ベクトルの内積とは、ベクトル間の類似度を表すスカラー量です。線形代数、微積分、コンピュータグラフィックスなどの様々な分野で使われています。
と言っても難しいと思うので、この記事では、ベクトルの内積とは何か、内積の式、3次元ベクトルの内積の計算方法などについて初心者にもわかりやすく紹介します。
ベクトルの内積とは
ベクトルの内積は、ドット積とも呼ばれ、2つのベクトルの大きさの積と、2つのベクトルの間の角度のコサインによって定義されるスカラー量です。
重要なポイントとして、ベクトルの内積の計算結果はスカラーになります!
つまり、方向を持っていません。
内積は以下の式で計算することができます:
$$\vec{a} \cdot \vec{b} = \left|\vec{a}\right| \left|\vec{b}\right| \cos(\theta)$$
ここで、$\vec{a}$ と $\vec{b}$ はベクトル、$\left|\vec{a}\right|$ と $\left|\vec{b}\right|$ はそれぞれの振幅、$\theta$ はそれらの間の角度です。
2次元ベクトルの内積の求め方
ベクトルの内積の求めるには式に代入すればOKです。
ここでは、成分表示から内積を求める方法を見ていきましょう。
以下のような、$\vec{a}と$\vec{b}$の内積を考えてみます。
$\vec{a}=(a_x,\ a_y)$
$\vec{b}=(b_x,\ b_y)$
ベクトルの内積の式は次のように計算できます:
$$\vec{a} \cdot \vec{b} = a_x b_x + a_y b_y $$
具体的な例で計算もやってみましょう。
以下のような、$\vec{a}と$\vec{b}$の内積を計算します。
$\vec{a}=(1,\ 2)$
$\vec{b}=(-2,\ 4)$
$$\vec{a} \cdot \vec{b} = 1\times(-2) + (-2)\times 4=-10 $$
となります。
3次元ベクトルの内積の求め方
3次元ベクトルでは、内積の式は次のようになります。
$$\vec{a} \cdot \vec{b} = a_x b_x + a_y b_y + a_z b_z$$
ここで、$a_x$、$a_y$、$a_z$は $\vec{a}$ の成分、$b_x$、$b_y$、$b_z$は $\vec{b}$ の成分です。
この計算結果は、2つのベクトルのなす角に応じて正または負の値をとります。
正の値は、2つのベクトルが同じ方向を向いていることを示し、負の値は、2つのベクトルが逆の方向を向いていることを示します。
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ベクトルの内積の用途
ベクトル内積は、以下の様々な用途で使用されます。
- 2つのベクトルが類似しているかどうかを判定する。
- 2つのベクトルの間の角度を求める。
- 2つのベクトルの間の距離を求める。
ベクトルの内積に関する理解は、3次元グラフィックス、物理学、数学など多様な分野で活用することができます。また、内積を理解することで、高度な分析や解析のタスクを効率的に行うことができるのでしっかり理解しておくといいでしょう。
ベクトルの内積|まとめ
ベクトルの内積について解説しました。
- ベクトルの内積とは、2つのベクトルの大きさの積と、2つのベクトルの間の角度のコサインによって定義されるスカラー量
- ベクトルの内積は$\vec{a} \cdot \vec{b} = a_x b_x + a_y b_y $で求められる
- 3次元でも計算方法は変わらない
内積はとても多くの分野で活躍します。
勉強する意味が今はわからなくても、しっかり理解することで、将来役立てることができます。
内積ってものがあるんだ!と深く考えずに学んでおくと、後々使いこなせるでしょう。
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