階差数列の漸化式とは次の式で表される式のことです。

数列の項に関数$f(n)$がある特殊な数列ですね。今回は、この階差数列の漸化式を解説します。
階差数列の漸化式とは?
階差数列の漸化式とは次の式で表される数列のことです。

この数列は、等差数列や等比数列の形とは異なっています。
注目するべき部分は、$a_n$の係数が1であることと、$a_n$のあとがnの関数になっていることです。
具体的に考えてみると次のようになります。

したがって、第n項は次のようになります。

これを見てわかるように、階差数列を表していることがわかります。
階差数列の漸化式の一般項
階差数列とは、数列の隣同士の項の差の数列のことを言います。
この階差数列を利用して数列の一般項を求めることができます。
数列{$a_n$}の階差数列を{$b_n$}とすると、次のような式が成り立ちます。

注意点としては、隣同士の項の差を考えるため、数列$a_n$に項が2つ以上ないと利用できません。
したがって、$n\geqq2$という条件がつきます。
また、n=1の時を考えた場合、$a_n=a_1$となるため、n=1のとき初項と一致するため、一般項を求めた際の検算としても利用できます。
まとめると、数列{$a_n$}の階差数列を{$b_n$}とすると$n\geqq2のとき、a_n=a_1+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} b_k$となります。
階差数列の練習問題
階差数列の練習問題を解いて理解度アップを目指しましょう!
問題
次の漸化式が表す数列の一般項を求めよ。

解答

解説
(1)問題から初項は$a_1=2$と分かります。
次に、漸化式の形から、階差数列の数列と判断できます。
$a_n$の階差数列を$b_n$としたとき、$b_n=n-1$となります。
階差数列の公式を利用すると、次のようになります。
$n\geqq2$のとき、

$n=1$のとき、求めた一般項に代入すると、$a_1=2$となります。
これは、問題に与えられている初項の値と一致します。
したがって、$a_n=\displaystyle \frac{1}{2}n^2-\displaystyle \frac{3}{2}n+3$となります。
(2)問題から初項は$a_1=3$と分かります。
次に、漸化式の形から、階差数列の数列と判断できます。
$a_n$の階差数列を$b_n$としたとき、$b_n=3^n$となります。
階差数列の公式を利用すると、次のようになります。
$n\geqq2$のとき、

$n=1$のとき、求めた一般項に代入すると、$a_1=2$となります。
これは、問題に与えられている初項の値と一致します。
したがって、$a_n=\displaystyle \frac{3^n+1}{2}$となります。
階差数列の漸化式まとめ
階差数列の漸化式について解説してきました。
ポイントは以下の3つです。
- $a_{n+1}=a_n+f(n)$で表される
- 一般項を求める公式がある
- 項が2個以上ないと一般項の公式は使えない
階差数列の漸化式は式が複雑に見えるため、苦手な人が多いです。
しっかりと練習して、苦手な人と差をつけましょう!
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