直線の方程式はy=mx+n(mは傾き,nは切片)で表します。
mやnの値を求めるとき、座標の値を代入したり、連立方程式を計算して求めるという方法を使ってきました。
この記事では、その手間をすべて失くして、手順 1つで求めれる公式を紹介します。
練習問題も詳しく解説するので、最後まで読んでレベルアップしましょう!
直線の方程式の公式
座標平面上において傾きが m 切片が n の直線の方程式はですね。

傾きmは、切片nは直線とy軸との交点のy座標の値です。
ここで、点(1,3)を通り,傾き2の直線の方程式の求め方の手順を復習しておきましょう。
- $x=1$, $y=3$, $m=2$を
に代入する。
- $3=1×2+n$を解き$n=1$を出す。
- $m=2, n=1$を
に当てはめて、直線の方程式$y=2x+1$が求まる。
このように求めていた直線の方程式を、1つの式を作るだけで求めれる公式を紹介します!
提示されている値によって2パターンの公式があります。問題によって使い分けましょう。
直線が通る1点と傾きがわかってるとき
点を通り、傾きmの直線の方程式は
直線が通る2点がわかっているとき
2点通る直線の方程式は
,
1点と傾きで求める
点を通り、傾きmの直線の方程式を求める公式は
です。
この公式の導き方を解説します。
公式の証明
直線の方程式をとします。
この直線は点を通るので、
2つの等式の両辺を引きます。
よってとなります。
では、この公式を使って問題を解いてみましょう。
練習問題
点(-3,5)を通り、傾き-4の直線の方程式を求めよ。
解答
を公式に代入すると
です。
計算して整理すると
どうでしたか?今までの求め方よりもシンプルでスピードもアップしますね。
代入するときの符号のミスに気を付けて使いましょう。
2点から求める
2点、$A(4,3)$, $B(6,1)$を通る直線を求めるとき、中学校では$y=mx+n$に2点を代入して

上記の連立方程式からm,nを求めていくという方法を使っていましたね。
確実ですが、手間と時間がかかります。
そこで、公式を使って、スピードアップしましょう!
2点を通る直線の方程式は
です。
この公式は2つに場合分けされています。
まず、のときの公式を見てみましょう。
複雑そうに見えますが、実はの公式と違うのは
となっているところだけです。
もともと直線が通る2点しかわかっていないので、傾きをで求めているのです。

それ以外はと変わらないですね。
次にのときですが、2点が
となり図のようなy軸に平行な直線のグラフになります。

この直線の方程式はyの値に左右されず、常にxの値がなので、直線の方程式は
になります。
では、問題を解いてみましょう。
練習問題
次の2点A,Bを通る直線の方程式を求めよ。
(1)$A(4,3)$, $B(6,1)$
(2)$A(3,0)$, $B(3,4)$
解答
(1) であるから公式に代入すると
になります。
計算して整理すると、です。
(2)この問題は注意が必要です。の座標を(1)と同じように公式に代入してみましょう。
となり、分数の分母が0になってしまいます。
分母が0の数は存在しないので、この式は使えません。
この問題の場合、2点の座標に注目すると、x座標が同じ値です。
つまり、公式のを使えばいいのです。
ということで、答えはです。
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直線の方程式の公式のまとめ
直線の方程式の公式について解説しました。
ポイントは下記の3つです。
- 直線の方手式を求める公式を2種類紹介しました。公式に当てはめるだけで、すぐに直線の方程式を求めれるのでとても便利です。
- 直線を通る1点が
, 傾きがmの直線の方程式は
です。代入したら、最後は$y=mx+n$の形にします。
- 直線を通る2点がわかっているときの直線の方程式は、x座標の値が同じ時に注意が必要です。
直線の方程式を求める時には公式をどんどん使って、効率アップ、スピードアップを目指しましょう!