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[数B]空間ベクトルの公式と用語一覧

数Bで習う空間ベクトルの公式と用語一覧です。

空間ベクトルはイメージするのが難しい単元です。分かりやすい図をたくさん使って解説しましたので、テスト勉強や復習などにご活用ください!

点数アップ間違いありませんよ!

目次

空間の座標

空間に点$O$をとり、$O$を交点として直交する3本の数直線をとります。これらの数直線を、座標軸といい、それぞれ$x$軸, $y$軸, $z$軸といいます。$O$は原点です。

$x$軸と$y$軸で定められる平面を$xy$平面、$y$軸と$z$軸で定められる平面を$yz$平面、$z$軸と$x$軸で定められる平面を$zx$平面といい、まとめて座標平面といいます。

座標軸を与えた空間を座標空間といいます。

座標空間
座標空間

座標空間上に点$P$をとり、点$P$を通り、各座標軸に垂直な平面が$x$軸, $y$軸, $z$軸と交わる点を$A$, $B$, $C$とします。
$A$, $B$, $C$の各座標軸上の点をそれぞれ$a$, $b$, $c$とするとき、点$P$の座標を$(a, b, c)$と表します。

 

例)

$O(0,0,0)$, $A(4,0,0)$, $B(0,6,0)$, $Q(4,6,0)$
$C(0,0,5)$, $S(4,0,5)$, $R(0,6,5)$, $P(4,5,6)$

空間のベクトル

空間における有向線分$AB$について、その位置を問題にせず、向きと大きさだけを考えたものを空間のベクトルといい、$\vec{AB}$と表します。
2つのベクトル$\vec{AB}$と$\vec{PQ}$が等しくなるのは、大きさが等しく、向きが同じ場合です。
$\vec{AB} = \vec{PQ}$のとき、有向成分$AB$を平行移動して、有向成分$PQ$に重ねることができます。

平面上のベクトルと同様、以下の式が成り立ちます。

  1. $\vec{OA} + \vec{AB} = \vec{OB}$
  2. $\vec{OA} – \vec{AB} = \vec{BA}$
  3. $\vec{AA} = \vec{0}$
  4. $\vec{AO} = -\vec{OA}$

例)

四面体ABCDについて

$$\vec{AB} + \vec{BC} + \vec{CD} + \vec{DA} = (\vec{AB} + \vec{BC}) + (\vec{CD} + \vec{DA}) = \vec{AC} + \vec{CA} = \vec{AA} = \vec{0}$$

ベクトルの成分と演算

原点Oとする座標空間のx軸, y軸, z軸上に$E_1(1,0,0)$, $E_2(0,1,0)$, $E_3(0,0,1)$をとります。
このとき、3つのベクトル$\vec{\mathbf{e}_1} = \vec{OE_1}$, $\vec{\mathbf{e}_2} = \vec{OE_2}$, $\vec{\mathbf{e}_3} = \vec{OE_3}$を空間の基本ベクトルといいます。

空間ベクトルに$\vec{a} = \vec{OP}$となる点$P(a_1, a_2, a_3)$をとったとき、平面と同様に$\vec{a}$は基本ベクトルを用いて

$$\vec{a} = a_1\vec{e_1} + a_2\vec{e_2} + a_3\vec{e_3}$$

と表せます。

$a_1, a_2, a_3$をそれぞれ、$\vec{a}$のx成分, y成分, z成分といい、$\vec{\mathbf{a}} = (a_{\mathbf{1}}, a_\mathbf{2}, a_\mathbf{3})$と書きます。

ベクトルの大きさ

$\vec{a} = (a_1, a_2, a_3)$のとき、ベクトルの大きさは $\left|\vec{\mathbf{a}}\right| = \sqrt{{a_\mathbf{1}}^2 + {a_\mathbf{2}}^2 + {a_\mathbf{3}}^2}$ です。

例)

$\vec{a} = (2, 5, 3)$のとき

$\left|\vec{a}\right| = \sqrt{2^2 + 5^2 + 3^2} = \sqrt{38}$

※参考記事
[数B]ベクトルの大きさと求め方、空間ベクトル、2乗、成分なしを解説

ベクトルの相等

2つのベクトルが等しいのは、ベクトルの成分が一致するときです。

$\vec{a} = (a_1, a_2, a_3)$, $\vec{b} = (b_1, b_2, b_3)$のとき

$$\vec{\mathbf{a}} = \vec{\mathbf{b}} \iff a_{\mathbf{1}} = b_{\mathbf{1}},\ \ a_\mathbf{2} = b_{\mathbf{1}},\ \ a_\mathbf{3} = b_\mathbf{3}$$

成分による演算

成分で表されたベクトルについて、以下の3点が成り立ちます。

① $ (\mathbf{a}_1,\mathbf{a}_2,\mathbf{a}_3)+(\mathbf{b}_1,\mathbf{b}_2,\mathbf{b}_3)=(\mathbf{a}_1+\mathbf{b}_1,\mathbf{a}_2+\mathbf{b}_2,\mathbf{a}_3+\mathbf{b}_3) $

② $ (\mathbf{a}_1,\mathbf{a}_2,\mathbf{a}_3)-(\mathbf{b}_1,\mathbf{b}_2,\mathbf{b}_3)=(\mathbf{a}_1-\mathbf{b}_1,\mathbf{a}_2-\mathbf{b}_2,\mathbf{a}_3-\mathbf{b}_3) $

③ $ \mathbf{k}(\mathbf{a}_1,\mathbf{a}_2,\mathbf{a}_3)=(\mathbf{ka}_1,\mathbf{ka}_2,\mathbf{ka}_3) $

例)

$\mathbf{a}=(2,1,-1), \mathbf{b}=(-2,1,3)$ のとき

$3\mathbf{a}+\mathbf{b}=3(2,1,-1)+(-2,1,3)=(6-2,3+1,-3+3)=(4,4,0)$

※参考記事
[数B]ベクトルの成分表示とは?大きさと計算、書き方、内積を解説

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ベクトルの内積

ベクトルの内積

平面の場合と同様、$\mathbf{a}, \mathbf{b}$ の内積を以下のように定義します。

$\mathbf{a}\cdot\mathbf{b}=|\mathbf{a}||\mathbf{b}|\cos\theta \quad 0°\leq\theta\leq180°$

$\mathbf{a}=\mathbf{0}$または $\mathbf{b}=\mathbf{0}$ のとき、$\mathbf{a}\cdot\mathbf{b}=0$

例)

1辺の長さが3の立方体について、
△ACFはAC=AF=3√2の正三角形であるから、$\mathbf{AC}$ と $\mathbf{AF}$ の内積は

$\mathbf{AC}\cdot\mathbf{AF}=|\mathbf{AC}||\mathbf{AF}|\cos60°=3\sqrt{2}\cdot3\sqrt{2}\cdot\frac{1}{2}=9$

※参考記事
[数B]ベクトルの内積、公式と求め方、3次元、角度がわからないときも解説

内積と成分

ベクトルの内積は、成分により以下のように求めれます。

$\mathbf{a}=(a_1,a_2,a_3), \mathbf{b}=(b_1,b_2,b_3)$ のとき

$\mathbf{a}\cdot\mathbf{b}=a_1b_1+a_2b_2+a_3b_3$

例)

$$
\begin{align} \vec{a} &= \begin{pmatrix} 1 \ 2 \ 0 \end{pmatrix}, \quad \vec{b} = \begin{pmatrix} -3 \ 0 \ 5 \end{pmatrix}\quad \text{のとき、内積} \vec{a} \cdot \vec{b} \text{は} \ \vec{a} \cdot \vec{b} &= 1 \times (-3) + 2 \times 0 + 0 \times 5 = -3 \end{align}
$$

内積となす角

ベクトル $\vec{a} = (a_1, a_2, a_3)$, $\vec{b} = (b_1, b_2, b_3)$ のなす角を $\theta$ とすると、以下の2つが成り立ちます。

例)
$\vec{a} = (1, 2, 2)$, $\vec{b} = (1, 0, 1)$ のとき、

\begin{align} \vec{a} \cdot \vec{b} &= 1 \times 1 + 2 \times 0 + 2 \times 1 = 3 \ |\vec{a}| &= \sqrt{1^2 + 2^2 + 2^2} = 3 \ |\vec{b}| &= \sqrt{1^2 + 0 + 1^2} = \sqrt{2} \ \cos{\theta} &= \frac{3}{3\sqrt{2}} = \frac{1}{\sqrt{2}} \ 0° \leq \theta \leq 180° \text{であるから、} \theta = 45° \end{align}

※参考記事
[数B]ベクトルなす角の求め方と、どっちがなす角かを紹介

位置ベクトル

空間において、点Oを定めると点Pの位置は、ベクトル $\vec{OP} = \vec{p}$ によって定まります。このとき、$\vec{p}$ を点Oを基準とする点Pの位置ベクトルといいます。$\vec{OP} = \vec{p}$ となる点Pを $P(\vec{p})$ と表します。

※参考記事
[数B]位置ベクトルとは?重心、内分、公式を解説|練習問題あり!

内分点・外分点の位置ベクトル

2点A($\vec{a}$), B($\vec{b}$) に対して、線分ABをm:nに内分する点を $P(\vec{p})$、外分する点を $Q(\vec{q})$ とすると、

$$
\vec{p} = \frac{n\vec{a} + m\vec{b}}{m + n} \
\vec{q} = \frac{-n\vec{a} + m\vec{b}}{m – n}
$$

また、3点A($\vec{a}$), B($\vec{b}$), C($\vec{c}$) を頂点とする△ABCの重心Gの位置ベクトル $\vec{g}$ は

$$
\vec{g} = \frac{\vec{a} + \vec{b} + \vec{c}}{3}
$$

ベクトルの平行・直線上の点

非ゼロの2つのベクトル$\vec{a}$と$\vec{b}$について、
① $\vec{a}\parallel\vec{b}$ ⇔ $\vec{b}=k\vec{a}$ となる実数$k$が存在する
② 2点A,Bが異なるとき、点Pが直線AB上にある ⇔ $\vec{AP}=k\vec{AB}$ となる実数$k$が存在する

例)
$\vec{a}=(-1,2,-3)$, $\vec{b}=(x,y,6)$が平行であるとき、
$\vec{b}=k\vec{a}$となる実数$k$が存在するので、
$(x,y,6)=k(-1,2,-3)$
$x=-k$, $y=2k$, $6=-3k$
したがって、$k=-2$であるから、
$x=2$, $y=-4$

空間図形への応用

2点間の距離

2点A$(x_1,y_1,z_1)$, B$(x_2,y_2,z_2)$について、
$AB=\sqrt{(\mathbf{x}_2-\mathbf{x}_1)^2+(\mathbf{y}_2-\mathbf{y}_1)^2+(\mathbf{z}_2-\mathbf{z}_1)^2}$
特に、原点Oと点Aの距離は
$OA=\sqrt{{\mathbf{x}_1}^2+{\mathbf{y}_1}^2+{\mathbf{z}_1}^2}$

例)
A(4,1,0), B(-1,2,3)の場合、
AB=$\sqrt{(-1-4)^2+(2-1)^2+(3-0)^2}=\sqrt{25+1+9}=\sqrt{35}$

内分点・外分点の座標

2点A$(x_1,y_1,z_1)$, B$(x_2,y_2,z_2)$について、
線分ABをm:nに内分する点の座標は

線分ABをm:nに外分する点の座標は

特に線分ABの中点の座標は

例)
2点A(2,-3,5), B(8,1,-7)の場合、
2:1に内分する点の座標は
$\left(\frac{1\cdot2+2\cdot8}{2+1}, \frac{1\cdot(-3)+2\cdot1}{2+1}, \frac{1\cdot5+2\cdot(-7)}{2+1}\right)=(6,-\frac{1}{3},-3)$

座標平面に平行な平面の方程式

点A$(a,0,0)$を通り、$yz$平面に平行な平面の方程式は $x=a$

点B$(0,b,0)$を通り、$zx$平面に平行な平面の方程式は $y=b$

点C$(0,0,c)$を通り、$xy$平面に平行な平面の方程式は $z=c$

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