初項a、公比rの等比数列の初項から第n項までの和\(S_n\)は
\begin{eqnarray} S_n&=&\frac{a(1-r^n)}{1-r}\quad(r\neq1)\\S_n&=&na\quad(r=1)\end{eqnarray}
等比数列は数列の中でも基礎中の基礎だから、しっかり理解しましょう。証明は一度手を動かして書くことで、理解が早くなるよ!
この記事では、まずは等比数列の説明をしてから、等比数列の和の証明に移ります。
等比数列とは
例えば、
最初の数字が3であり、順番に2が掛けられていってます。
等比数列の一般項
初項a、公比rの等比数列の一般項
$$a_n=ar^{n-1}$$
先ほどの数列は\(3,\ 6,\ 12,\ 24,\ 48,\ 96\cdots\)です。
今回は\(n=4\)のとき、つまり第\(4\)項を求めるときのことを考えてみます。第\(4\)項を求めるため、答えは\(24\)になるはずです。やってみましょう。
\(a=3,\ r=2,\ n=4\)を一般項の公式に代入します。
$$a_4=3\times2^{4-1}=3\times2^3=3\times8=24$$
\(24\)になりましたね。このように簡単に第n項を求めることができるのです。
第n項を求めるのも重要ですが、物理的な計算したい時に『初項から第n項までを足した合計を知りたい!』と言う場面に必ず遭遇します。そのときに使われるのが等比数列の和となります。ここからは等比数列の和についての説明と公式の証明をしたいと思います。
何かモノを作るときにも必要となる場面があるよ。理系的な用途以外にも、投資したお金が20年後にいくらになるか計算したいときも使えるから、かなり実用的な公式と言えますね。
等比数列の和の使い方
等比数列の和とは、『初項a、公比rの等比数列の初項から第n項までの和』を意味しています。
具体的な例を見てみましょう。
先ほど紹介した等比数列の初項から第\(4\)項までの合計を計算してみます。
\(3,\ 6,\ 12,\ 24,\ 48,\ 96\cdots\)の初項から第\(4\)項までを足すので、
$$3+6+12+24=45$$
が答えになります。次は等比数列の和の公式を使って計算してみます。
初項a、公比rの等比数列の初項から第n項までの和\(S_n\)は
\begin{eqnarray} S_n&=&\frac{a(1-r^n)}{1-r}\quad(r\neq1)\\S_n&=&na\quad(r=1) \end{eqnarray}
公比\(r\)は\(2\)なので\(r\neq1\)の式を使います。式にa=3,\ r=2,\ n=4を代入することで、\(45\)が求まるはずですね。
\begin{eqnarray} S_n&=&\frac{a(1-r^n)}{1-r}\ \ \\&=&\frac{3(1-2^4)}{1-2}\\&=&\frac{3(1-16)}{-1}\\&=&\frac{-45}{-1}\\&=&45 \end{eqnarray}
45になりました。
このように、数列を足していかなくても式を1つ解くだけで、第n項までの和が瞬時に分かるわけです。
では、等比数列の和の公式を証明していきます。
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等比数列の和の公式を証明する\((r=1)\)
まずは\(r=1\)の場合の証明をします。
これは簡単で、\(r=1\)ということは初項\(a\)の数列は以下のようになります。
$$a,\ a,\ a,\ a,\ \cdots$$
何に\(1\)を掛けても数字は変わらないので当然ですよね。つまり第1項だろうが第n項だろうが、常に\(a\)のままとなります。
なので、初項から第n項までの和は、\(a\)を\(n\)回足すのと同じです。
よって、
$$S_n=a\times n=na\quad(r=1)$$
となり証明完了です。
等比数列の和の公式を証明する\(r\neq1\)
次に\(r\neq1\)の場合を考えます。先ほど同様に等比数列の和を\(S_n\)とする。
$$S_n=a+ar+ar^2+\cdots+ar^{n-1} \ \cdots\ (1)$$
ここで、(1)の両辺に公比rを掛けます。
$$rS_n=ar+ar^2+\cdots+ar^{n-1}+ar^n \ \cdots\ (2)$$
ここで、\((1)引く(2)\)を計算します。
右辺を1つずらして引くことで\(ar,\ ar^2,\ ar^3\ \cdots\)が次々と消えていき、最終的には\(a\)と\(ar^n\)のみが残ります。
計算後の式は以下のようになります。
$$\begin{eqnarray}S_n-rS_n&=&a+ar^n
\\S_n(1-r)&=&a(1-r^{n-1})
\\S_n&=&\frac{a(1-r^n)}{1-r}\end{eqnarray}$$
これで証明完了です。
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