数2で習う複素数と方程式の用語と一覧を全網羅で解説します!
複素数
虚数単位 $i$
2乗して-1になる数を$i$で表します。$i$を虚数単位といいます。$i^2=-1$
複素数
$a+bi$ $a$ , $b$を実数のとき、$a+bi$ で表される数を複素数といいます。
※参考記事
[数2]複素数とは?実部、虚部、虚数と虚数単位をわかりやすく解説
複素数の相等
2つの複素数、$a+bi$と$c+di$ が等しいのは、実部同士、虚部同士がそれぞれ等しくなるときです。
例) $(x+3)+(y-2)i=5+3i$を満たす $x$、$y$は$x+3=5$であるから、$x=2$, $y-2=3$であるから、$y=5$
複素数の計算
複素数の計算は $i$ を文字と同様に計算します。ただし、$i^2$ がでてきたら$-1$に置き換えます。
例) $(3-2i)(4+3i)=12+9i-8i-6i^2=12+i-6(-1)=18+i$
共役な複素数
$a+bi$ と$a-bi$は互いに共役な複素数です。実数$a$の共役な複素数は実数$a$そのものです。 共役な複素数の和は $(a+bi)+(a-bi)=2a$ 共役な複素数の積は $(a+bi)(a-bi)=a^2-bi^2=a^2+b$ $i^2=-1$に置き換える となり、どちらも実数です。 複素数の除法はこの性質を利用して解きます。
例)$\frac{2}{1+3i}=\frac{2(2-3i)}{(1+3i)(1-3i)}=\frac{2(2-3i)}{1-9i^2}=\frac{2(2-3i)}{10}=\frac{2-3i}{5}$
※参考記事
[数2]共役な複素数とは?読み方、性質、証明、足し算と掛け算を解説
負の数の平方根
$a>0$のとき、$\sqrt{-a}=\sqrt{a} i$である。特に$\sqrt{-1}=i$ 負の数$-a$の平方根(2乗して$-a$になる数)は $\pm\sqrt{-a}=\pm ai$です。
例)$\sqrt{-5}=5i$ ,$-20$の平方根は、$\pm\sqrt{-20}=\pm2\sqrt5$
2次方程式の解と判別式
解の公式
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解は $x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$
例)$x^2+3x+5=0$ の解は $x=\frac{-3\pm\sqrt{3^2-4\times1\times5}}{2\times1}=\frac{-3\pm\sqrt{9-20}}{2}=\frac{-3\pm\sqrt{-11}}{2}=\frac{-3\pm\sqrt{11}i}{2}$
※参考記事
[数1]二次方程式の解の公式の証明|証明する3つの方法
判別式
解の公式の√の中の式 $b^2-4ac$ の符号から、解の種類を3つに分類できます。
$D=b^2-4ac$ とすると、
- $D>0$ のとき 異なる2つの実数解
- $D=0$ のとき 重解
- $D<0$ のとき 異なる2つの虚数解
例)${3x}^2-5x+5=0$ は $D=\left(-5\right)^2-4\times3\times5=-35<0$ であるから 異なる2つの虚数解をもちます。
※参考記事
[数1]二次不等式のパターン、解と判別式とグラフの関係を解説
解と係数の関係
2次方程式の解と係数の関係
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の2つの解を $\alpha$, $\beta$ とすると 和 $\alpha+\beta=-\frac{b}{a}$
積 $\alpha\beta=\frac{c}{a}$
例)${3x}^2-5x+6=0$ の和と積は $\alpha+\beta=-\frac{-5}{3}=\frac{5}{3}$ , $\alpha\beta=\frac{6}{3}=2$
※参考記事
[数2]二次方程式の解と係数の関係
[数2]三次方程式の解と係数の関係
2つの解を使った因数分解
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の2つの解を $\alpha$, $\beta$ とすると($\alpha$, $\beta$ は複素数) $ax^2+bx+c=a\left(x-\alpha\right)\left(x-\beta\right)$ と因数分解できます。
例)$3x^2-2x+3=0$ の解は $x=\frac{-\left(-2\right)\pm\sqrt{\left(-2\right)^2-4\times3\times3}}{2\times3}=\frac{2\pm\sqrt{-32}}{6}=\frac{2\pm4\sqrt2i}{6}=\frac{1\pm2\sqrt2i}{3}$ よって、$3x^2-2x+3=3\left(x-\frac{1+2\sqrt2i}{3}\right)\left(x-\frac{1-2\sqrt2i}{3}\right)$ と因数分解できます。
2つの解から2次方程式の決定
$\alpha$, $\beta$ を解とし、$x^2$ の係数が1 である2次方程式は $x^2-\left(\alpha+\beta\right)x+\alpha\beta=0$
例)2つの複素数、$2+3i$, $2-3i$ を解にもつ方程式は 2つの解の和は $2+3i+2-3i=4$
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剰余の定理と因数定理
剰余の定理
整式 $P(x)$ を1次式 $x-k$ で割った余りは $P(k)$ と等しくなります。
例)$P(x)=2x^2-3x+5$ を $x-2$ で割った余りは $P(2)=2\times2^2-3\times2+5=8-6+5=7$ です。
※参考記事
[数2]剰余の定理|証明と使い方、重解の場合はどうするか?
因数定理
$P(k)=0$ のとき $P(x)$ は $x-k$ で割り切れます。$x-k$ は $P(x)$ の因数です。 この定理を利用して、整式 $P(x)$ を因数分解できます。
例)$P(x)=x^3+2x^2-5x-6$ を因数分解せよ。 $P(-1)=0$ なので、$P(x)$ は $x+1$ で割り切れます。 下の割り算から $P(x)=(x+1)(x^2+x-6)$ となり、さらに因数分解すると $=(x+1)(x+3)(x-2)$ となります。
※参考記事
[数2]因数定理|わかりやすく解説
組立除法
整式を割ったときの商やあまりを計算する方法に組立除法があります。
詳細は下記の記事に譲りますが、とっても役立つ方法なので覚えておくと良いでしょう。
※参考記事
[数2]組立除法のやり方、因数分解、分数、二次式、使えない時を解説
高次方程式
3次以上の方程式を高次方程式といいます。
因数分解を利用した解法
高次方程式を1次式、2次式の積の形に因数分解して方程式を解きます。
例1)$x^3-1=0$ $\left(x-1\right)\left(x^2+x+1\right)=0$(3次式の因数分解)
$x=1,\ x^2+x+1=0$ $x=\frac{-1\pm\sqrt{1-4}}{2}=\frac{-1\pm\sqrt3i}{2}$よって、$x=1,\frac{-1\pm\sqrt3i}{2}$
例2)$x^4-7x^2+12=0$($x^2=X$ と置き換え、$X^2-7X+12=0$として因数分解する)
$\left(x^2-3\right)\left(x^2-4\right)=0$
$x^2=3,\ x^2=4$
$x=\pm\sqrt3,\ \pm2$
因数定理を利用した解法
公式や置き換えの因数分解ができないときは因数定理を利用します。
例)3次方程式$x^3+x^2-5x+3=0$を解け。 $P\left(x\right)=x^3+x^2-5x+3$ とおきます。 $P\left(1\right)=0$ なので、$x-1$ は$P\left(x\right)$ の因数です。
計算は下記になります。
上記の割り算より、
$(x-1)(x^2+2x-3)=0$ さらに因数分解して
$(x-1)(x+3)(x-1)=0$
$(x-1)^2(x+3)=0$
よって $x=1,-3$ ※$x=1$ は重解です。
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