みなさんは「和集合」と聞いてどのような集合をイメージしますか?
漢字をみると「和」の「集合」。
数学の「和」とは足し算の結果でもあります。
つまり和集合は、集合同士を足した集合と考えることができそうですね。
これから和集合について詳しく説明していきます。
一緒に考えていきましょう。
和集合とは?記号と読み方
和集合とは集合A、Bの少なくとも一方に属する要素全体の集合のことです。
これから具体例をもとに考えていきましょう。
2つの集合$A=\{1,2,3,4\}$、$B=\{1,3,5\}$において、少なくともどちらかの集合に含まれている要素全体の集合は$\{1,2,3,4,5\}$ですね。
つまり、これがAとBの和集合になります。
和集合の記号
また、和集合は記号「$\cup$」で表します。
先ほどのAとBの和集合は、$A\cup B=\{1,2,3,4,5\}$と表すことができます。
和集合はベン図で示すと、下記の図になります。

では記号「$\cup$」はなんと読むでしょうか?
これは「または」や「カップ」と読みます。
日本語で「または」とは「2つ以上の事柄から、どれか1つを選ぶときに使う言葉」です。
つまり、今回の和集合もAとBのどちらかに要素が含まれていればよいということなので、「または」と読むことができます。
もう一つの読み方が「カップ」です。
この「$\cup$」の記号。
よく見るとあるものに見えてきませんか?
答えは「コップ」です。
取っ手をつけると、マグカップのように見えますよね。

コップを英語で表すと「cup」
このことから記号「∪」を「カップ」と読むようになったといわれています。
以上のことから、AとBの和集合は「AまたはB」、「AカップB」と読みます。
和集合と積集合の違い
和集合と似ている集合で「積集合」があります。
みなさんは「積集合」について説明できますか?
わからない人もいると思うので、解説していきます。
積集合とは、集合A、Bのどちらにも属する要素全体の集合のことです。
先ほどの2つの集合$A=\{1,2,3,4\}$、$B=\{1,3,5\}$を例に考えていきます。
2つの集合A、Bに共通する要素はなんでしょうか?
答えは「1と3」です。
つまり、A、Bのどちらにも属する要素全体の集合は$\{1,3\}$になります。
これがAとBの積集合です。
積集合は記号「∩」で表します。
よって、AとBの積集合は$A∩B=\{1,3\}$と表すことができます。
積集合をベン図で表すと、図のようになります。

また、記号「∩」は「かつ」や「キャップ」と読みます。
よって、AとBの積集合は「AまたはB」、「AキャップB」と読みます。
和集合と積集合は似ているようで、まったく違う集合です。
どちらの集合もしっかり理解しておきましょう。
和集合の求め方|練習問題
それでは実際に和集合を求める問題を解いていきましょう!
問題
次の集合A、Bについて$A∪B$を求めよ。
(1) A={1,2}、B={2,5,6}
(2) A={x|xは12の正の約数}、B={x|xは20の正の約数}
解答
(1) A∪B={1,2,5,6}
(2) A∪B={1,2,3,4,5,6,10,12,20}
解説
今回は「AとBの和集合」を求める問題です。
つまり、和集合の要素は集合AかBのどちらか一方に含まれていればいいことになります。
では実際に問題を解説します。
(1) 集合AとBをベン図で表してみましょう。

つまり、集合AとBの和集合は赤色の部分です。
よって$A∪B={1,2,5,6}$になります。
(2) この問題は集合の要素が条件を述べる方法で書かれています。
これでは実際に含まれている要素がわかりにくいので、実際に要素を書き並べてみましょう。
2つの集合A、Bは次のように表すことができます。
A={1,2,3,4,6,12}、B={1,2,4,5,10,20}
ベン図で表すと次のようになります。

集合AとBの和集合は赤色の部分なので、A∪B={1,2,3,4,5,6,10,12,20}です。
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和集合のまとめ
和集合について解説しました。
ポイントは下記の3つです。
- 和集合とは集合A、Bの少なくとも一方に属する要素全体の集合です。
- AとBの和集合は「A∪B」で表し、「AまたはB」、「AカップB」と読みます。
- 和集合と積集合は混同しやすいので、注意しましょう。
これまでの内容で和集合について理解できましたか?
とくに、和集合と積集合は表す記号も似ているので、自分で説明できるようにしておきましょう。
自分で理解したことを友達に教えてあげると、さらに理解が深まるのでおすすめです。
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