数2で習う「図形と方程式」の公式をまとめました。
点と直線の公式
数直線上の2点間の距離
2点$A(a),\ B(b)$間の距離ABは次の式で表される。


使用例
$A(5),\ B(-3)$の距離$AB=\left|5-\left(-3\right)\right|=8$
線分の内分点・外分点の座標
数直線上の2点A(a),B(b)を結ぶ線分ABについて以下の3つで表すことができる。
- m : nに内分する点Pの座標は
で表される。
- m:nに外分する点Qの座標は
で表される。
- 線分ABの中点の座標は$\frac{a+b}{2}$で表される。
使用例
2点$A\left(-2\right),\ B\left(6\right)$を結ぶ線分ABについて
- 3:1に内分する点$P=\frac{1\times\left(-2\right)+3\times6}{3+1}=\frac{16}{4}=4$
- 3:1に外分する点$Q=\frac{-1\times\left(-2\right)+3\times6}{3-1}=\frac{20}{2}=10$
- 中点$M=\frac{-2+6}{2}=2$
平面上の2点間の距離

座標平面上の2点$A\left(x_1\ ,\ y_1\right),\ B\left(x_2\ ,\ y_2\right)$について、$AB=\sqrt{\left(x_2-x_1\right)^2+\left(y_2-y_1\right)^2}$となる。
特に原点Oと点Aとの距離は$OA=\sqrt{{x_1}^2+{y_1}^2}$である。
使用例
2点$A(2 , 1),\ B(6 , 4)$間の距離$AB=\sqrt{\left(6-4\right)^2+\left(4-1\right)^2}=\sqrt{4+9}=\sqrt{13}$
原点$O,\ A(2 , 1)$間の距離$OA=\sqrt{2^2+1^2}=\sqrt5$
平面上の内分点・外分点の座標
座標平面上の2点$A\left(x_1\ ,\ y_1\right)\ ,\ B\left(x_2\ ,\ y_2\right)$を結ぶ線分ABについて
使用例
2点$A\left(-4\ ,\ 4\right),\ B\left(1\ ,\ 9\right)$を結ぶ線分ABについて、
- 3:2に内分する点$P=\left(\frac{2\cdot\left(-4\right)+3\cdot1}{3+2},\ \frac{2\cdot4+3\cdot9}{3+2}\right)=\left(\frac{-5}{5},\frac{35}{5}\right)=\left(-1\ ,\ 7\right)$
- 2:5に外分する点$Q=\left(\frac{-5\cdot\left(-4\right)+2\cdot1}{2-5},\ \frac{-5\cdot4+2\cdot9}{2-5}\right)=\left(\frac{22}{-3},\ \frac{-2}{-3}\right)=\left(-\frac{22}{3},\ \frac{2}{3}\right)$
- 中点$M=\left(\frac{-4+1}{2},\ \frac{4+9}{2}\right)=\left(-\frac{3}{2},\ \frac{13}{2}\right)$
三角形の重心

3点$A\left(x_1\ ,\ y_1\right),\ B\left(x_2\ ,y_2\right),\ C\left(x_3\ ,\ y_3\right)$を頂点とする$△ABC$の重心Gの座標は$\left(\frac{x_1+x_2+x_3}{3},\ \frac{y_1+y_2+y_3}{3}\right)$
三角形は重心の他に外心、内心、垂心、傍心があり三角形の五心と呼ばれます。詳しくは下記の記事が参考になります。
※参考記事
[数A]三角形の五心を解説、外心、内心、重心、垂心、傍心
使用例
3点$A\left(2\ ,\ -4\right),B\left(-1\ ,\ 2\right),C\left(5\ ,\ -3\right)$を頂点とする△ABCの重心Gの座標は$G=\left(\frac{2-1+5}{3},\frac{-4+2-3}{3}\right)=\left(2,-\frac{5}{3}\right)$
直線の方程式
- 点$\left(x_1,y_1\right)$を通り、傾き$m$の直線の方程式は$y-y_1=m\left(x-x_1\right)$
- 異なる2点A\left(x_1,y_1\right),B\left(x_2,y_2\right)を通る直線の方程式は
- $x_1\neq x_2$のとき$y-y_1=\frac{y_2-y_1}{x_2-x_1}\left(x-x_1\right)$
- $x_1=x_2$のとき$x=x_1$
※参考記事
[数2]直線の方程式、公式と求め方、傾きと2点から求める方法
使用例
- 点$\left(2,-5\right)$を通り、傾き$-3$の直線の方程式は$y-\left(-5\right)=-3\left(x-2\right)$すなわち$y=-3x+1$
- 2点$A\left(-2,-3\right),\ B\left(4,1\right)$を通る直線の方程式は$y-\left(-3\right)=\frac{1-\left(-3\right)}{4-\left(-2\right)}\left\{x-\left(-2\right)\right\}$
$y+3=\frac{2}{3}\left(x+2\right)$すなわち$y=\frac{2}{3}x-\frac{5}{3}$
2直線の平行条件・垂直条件
2直線 y=m_1x+n_1\ ,\ y=m_2x+n_2 について
- 2直線が平行 ⇔ $m_1=m_2$
- 2直線が垂直 ⇔ $m_1m_2=-1$
使用例
次の直線の方程式を求めよ。
- 点(5,3)を通り、直線$3x+y+2=0$に平行な直線
直線$3x+y+2=0$は$y=-3x+2$であるから、傾きは$-3$で、求める直線の傾きも$-3$
求める直線の方程式は$y-3=-3\left(x-5\right)$すなわち$y=-3x+18$
- 点(1,2)を通り、直線$x-2y+4=0$に垂直な直線
直線$x-2y+4=0$は$y=\frac{1}{2}x+2$求める直線の傾きを$m$とすると、$\frac{1}{2}\cdot m=-1$よって$m=-2$
求める直線の方程式は$y-2=-2\left(x-1\right)$すなわち、$y=-2x+4$
点と直線の距離

点$P\left(x_1,y_1\right)$と直線$ax+by+c=0$の距離dは$d=\frac{\left|ax_1+by_1+c\right|}{\sqrt{a^2+b^2}}$
原点Oと直線$ax+by+c=0$の距離dは$d=\frac{\left|c\right|}{\sqrt{a^2+b^2}}$
※参考記事
[数2]点と直線の距離の公式、原点と直線の距離も解説
使用例
点$(2,-3)$と直線$2x+y-3=0$の距離は
$d=\frac{\left|2\bullet2+1\bullet\left(-3\right)-3\right|}{\sqrt{2^2+1^2}}=\frac{\left|-2\right|}{\sqrt5}=\frac{2\sqrt5}{5}$
円の公式
円の方程式

点$\left(a,b\right)$を中心とし、半径rの円の方程式は$\left(x-a\right)^2+\left(y-b\right)^2=r^2$
原点を中心とし、半径rの円の方程式は$x^2+y^2=r$
※参考記事
[数2]円の方程式、公式、3点から求め方、一般形、接線を解説
使用例
中心が$\left(-2,5\right)$ 半径$\sqrt7$の円の方程式は$\left\{x-\left(-2\right)\right\}^2+\left(y-5\right)^2=\left(\sqrt7\right)^2$
すなわち$\left(x+2\right)^2+\left(y-5\right)^2=7$
円の接線の方程式
円$x^2+y^2=r^2$上の点$P\left(x_1,y_1\right)$における接線の方程式は$x_1x+y_1y=r^2$
※参考記事
[数2]円と直線の距離、共有点、交点、接点、公式、位置関係を解説
使用例
$x^2+y^2=5$上の点$P\left(2,1\right)$における接線の方程式は$2x+y=5$
軌跡と領域の公式
軌跡を求める手順
- 条件を満たす点Pの座標を$\left(x,y\right)$として、与えられた条件を座標の間の関係式で表します。
- ①の関係式を整理し、$x$と$y$の方程式で表し、その方程式が表す図形を求めます。
- その図形上のすべての点が条件を満たしていることを確かめます。
軌跡のパターン
- 条件① 定直線$l$からの距離が一定の長さ$d$である。 ⇒ 軌跡① $l$との距離が$d$である平行な2直線
- 条件② 2点$A,B$から等距離である。 ⇒ 軌跡② 線分$AB$の垂直二等分線
- 条件③ 定点$O$からの距離が一定の長さ$r$である。 ⇒ 軌跡③ 中心$O$、半径$r$の円 など。
使用例
2点$O\left(0,0\right)$,\ $A\left(3,2\right)$から等距離にある点$P$の軌跡は、点$P$の座標を$\left(x,y\right)$とすると $OP=AP$より$OP^2=AP^2$ $x^2+y^2=\left(x-3\right)^2+\left(y-2\right)^2$
展開して整理すると$6x+4y=13$逆に、直線$6x+4y=13$上の点$P\left(x,y\right)$は$OP=AP$を満たす。
よって、求める軌跡は直線$6x+4y=13$です。
直線と領域
直線$y=mx+n$を$l$とする。

- $y>mx+n$の表す領域は、直線$l$の上側
- $y>mx+n$の表す領域は、直線$l$の下側
円と領域
円$\left(x-a\right)^2+\left(y-b\right)^2=r^2$を$C$とする。

- $\left(x-a\right)^2+\left(y-b\right)^2r^2$の表す領域は円$C$の外部
- $\left(x-a\right)^2+\left(y-b\right)^2>r^2$の表す領域は円$C$の外部
使用例
\begin{cases}y >2x+1\\ x^2+y^2<16\end{cases}の表す領域は、$y=2x+1$の上部かつ、$x^2+y^2=16$の内部であるから、下の図の斜線部です。
ただし、境界線は含みません。

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