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[数B]等比数列|一般項と和の公式の証明をわかりやすく解説

POINT等比数列の和
初項a、公比rの等比数列の初項から第n項までの和\(S_n\)は
\begin{eqnarray} S_n&=&\frac{a(1-r^n)}{1-r}\quad(r\neq1)\\S_n&=&na\quad(r=1)\end{eqnarray}
工学博士
工学博士

等比数列は数列の中でも基礎中の基礎だから、しっかり理解しましょう。証明は一度手を動かして書くことで、理解が早くなるよ!

この記事では、まずは等比数列の説明をしてから、等比数列の和の証明に移ります。

目次

等比数列とは

等比数列とは、一定の比を保っている数列のことです。
例えば、
$$3,\ 6,\ 12,\ 24,\ 48,\ 96\cdots$$
なんかが等比数列です。
最初の数字が3であり、順番に2が掛けられていってます。
 
上の例のように、ある数aから順に一定の数rが掛けられていく数列を等比数列と言います。
aを初項、rを公比と呼び、上の例では初項が\(3\)、公比が\(2\)となっています。
 
また、\(3,\ 6,\ 12,\ 24,\ 48,\ 96\cdots\)の場合、
\(3\)を初項、\(6\)を第2項、\(12\)を第3項・・・といった具合に数字1つ1つ名前(呼び方)があります。
そして、等比数列は無限に続いていきます。

等比数列の一般項

ではここからは、等比数列の一般項について解説します。
一般項とは、第n項の値を表します。nには自然数が入ります。
等比数列は無限に続くので、例えば、\(140\)番目の数字は何?と考えたい時にnに\(140\)を入れることで、\(140\)番目を計算するような使い方をします。
数列を考える上でとても役に立つのが一般項です。
 
文字で見るより、実際に計算した方が早いので、上で紹介した例を使って調べましょう。
等比数列の一般項は下記のように表せます。
等比数列の一般項

初項a、公比rの等比数列の一般項
$$a_n=ar^{n-1}$$

先ほどの数列は\(3,\ 6,\ 12,\ 24,\ 48,\ 96\cdots\)です。

今回は\(n=4\)のとき、つまり第\(4\)項を求めるときのことを考えてみます。第\(4\)項を求めるため、答えは\(24\)になるはずです。やってみましょう。

\(a=3,\ r=2,\ n=4\)を一般項の公式に代入します。

$$a_4=3\times2^{4-1}=3\times2^3=3\times8=24$$

\(24\)になりましたね。このように簡単に第n項を求めることができるのです。

工学博士
工学博士

第n項を求めるのも重要ですが、物理的な計算したい時に『初項から第n項までを足した合計を知りたい!』と言う場面に必ず遭遇します。そのときに使われるのが等比数列の和となります。ここからは等比数列の和についての説明と公式の証明をしたいと思います。

エンジニア
エンジニア

何かモノを作るときにも必要となる場面があるよ。理系的な用途以外にも、投資したお金が20年後にいくらになるか計算したいときも使えるから、かなり実用的な公式と言えますね。

等比数列の和の使い方

等比数列の和とは、『初項a、公比rの等比数列の初項から第n項までの和』を意味しています。

具体的な例を見てみましょう。

先ほど紹介した等比数列の初項から第\(4\)項までの合計を計算してみます。

\(3,\ 6,\ 12,\ 24,\ 48,\ 96\cdots\)の初項から第\(4\)項までを足すので、

$$3+6+12+24=45$$

が答えになります。次は等比数列の和の公式を使って計算してみます。

等比数列の和の公式

初項a、公比rの等比数列の初項から第n項までの和\(S_n\)は
\begin{eqnarray} S_n&=&\frac{a(1-r^n)}{1-r}\quad(r\neq1)\\S_n&=&na\quad(r=1) \end{eqnarray}

公比\(r\)は\(2\)なので\(r\neq1\)の式を使います。式にa=3,\ r=2,\ n=4を代入することで、\(45\)が求まるはずですね。

\begin{eqnarray} S_n&=&\frac{a(1-r^n)}{1-r}\ \ \\&=&\frac{3(1-2^4)}{1-2}\\&=&\frac{3(1-16)}{-1}\\&=&\frac{-45}{-1}\\&=&45 \end{eqnarray}

45になりました。

このように、数列を足していかなくても式を1つ解くだけで、第n項までの和が瞬時に分かるわけです。

では、等比数列の和の公式を証明していきます。

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等比数列の和の公式を証明する\((r=1)\)

まずは\(r=1\)の場合の証明をします。

これは簡単で、\(r=1\)ということは初項\(a\)の数列は以下のようになります。

$$a,\ a,\ a,\ a,\ \cdots$$

何に\(1\)を掛けても数字は変わらないので当然ですよね。つまり第1項だろうが第n項だろうが、常に\(a\)のままとなります。

なので、初項から第n項までの和は、\(a\)を\(n\)回足すのと同じです。

よって、

$$S_n=a\times n=na\quad(r=1)$$

となり証明完了です。

等比数列の和の公式を証明する\(r\neq1\)

次に\(r\neq1\)の場合を考えます。先ほど同様に等比数列の和を\(S_n\)とする。

$$S_n=a+ar+ar^2+\cdots+ar^{n-1} \ \cdots\ (1)$$

ここで、(1)の両辺に公比rを掛けます。

$$rS_n=ar+ar^2+\cdots+ar^{n-1}+ar^n \ \cdots\ (2)$$

ここで、\((1)引く(2)\)を計算します。

右辺を1つずらして引くことで\(ar,\ ar^2,\ ar^3\ \cdots\)が次々と消えていき、最終的には\(a\)と\(ar^n\)のみが残ります。

計算後の式は以下のようになります。

$$\begin{eqnarray}S_n-rS_n&=&a+ar^n
\\S_n(1-r)&=&a(1-r^{n-1})
\\S_n&=&\frac{a(1-r^n)}{1-r}\end{eqnarray}$$

これで証明完了です。

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