形の面積を求めよ。

解答3|三角比 面積の公式問題解説

三角形の1辺と2つの角が分かっています。

面積の公式を使うには、2辺とその間の角が必要です。

つまり、問題図で言うと\(b\)の長さが分かれば面積の公式を使えるようになります。

ここで使うのが正弦定理です。

正弦定理で面積を求める方法

正弦定理

三角形ABC

三角形ABCがあるとき、以下の式が成り立つ。

$$\displaystyle \frac{a}{\sin A}=\displaystyle \frac{b}{\sin B}=\displaystyle \frac{c}{\sin C}$$

また、三角形ABCに外接する半径Rの円がある時、以下の式も成り立つ。

$$\displaystyle \frac{BC}{\sin A}=\displaystyle \frac{AC}{\sin B}=\displaystyle \frac{AB}{\sin C}=2R$$

正弦定理より、$$\displaystyle \frac{a}{\sin A}=\displaystyle \frac{b}{\sin B}$$

が成り立ちます。

ここで\(∠B=180-80-30=70\)なので、70°ですね。

つまり、以下の計算をすることができます。

\begin{eqnarray} \displaystyle \frac{a}{\sin A}&=&\displaystyle \frac{b}{\sin B}\\
b&=& \displaystyle \frac{1}{\sin B}\displaystyle \frac{a}{\sin A} \\
&=& \displaystyle \frac{1}{\sin 70}\displaystyle \frac{5}{\sin 30} \\
&=&\displaystyle \frac{1}{0.94}\displaystyle \frac{5}{\displaystyle \frac{1}{2}} \\
&=&\displaystyle \frac{94}{100}10\\
&=&\displaystyle \frac{47}{5} \end{eqnarray}

よって、\(b=\displaystyle \frac{47}{5}\)となります。

面積の公式より、

$$S=\displaystyle \frac{1}{2}ab\sin C$$

なので、

\begin{eqnarray} S &=& \displaystyle \frac{1}{2}ab\sin C \\
&=& \displaystyle \frac{1}{2}5\displaystyle \frac{47}{5}\sin 80\\
&=&\displaystyle \frac{47}{2}\times0.985\\
&=&23.14 \end{eqnarray}

よって、面積は\(23.14\)となります。

実際の問題では、もう少し綺麗な値になると思いますが、練習なので小数になる問題を使ってみました。

\ おすすめの参考書! /

面積を求めるポイント

面積を求める公式が色々あるのは分かっていただけたと思います!

面積を求めるポイントは、2辺とその間の角をなんとしても求める!になります。

三角形の面積を求めるには、2辺とその間の角をなんとしても求める!

そして、面積の公式に代入する!

もちろんヘロンの公式を使った方が早いよーって問題もあります。

面積の公式を使わない方が早い場合もあります。

ただ、基本は面積の公式なのは間違いありません。

問題を読んで、面積の公式に足りない材料は何かな〜

と考えるのが1番簡単に求められる方法だと思います!

トムソン
トムソン

何よりたくさんの公式を覚えなくても良いので、私はこの方法がおすすめですよ!

証明|三角比 三角形の面積の公式

では、三角形の面積の公式を証明していきましょう!

とっても簡単なのでサクッとやってしまいますね。

三角比で面積を求める証明

三角形の面積は、(底辺)\(\times\)(高さ)\(\div2=\)(面積)です。

三角比を使ってこの式を表したのが面積の公式です。

では証明に移ります。

三角形ABC CからABに垂線を下ろした図
三角形ABC CからABに垂線を下ろした図

三角形ABCがあった時、上の図のように頂点Cから辺ABに垂線を下ろし、交点をHとする。

(この時三角形CHBに注目しましょう。)

\(CH=a\sin B\)であり、CHは三角形ABCの高さである。

この時、底辺はAB\((=c)\)なので、面積をSとすると以下の式が成り立つ。

$$S=\displaystyle \frac{1}{2}ca\sin B$$

また、同様に計算することで以下の式も求めることができる。

$$S=\displaystyle \frac{1}{2}ab\sin C\\
S=\displaystyle \frac{1}{2}bc\sin A$$

証明は以上です!

三角形の面積の公式|まとめ

三角比を使った三角形の面積の公式について解説してきました。

ポイントは以下の3点です。

  • 三角形の面積の公式の他にも面積を求める公式はいくつかある(ヘロンの公式など)
  • 公式を迷ったら2辺とその間の角を求めて、面積の公式に当てはめるのが簡単!
  • ヘロンの公式の方が簡単な場合があるが、辺の長さルートの場合は注意が必要

となります。

関連記事

まとめ記事

[数1]三角比の公式と用語一覧

参考記事

[数1]サインコサインタンジェントとは?表、公式、覚え方をわかりやすく解説

三角比の基本公式3選

[数1]鈍角の三角比のやり方を解説|三角比の拡張

[数1]正弦定理の公式と証明

[数1]余弦定理の公式と証明【テスト対策】

[数1]余弦定理で角度を求める2つの方法

[数1]余弦定理で三角形の面積を求める方法

三角形の面積を求める公式

[数1]ヘロンの公式

コメント

コメントする

目次