この記事ではベクトルの引き算について解説します。
ベクトルの引き算は足し算とほぼ同じで計算上も特に違いはありません。
ただしベクトルの引き算を図で理解するのは難しいところがあります。
ベクトルは図でイメージできるようになると入試で有利になるので今回の記事でぜひ理解を深めましょう!
※参考記事
[数B]ベクトルとは|ベクトルの意味とスカラーとの違いを解説
[数B]ベクトルの足し算、成分、絶対値、交換法則、結合法則を解説
ベクトルの引き算
ベクトルの引き算とは「あるベクトルにあるベクトルの逆ベクトルを足すこと」です。
例えば「右に3歩、前に4歩進む」後に「右に4歩、前に1歩進む」と「右に3+4=7歩、前に4+1=7歩進む」事になりますが、ここで「右に4歩、前に1歩進む」の逆を考えます。
つまり「左に4歩、後ろに1歩進む」ことを考えます。
その場合、「右に3歩、左に4歩進むと左に1歩進んだ」ことになり、「前に4歩、後ろに1歩進むと前に進んだこと」ことになります。
このように「逆方向の進み方を足す」のがベクトルの引き算です。
ベクトルの足し算に比べて引き算はイメージしにくいので下記で計算式と図で細かく解説します。
ベクトルの引き算を成分で計算
ベクトルの引き算を成分で計算すると下記のようになります。
$\vec{r_{1}}=(x_{1},y_{1}),\vec{r_{2}}=(x_{2},y_{2})$
⇒$\vec{r_{1}}-\vec{r_{2}}=(x_{1}-x_{2},y_{1}-y_{2})$
ベクトルの引き算足し算と逆ではx成分同士、y成分同士を引くことで求められます。
ちなみに今回はベクトルの成分がx、yのみの2次元空間の計算式を記載しましたが、ベクトルの足し算と同様に成分が3、4、5…と増えても「同じ成分を引く」事でベクトルの差を求める事が出来ます。
ベクトルの引き算の作図
ベクトルの引き算の作図を説明します。
ベクトルの足し算は下記の図のように「ベクトルの始点と終点を合わせてできた道筋の始点と終点を結んだ矢印」を表しますが、引き算はこの考え方を利用します。

$\vec{a}$から$\vec{b}$を引く場合は「$\vec{a}$に-$\vec{b}$を足す」と考えることで引き算を行います。

$-\vec{b}$は$\vec{b}$の大きさを変えずに向きを180度回転させることで求められます。
(逆ベクトルを成分で計算する場合はベクトルの各成分の符号を反転させれば求めることが出来ます。)
ベクトルの引き算の図のように「$\vec{a}$と$-\vec{b}$の始点と終点を合わせてできた道筋の始点と終点を結んだ矢印」がベクトルの引き算になります。
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ベクトルの引き算まとめ
今回はベクトルの足し算について解説しました。
ポイントは下記3つです。
- ベクトルの引き算は「ベクトルに逆ベクトルを足す」と考えてベクトルの足し算を利用して求めることができる。
- ベクトルの引き算を成分で計算する場合は各成分を引くことで求められます。
- ベクトルの引き算を図で表現する場合はベクトルの大きさを変えずに向きを180度変えて逆ベクトルを求めてから、ベクトルと逆ベクトルの始点と終点を合わせることで求められる。
ベクトルの引き算を成分で計算する時はイメージしやすいですが、図で表現するとイメージが難しくなります。
「ベクトルに逆ベクトルを足す」ということで表現できるので実際に自分で図を書いてイメージしてみるのをお勧めします。
ベクトルが入試に出る場合は他分野と合わせて出題されることが多く、その場合は「平面か空間を動いているものをベクトルで表現する」ことが多いです。
その時は実際に図を書いて文章の意味や問題のイメージを理解することが重要になります。
ここでベクトルを図でもイメージできるくらいに理解しておきましょう!
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