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[数2]弧度法とは?表、変換、覚え方、考え方、をわかりやすく解説

高校数学の三角関数では、今まで慣れ親しんだ度数法から、新しい角度の表し方、弧度法へステップアップします!

弧度法とは、弧の長さをもとに角度を表す新しい方法です。
最初は慣れないかもしれませんが、繰り返し読んで、弧度法を使えるようになりましょう!

記事の最後には度数法から弧度法への変換、弧度法から度数法への変換の練習問題もあります。
ぜひチャレンジして、弧度法の理解を深めてくださいね!

目次

弧度法とは?

弧度法とは、「弧」の長さをもとに角度を表す新しい方法です。

今までは角度の大きさを表すとき、30°や90°と「度(°)」を使って表してきました。
この表し方は「度数法」といいます。

弧度法では度数法の「度」という単位の代わりに、「ラジアン」という単位を使います。
(半径の長さ)=(弧の長さ)のときの中心角の角度を1ラジアンといいます。

わかりやすく、半径1の円を使って考えてみます。(半径1の円は単位円といいます。)

弧の長さが1のときの中心角の大きさは1ラジアンです。弧の長さが2なら中心角の大きさは2倍の2ラジアンです。

弧度法とは
弧度法とは

よって弧の長さがℓのときの中心角の大きさはℓラジアンです。

弧度法とは (lラジアン)
弧度法とは (lラジアン)

弧度法の公式

さて、ここからが重要です
弧度法と度数法の変換公式を解説します。

円の中心角は度数法では360°ですね。
弧度法ではどうでしょうか?

半径1の円の円周は2πです。よって円の中心角は2πラジアンになります。
つまり、360°=2πラジアンです。(ラジアンは通常省略されるので今後は省略します。)

2πラジアン

では半円はどうでしょうか。弧の長さは2π/2=πなので中心角の大きさはπになります。
つまり、180°=πです。

πラジアン

どうですか?弧度法は弧の長さをもとに、角度を表しているということがわかってきたでしょうか?

「180°=π」は弧度法を使っていくうえでとても重要です!
$180°=π$ラジアン、この公式だけは必ず覚えましょう!

弧度法の表と変換方法

三角比や、三角関数で頻繁に登場する角の弧度法と度数法の対応図です。

弧度法と度数法の対応図です。

全部覚える必要はありません
$180°=π$だけ覚えていれば、すべて計算で求めれます。

度数法から弧度法への変換 

180°=πということは、両辺を180で割ると180°÷180=π÷180より、$1°=\displaystyle \frac{\pi}{180}$です。
この式を用いて、例えば、60°を弧度法で表すときは、$\frac{\pi}{180}\times60=\frac{\pi}{3}$です。

135°なら、$\frac{\pi}{180}\times135=\frac{3\pi}{4}$です。

度数法⇒弧度法は$〇°×\frac{\pi}{180}$です。

弧度法から度数法への変換

$π=180°$を代入するだけ!です。例えば、π/3(ラジアン)は
$\frac{\pi}{3}=\displaystyle \frac{180°}{3}=60°$です。

分数の掛け算ができれば簡単に計算できますね!

弧度法の覚え方

今まで使ってきた度数法から弧度法へ頭を切り替えるのは難しいですね。

弧度法の基本となるのは、弧の長さです。
分からなくなったら、まず半径1の円周の長さを考えましょう。

円周=直径×πなので、半径1の円なら円周は2πです。
2πが円の中心角360°を弧度法で表したものです。

180°はその1/2なのでπと表せます。

このことを頭に入れて、例えば90°は180°の1/2だから、角度はπの1/2で$\frac{1}{2}\pi$だな。
30°は180°の1/6だから、角度はπの1/6で$\frac{1}{6}\pi$だな、と考えてみてください。

その関係がわかってきたら、$180°=π$、$1°=\displaystyle \frac{\pi}{180}$を公式としてしっかり覚えて使いましょう!

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弧度法に変換する練習問題

練習問題を解いてみましょう。
みなさんもぜひ一緒に解いてみてくださいね。

《問題》

次の角のうち、度数法は弧度法で、弧度法は度数法で表せ。
(1) 75° (2) 108° (3) 3π (4) $\displaystyle\frac{2}{5}\pi$

《解答》

(1) $\displaystyle\frac{\pi}{180}\times75=\displaystyle\frac{5\pi}{12}$
(2) $\displaystyle\frac{\pi}{180}\times108=\displaystyle\frac{3\pi}{5}$
(3) 3π=3×180°=540°
(4) $\displaystyle\frac{2}{5}\times180°=72°$

《解説》

(1),(2)は度数法⇒弧度法です。$1°=\displaystyle \frac{\pi}{180}$を使います。

(3),(4)は弧度法⇒度数法です。π=180°を代入します。

弧度法とは?のまとめ

弧度法について解説しました。
ポイントは下記の3つです。

  1. 弧度法とは、扇形の弧の長さをもとにした新しい角度の表し方です。
  2. 度数法で360°と表していた角度は、半径1の円の円周の長さを使って、弧度法では2π(ラジアン)と表します。180°はπ(ラジアン)です。
  3. ⑪を使って、弧度法と度数法の角度の変換ができるようにしましょう。

なぜ弧度法という角度の表し方が必要なのか?と思った人もいるかもしれませんね。

弧度法を使うメリットは多く、例えば扇形の弧の長さは弧度法を使うととても簡単に求めれるようになります。

まだ少し先ですが、数学3で三角関数の微分をするときに、度数法より弧度法で表した方が計算しやすいメリットもあります。
下記の記事が参考になります。

※参考記事
[数3]sinの微分|サインを微分する方法をわかりやすく解説

三角関数でも度数法よりも扱いやすい場面がでてきます。
これらの準備として角度の変換はぜひマスターしてくださいね!

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