円順列の公式となぜ公式が成り立つかを解説していきます。
円順列の問題として有名な「向かい合う」問題と「隣り合わない」問題も用意しています。
この記事を読めば、円順列の基本は全て押さえることができます。
ぜひ最後まで読んでいってください。
円順列とは|簡単に解説
円順列とは、ものや人を円形に並べるときの順列のことです。
円順列のポイントは、回転して同じ並びになる順列は同じものとして扱うことです。
例えば、A,B,Cの3人が円形に並ぶ順列を考えるとき、次のような並びは同じものとして扱います。
この例でわかるように3つのものを円形に並べるときは、3通りの重複が出てきてしまいます。
つまり、n個のものを円形に並べるときは、n通りの重複が出てきてしまいます。
このように重複するものを、数えないことが重要になります。
円順列の公式
異なるn個のものを円形に並べるときの円順列の総数の公式は以下の通りです。
$$(n-1)!通り$$
円順列の公式の求め方
円順列の公式で注目すべきは、なぜ「-1」しているのかということです。
これは、円順列の説明でも書いたように、回転して同じ並びになる順列は同じものとして扱います。
同じものを重複してカウントするのを防止するために、異なるn個のうち1つを固定して円形に並べれば、回転して同じになるものが存在しなくなります。
先ほどの例で考えてみましょう。
A,B,Cの3人が円形に並ぶ場合を考えます。
ここで、Aを固定して考えます。
そうすると、下のB,Cの2人のみの順列を考えれば良いことになります。
例の場合は、3人のうち1人を固定し残りの2人を並べる順列になるので、\((3-1)!\)となります。
つまり、n個のうち1個を固定し、残りの\(n-1\)個の順列を考えれば良いので、\((n-1)!\)となります。
円順列の公式の証明|なぜ成り立つ?
では、円順列の公式を証明してみましょう。
異なるn個のものを円形に並べます。
回転による重複を考えない場合、n個の全ての並べ替えなのでn!になります。
ここで、回転による重複を考えた場合、1つの順列に対して、n個の重複があります。
全ての場合に対して、n個の重複を考えないようにすると、\(\displaystyle \frac{n!}{n}\)となります。
$$\displaystyle \frac{n!}{n}=(n-1)!$$
以上より、円順列の公式を証明することができました。
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円順列の練習問題と考え方
それでは円順列の練習問題を解いていきましょう。
向かい合う問題と隣り合わない問題です!
円順列の問題|向かい合う
問題
先生が2人と生徒が4人いるとします。
円形の机に先生が向かい合って座るとき、並び方は何通りか。
解答
生徒の4人全員の並び替えより、4!=24
したがって、24通り
詳しい解説
まず、円順列で大事なのは「1人固定する」ことです。
ここでは、先生1人を固定しましょう。
もう一人の先生は固定した先生と向かい合うため、位置が決まります。
先生と先生の間に2人ずつ生徒が入れば、先生が向かい合うため、生徒4人はそのまま並び替えます。
つまり、生徒4人全員の並び替えより4!=24通りになります。
ここで、先生2人の並び替えを考えそうになります。
しかし入れ替えてしまうと、先生の固定が崩れて重複が発生してしまうため、入れ替えは考えないようにしましょう。
つまり、生徒4人の並び替えのみでいいため、答えは24通りとなります。
円順列の問題|隣り合わない
問題
先生が2人と生徒が4人いるとします。
6人が円形の机に座るとき、先生が隣り合わない順列は何通りか。
解答
生徒4人の円順列より\((4-1)!=3!=6\)
先生を生徒の間の4カ所より2カ所を選んで並べるので\( {}_4P_2=4×3=12\)
したがって、積の法則より\(6×12=72\)
よって、72通り。
詳しい解説
今回は、まず生徒4人から円に並べます。
この時、4人の円順列なので(4-1)!=6通りになります。
続いて、先生は隣り合わないため、生徒の間4か所のうち2か所を選んで並び替える必要があるため、先生の並び方は\({}_4P_2=4×3=12\)通りになります。
したがって、積の法則より6×12=72通りになります。
円順列のまとめ
今回は、円順列について解説しました。
円順列は、「1人固定する」ことが最も重要となります。
この考え方を忘れずに問題を解いてみてくださいね。
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