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[数2]微分法と積分法の公式と用語一覧

数2で習う微分法と積分法の公式と用語の一覧です。

テスト前の復習や辞書代わりにご活用ください。

目次

微分係数と導関数

平均変化率

関数 $y=f(x)$ において、$x$ の値が $a$ から $b$ まで変化するとき、

$y$ の変化量 $/$ $x$ の変化量 = $(f(b)-f(a)) / (b-a)$ $(a\neq b)$

を関数 $f(x)$ の平均変化率といいます。

平均変化率
平均変化率

平均変化率は上の図の2点 $A,B$ を通る直線の傾きを表しています。 また、$\beta = \alpha + \eta$ とすると、平均変化率は

$$\dfrac{f(a+h)-f(a)}{a+h-a}=\dfrac{f(a+h)-f(a)}{h}=\dfrac{f(\mathbf{a}+\mathbf{h})-f(\mathbf{a})}{\mathbf{h}}$$

となります。

例)

関数 $f(x)=2x^2$ において、$x$ が $2$ から $2+h$ まで変化するときの関数 $f(x)$ の平均変化率を求めよ。

解)

$$\dfrac{f(2+h)-f(2)}{h}=\dfrac{2(2+h)^2-2\times2^2}{h}=\dfrac{8+8h+2h^2-8}{h}=8+2h$$

極限値

関数 $f(x)$ において、$x$ が $a$ と一致しないように $a$ に限りなく近づくとき、$f(x)$ はある一定の数 $\alpha$ に限りなく近づいていきます。この $\alpha$ を $f(x)$ の極限値といい、下記のように表します。 $\lim_{h\to a}f(x)=\alpha$

例)

$$\lim_{x\to2}(x^2-3x-2)=2^2-3\times2-2=-4$$

微分係数

関数 $f(x)$ において、$x$ が $a$ から $a+h$ まで変化するときの平均変化率は $\dfrac{f(a+h)-f(a)}{h}$ です。この平均変化率の $h$ を限りなく $0$ に近づけるときの極限値を、関数 $f(x)$ の $x=a$ における微分係数といい、$f'(a)$ で表します。

$f'(a) = \lim_{h \to 0} \dfrac{f(a+h) – f(a)}{h}$

例) $f(x) = x^2$ の $x = -1$ における微分係数は

\begin{eqnarray}f'(x) &=& \lim_{h \to 0} \dfrac{f(2+h) – f(2)}{h}\\
&=& \lim_{h \to 0} \dfrac{(2+h)^2 – 2^2}{h} \\&=& \lim_{h \to 0} \dfrac{4+4h+h^2-4}{h} \\&=& \lim_{h \to 0} (4+h)\\&=& 4\end{eqnarray}

微分係数とグラフ

関数 $f(x)$ において、$x$ が $a$ から $a+h$ まで変化するときの平均変化率 $\dfrac{f(a+h) – f(a)}{h}$ は、下の図の直線ABの傾きを表しています。

$h$ を限りなく $0$ に近づけると、直線ABは限りなく点Aを接点とする接線に近づきます。つまり微分係数

$f'(a) = \lim_{h \to 0} \dfrac{f(a+h) – f(a)}{h}$

は関数 $y = f(x)$ のグラフ上の点Aにおける接線の傾きを表しています。

導関数

導関数の定義

関数 $f(x)$ の導関数は以下のように定義されます。

$f'(x) = \lim_{h \to 0} \dfrac{f(x+h) – f(x)}{h}$

微分係数 $f'(a) = \lim_{h \to 0} \dfrac{f(a+h) – f(a)}{h}$ は決まった1点 $(a, f(a))$ における1つの値 $f'(a)$ を求める式であるのに対し、導関数 $f'(x)$ は $x$ に値を代入して、その値に対する微分係数を求めるための関数です。

関数 $f(x)$ から導関数 $f'(x)$ を求めることを「微分する」といいます。

例) 関数 $f(x) = x^2$ の導関数は

$$f'(x) = \lim_{h \to 0} \dfrac{f(x+h) – f(x)}{h} = \lim_{h \to 0} \dfrac{(x+h)^2 – x^2}{h} = \lim_{h \to 0} \dfrac{x^2 + 2xh + h^2 – x^2}{h} = \lim_{h \to 0} (2x + h) = 2x$$

導関数 $f'(x)$ は $y’$ や $(x^2)’$ と書くこともあります。

以下の2つが成り立ちます。

  1. $(x^n)’ = nx^{n-1}$ (n は正の整数)
  2. 定数関数 $c$ について、$(c)’ = 0$

※参考記事
x^nの微分|xのn乗の微分を二項定理を使って証明

例)

  1. $(x^3)’ = 3x^{3-1} = 3x^2$
  2. $(5)’ = 0

導関数の公式

k, l を定数とする。 ① $y=kf(x)$ ならば $y’ = k f'(x)$ ② $y=f(x)+g(x)$ ならば $y’ = f'(x) + g'(x)$ $y=f(x)-g(x)$ ならば $y’ = f'(x) – g'(x)$ ③ $y=kf(x)+lg(x)$ ならば $y’ = k f'(x) + lg'(x)$

例) $y=2x^2$ を微分すると $y’=4x$ $y=x^3-2x^2+1$ を微分すると $y’ = 3x^2-4x$

導関数の応用

接線の方程式

微分係数 $f'(a)$ は関数 $y=f(x)$ の $(a, f(a))$ における傾きなので、以下の公式が成り立ちます。 関数 $y=f(x)$ の $(a, f(a))$ における接線の方程式は

$$y-f(a)=f'(a)(x-a)$$

※参考記事
[数2]図形と方程式の公式まとめ一覧

例) 関数 $y=x^2-3$ の点 $(2,1)$ における接線の方程式を求めよ。 解) $f(x) = x^2-3$ とおくと、$f'(x) = 2x$ 点 $(2,1)$ における接線の傾きは $f'(2) = 4$ よって、接線の方程式は $y-1=4(x-2)$ $y=4x-7$

関数の増減

関数 $f(x)$ は、 $f'(x)>0$ となる $x$ の値の範囲で増加し、 $f'(x)<0$ となる $x$ の値の範囲で減少します。 $f'(x)=0$ となる $x$ の値の範囲では定数です。

関数の極大・極小

関数 $f(x)$ が $x=a$ で増加から減少に代わるとき、$f(x)$ は $x=a$ で極大になるといい、$f(a)$ を極大値といいます。 このとき、$f'(x)$ の符号は$x=a$の前後で+から-に変わります。

関数 $f(x)$ が $x=b$ で減少から増加に代わるとき、 $f(x)$は$x=b$で極小になるといい、$f(b)$ を極小値といいます。 このとき、$f'(x)$の符号は$x=b$の前後で-から+に変わります。

極大値と極小値をまとめて極値といいます。

関数 $f(x)$ が $x=a$ で極値を取るとき、$f'(a)=0$ になります。

例) 関数 $y=x^3-3x^2+1$ の増減を調べ、極値を求めよ。また、そのグラフを描け。 解) $y’=3x^2-6x=3x(x-2)$ $y’=0$ とすると、$x=0$、$2$ 増減表を作り、グラフを描きます。

$x=0$ で極大値 $1$ $x=2$ で極小値 $-3$

関数の最大・最小

区間 $a \leqq x \leqq b$ で定義された場合の最大値、最小値はこの区間での極値と、区間の両端の関数の値を比べ求めます。区間における最大値・最小値と、関数の極大値・極小値が一致するとは限りません。

例: $y = x^3 – 3x + 1$ $(0 \leqq x \leqq 2)$ の最大値、最小値を求めよ。

解) $y’ = 3x^2 – 3 = 3(x + 1)(x – 1)$ 増減表からグラフを描きます。

グラフより、 $x = 2$ で 最大値 $3$ $x = 1$ で 最小値 $-1$

不定積分

微分すると $f(x)$ になる関数を $f(x)$ の不定積分といい、以下のように表します。 $F'(x) = f(x)$ のとき、 $\int{f(x) dx} = F(x) + C$ ($C$ は積分定数)

$x^n$ の不定積分は $\int{x^n dx} = \dfrac{1}{n + 1}x^{n + 1} + C$ ($n$ は $0$ または正の整数)

例: $\int{x^2 dx} = \dfrac{1}{2 + 1}x^{2 + 1} + C = \dfrac{1}{3}x^3 + C$

不定積分の計算

$F'(x) = f(x)$ , $G'(x) = g(x)$ のとき

  1. $\int{k f(x) dx} = kF(x) + C$ ($k$ は定数)
  2. $\int{f(x) + g(x)} dx = F(x) + G(x) + C$
  3. $\int{f(x) + g(x)} dx = F(x) + G(x) + C$

例: $\int{(5x^2 + 3x) dx} = 5 \times \dfrac{1}{3}x^3 + 3 \times \dfrac{1}{2}x^2 + C = \dfrac{5}{3}x^3 + \dfrac{3}{2}x^2 + C$

定積分

関数f(x)を定められた区間a≦x≦bの間で積分し求めた値を、aからbまでの定積分といい、$ \int_{a}^{b} f(x) dx $と表します。aを下端、bを上端といいます。

定積分を以下のように定義します。

F'(x)=f(x)のとき

$ \int_{a}^{b} f(x) dx = [ F(x) ]_{a}^{b} = F(b) – F(a) $

例)

$$ \int_{-1}^{3} x^2 dx = [ \frac{1}{3} x^3 ]_{-1}^{3} = \frac{1}{3} \times 3^3 – (\frac{1}{3}(-1)^3) = 9 + \frac{1}{3} = \frac{28}{3} $$

定積分の性質

定積分について以下の公式が成り立ちます。

  • $ \int_{a}^{b} kf(x) dx = k \int_{a}^{b} f(x) dx $ (kは定数)
  • $ \int_{a}^{b} [f(x) + g(x)] dx = \int_{a}^{b} f(x) dx + \int_{a}^{b} g(x) dx $
  • $ \int_{a}^{b} [f(x) – g(x)] dx = \int_{a}^{b} f(x) dx – \int_{a}^{b} g(x) dx $
  • $ \int_{a}^{a} f(x) dx = 0 $
  • $ \int_{b}^{a} f(x) dx = – \int_{a}^{b} f(x) dx $
  • $ \int_{a}^{b} f(x) dx = \int_{a}^{c} f(x) dx + \int_{c}^{b} f(x) dx $

④~⑥は上端、下端に関する公式です。

例)

$$ \int_{-1}^{1} (3x^2+7x+2)dx + \int_{1}^{3} (3x^2+7x+2)dx = \int_{-1}^{3} (3x^2+7x+2)dx $$

$$ = [x^3+\frac{7}{2}x^2+2x]_{-1}^{3} = 27 + \frac{63}{2} + 6 – (-1+\frac{7}{2}-2) = 64 $$

定積分と面積

曲線とx軸の間の面積

① a≦x≦bの範囲で常にf(x)≧0のとき、曲線y=f(x)とx軸、2直線x=a ,x=bで囲まれた部分の面積Sは

$ \mathbf{S}=\int_{a}^{b} f(x) dx $

② a≦x≦bの範囲で常にf(x)≦0のとき、曲線$y=f(x)$とx軸、2直線$x=a ,x=b$で囲まれた部分の面積Sは

$$ \mathbf{S}=\int_{a}^{b} [-f(x)] dx $$

例) $y=x^2+1$とx軸、2直線$x=-1, x=2$で囲まれた部分の面積は

$ S = \int_{-1}^{2} (x^2+1) dx = [\frac{x^3}{3}+x]_{-1}^{2} = (\frac{8}{3}+2)-(-\frac{1}{3}-1) = 6 $

2つの曲線の間の面積

a≦x≦bの範囲で常にf(x)≧g(x)のとき、2つの曲線y=f(x), y=g(x)と2直線x=a ,x=bで囲まれた部分の面積Sは

$$ \mathbf{S}=\int_{a}^{b} [f(x)-g(x)] dx $$

例)
$y=-x^2+3x+2\ \ ,\ y=x-1$で囲まれた面積を求めよ。

放物線と直線の交点のx座標は
$-x^2+3x+2=x-1 $
$x^2-2x-3=0$
$ \left(x-3\right)\left(x+1\right)=0$

よって、$x=-1\ ,\ 3$求める面積は

\begin{eqnarray}
S&=&\int_{-1}^{3}{\left\{\left(-x^2+3x+2\right)-\left(x-1\right)\right\}}dx\\
&=&\int_{-1}^{3}\left({-x}^2+2x+3\right)dx\\
&=&-\left[\frac{x^3}{3}-x^2-3x\right]_{-1}^3\\
&=&-\left\{\left(9-9-9\right)-\left(-\frac{1}{3}-1+3\right)\right\}\\
&=&\frac{32}{3}
\end{eqnarray}

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