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[数B]階差数列|階差数列の一般項と和を解説

階差数列の一般項と和の公式を解説していきます。

目次

階差数列とは 

階差数列の具体例 

今回は、数列に出てくる階差数列について解説します。

階差数列とは、隣同士の項の差によってできた数字の列のことをいいます。

具体的に、次の数列があったとします。

1, 2, 4, 7, 11, 16, 22, …

この数列の隣同士の項の差を考えると次のようになります。

1, 2, 3, 4, 5, 6, …

この数列を階差数列といいます。

階差数列の一般項 

階差数列の一般項の求め方 

求める数列を$a_n$、$a_n$の階差数列を$b_n$とします。

この時、階差数列の一般項を求める公式は次のようになります。

$n\geqq2$のとき、$a_n=a_1+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} b_k$

上記の公式では、n=1のときは求めることができません。

必ずn=1の時も成り立つことを確認することを忘れないようにしましょう。

具体的に先ほどの数列の一般項を求めてみましょう。

1, 2, 4, 7, 11, 16, 22,…

これの階差数列は以下のようになります。

1, 2, 3, 4, 5, 6, …

この数列を$b_n$としたとき、$b_n=n$となります。

$b_n$を用いて、階差数列の公式を利用します。

$n\geqq2$のとき、

\begin{eqnarray}a_n&=&a_1+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} b_k \\
&=&1+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} k \\
&=&1+\displaystyle \frac{1}{2}n(n-1) \\
&=&\displaystyle \frac{1}{2}n^2-\displaystyle \frac{1}{2}n+1
\end{eqnarray}

n=1のとき、$a_1=1$となるため、n=1のときも成立します。

したがって、$a_n=\displaystyle \frac{1}{2}n^2-\displaystyle \frac{1}{2}n+1$となります。

一般項の証明 

それでは階差数列の一般項の公式について証明します。

もとの数列を{$a_n$}、階差数列を{$b_n$}とします。

{$a_n$}:1, 2, 4, 7, 11, 16, 22,…

{$b_n$}:1, 2, 3, 4, 5, 6, …

この数列において、例えば、2項目$a_2$を求めるとき、次のように考えます。

$a_2=a_1+b_1=1+1=2$

同様にして、$a_3$、$a_4$は次のように考えます。

$a_3=a_1+(b_1+b_2)=1+(1+2)=4$

$a_4=a_1+(b_1+b_2+b_3)=1+(1+2+3)=7$

このようにして$a_n$を考えると次のようになり公式が成り立ちます。

\begin{eqnarray}
a_n&=&a_1+(b_1+b_2+b_3+\cdots+b_{n-1})\\
&=&1+(1+2+3+\cdots+n-1)\\&=&a_1+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} b_k
\end{eqnarray}

ただし、$n\geqq2$という条件がないと、階差数列が存在しないため、$n\geqq2$という条件のもとの公式になります。

階差数列の和 

階差数列の和の公式

続いて、階差数列の和について考えてみましょう。

階差数列は等差数列や等比数列のように規則性がないため、公式という形では存在しません。

このため、シグマの仕組みを利用して和を求めます。

したがって、階差数列で求めた一般項を{$a_n$}とし、$a_n$の初項からn項目までの和を$S_n$としたとき、次のように求めることができます。

$S_n=\displaystyle \sum_{k=1}^n a_k$

階差数列の和の求め方

具体的に問題で考えてみましょう。

{$a_n$}:1,3,7,13,21,…

この数列の初項からn項目までの和を求めます。

まず、$a_n$の一般項を求めます。

$a_n$の階差数列を$b_n$とします。

{$b_n$}:2,4,6,8,…

ここで、$b_n$は初項2、公差2の等差数列なので、公式を利用すると次のようになります。

$b_n=2+(n-1)\cdot2=2n$

これを用いて、階差数列の公式より、次のように$a_n$を求めることができます。

$n\geqq2$のとき、

\begin{eqnarray}
a_n&=&a_1+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} b_k \\
&=&2+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} 2k \\
&=&2+2\cdot\displaystyle \frac{1}{2}n(n-1) \\
&=&n^2-n+2
\end{eqnarray}

n=1のとき、$a_1=2$となるため、n=1のときも成立します。

したがって、$a_n=n^2-n+2$となります。

次に、$a_n$の初項からn項目までの和を求めます。

このときに、シグマの公式を利用します。

\begin{eqnarray}
S_n&=&\displaystyle \sum_{k=1}^n a_k \\
&=&\displaystyle \sum_{k=1}^n (k^2-k+2) \\
&=&\displaystyle \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)-\displaystyle \frac{1}{2}n(n+1)+2n \\
&=&\displaystyle \frac{1}{6}n\{(n+1)(2n+1)-3(n+1)+12\} \\
&=&\displaystyle \frac{1}{6}n(2n^2+10) \\
&=&\displaystyle \frac{1}{3}n(n^2+5)
\end{eqnarray}

したがって、$S_n=\displaystyle \frac{1}{3}n(n^2+5)$となります。

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まとめ

今回は、階差数列について解説しました。

公式はもちろんですが、解き方も重要ですので、ぜひ解法も暗記しておきましょう。

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