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[数B]位置ベクトルとは?重心、内分、公式を解説|練習問題あり!

本記事ではベクトルの位置ベクトル、内分、外分について解説します。

位置ベクトルは難しくはないのですが、内分と外分は間違えやすいので特に練習する必要があります。

本記事には解説と練習問題も記載してますのでこちらでマスターしましょう!

目次

位置ベクトルとは?

位置ベクトルとは「始点が原点のベクトル」の事です。

始点が原点にあるので、位置ベクトルは「原点からみてどの位置にあるか」を表してくれます。

位置ベクトルの言葉の意味自体はこれだけで難しい話ではありません。

位置ベクトルという言葉が問題文に出てきたとしても「位置を表しているんだな」程度の理解で問題ありません。
(ちなみに\vec{a}\、\vec{b}\のように終点だけで表記した場合は暗に位置ベクトルを表します。)

位置ベクトルの内分

座標平面内にある点Aの位置ベクトルを$\vec{a}$、点Bの位置ベクトルを$\vec{b}$とします。その時に線分ABをm:nに内分する点Rの位置ベクトル$\vec{r}$は下記で表すことが出来ます。

$\vec{r}=\frac{n\vec{a}+m\vec{b}}{m+n}$

式だけだと分かりにくいので図で解説します。

内分とベクトルの関係
図1 内分とベクトルの関係

図1のように点O,A,Bがあり,$\vec{OA}=\vec{a}$, $\vec{OB}=\vec{b}$とします。ここで線分ABを$m:n$に内分する点を$R$とします。

(線分$AB$を$m:n$に内分するとき、$A$に近い側が$m$、$B$に近い側が$n$になります。内分を指定されたときはどこがどの割合で分割されるか気をつけましょう。)

この時に$\vec{OR}=\frac{n\vec{a}+m\vec{b}}{m+n}$となります。

分母は内分$m:n$の和$m+n$、分子は$\vec{a}$と対角にある内分比(ここでは$n$)の積と、$\vec{b}$と対角にある内分比(ここでは$m$)の積を足せばよいです。

例1)点A(2,3)、点B(-1,4)の場合、点ABを3:2に内分する点Rを求めよ。

解1)
点Aの位置ベクトルを$\vec{a}$、点Bの位置ベクトルを$\vec{b}$とします。

内分ベクトルのイメージ
内分ベクトルのイメージ

今回は「点ABを3:2に内分」するので$\vec{a}$と「2」を、$\vec{b}$と「3」をかけます。(イメージはたすき掛け)

すると点Rの位置ベクトル$\vec{r}$は下記で求められます。

\begin{eqnarray} \vec{r}&=&\frac{2\vec{a}+3\vec{b}}{3+2} \\
&=&\frac{2(2,3)+3(-1,4)}{5}\\
&=&(\frac{2\times2+3\times(-1)}{5},\frac{2\times3+3\times(4)}{5})\\
&=&(\frac{1}{5},\frac{18}{5})\end{eqnarray}

位置ベクトルの公式

図1と設定は同じとします。その場合、その時に線分ABをm:nに外分する点Rの位置ベクトル$\vec{r}$は下記で表すことが出来ます。

$\vec{r}=\frac{n\vec{a}-m\vec{b}}{-m+n}$

まず外分について解説します。
線分$AB$を$m:n$に外分する点Rとは「点AからBの方向にmだけ進んで、n戻ったところに点Bがあるような点R」を表します。

これだけだと分かりにくいので図2を見てください。

外分とベクトルの関係
図2 外分とベクトルの関係

図2を見ると「AからB方向にm進んでA方向にn戻るとBにたどり着く点R」は線分AB上にはありません。外分を表すときは必ず線分ABの外側に出来ます。

この時にベクトルで外分を表す場合は$\vec{OR}=\frac{n\vec{a}-m\vec{b}}{-m+n}$となります。

分母は内分$m:n$の差$-m+n$、分子は$\vec{a}$と対角にある内分比(ここでは$n$)の積と、$\vec{b}$と対角にある内分比(ここでは$m$)の積を引けばよいです。ただし内分と違ってどちらかの符号を反転させる必要があります。

今回で言えばm:nのmを反転させると決めたので$n\vec{a}$から$m\vec{b}$を引きます。外分の場合はどちらの符号を反転させるか、を統一させるのが大事です。

(nの符号を反転させても答えは変わらないのでどちらを反転させても問題はありません。ただし、その場合は$\vec{r}=\frac{-n\vec{a}+m\vec{b}}{m-n}$となる事に注意しましょう。)

例2)点A(4,5)、点B(2,-6)の場合、点ABを5:2に外分する点Rを求めよ。

解2)点Aの位置ベクトルを$\vec{a}$、点Bの位置ベクトルを$\vec{b}$とします。

今回は「点ABを5:2に外分」するので$\vec{a}$と「-2」を、$\vec{b}$と「5」をかけます。

外分ベクトルのイメージ
外分ベクトルのイメージ

イメージはたすき掛け、今回は5:2の2の符号を反転させます。

すると点Rの位置ベクトル$\vec{r}$は下記で求められます。

$\vec{r}=\frac{-2\vec{a}+5\vec{b}}{-2+5}=\frac{-2(4,5)+5(2,-6)}{3}=(\frac{-2\times4+5\times2}{3},\frac{-2\times5+5\times(-6)}{3})=(\frac{2}{3},-\frac{40}{3})$

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位置ベクトルとは?のまとめ

今回は位置ベクトル、内分、外分について解説しました。
ポイントは下記の3つです。

  • 位置ベクトルはその点が「原点からみてどの位置にあるか」を表します。(深い意味はないので臆する必要なし)
  • 位置ベクトルの内分は次式で求められる。
    $\vec{r}=\frac{n\vec{a}+m\vec{b}}{m+n}$(イメージはたすき掛け)
  • 位置ベクトルの外分は次式で求められる。
    $\vec{r}=\frac{n\vec{a}-m\vec{b}}{-m+n}$(イメージはたすき掛け、どちらかの符号だけ反転させる)

内分外分は1文字違うだけで計算が変わるので読み間違いで大きなミスをしてしまいます。

このような問題も共通一次でミスを誘うために好まれやすい形式だと思いますのでこの1文字を読み間違えないように気をつけましょう!

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