平均値の定理とその証明

今回は平均値の定理について解説していきます。
難関大学受験を考えてる方は、理解しておいて損はないです!

平均値の定理の証明も解説していますが、受験生は難しければ飛ばしてもOKですよ。

九州大学 工学博士で物理学者のトムソンが解説します!
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平均値の定理とは

平均値の定理とは次のように表される定理です。

定理

区間\((a,b)\)で微分可能で、\([a,b]\)で連続な関数\(f(x)\)に対して、
\(\displaystyle\frac{f(b)-f(a)}{b-a} = f'(c)(a<c<b)\)を満たす実数\(c\)が存在する。

平均値の定理ではcの存在はわかりますが、具体的な情報までは得られません。
ここに注意してください。

また図形的イメージも重要です。
\(x=a\)と\(x=b\)の間の平均変化率に等しい傾きの接線を引ける点が存在することを意味しています。
平均値の定理は次の積の形でも表現できます。

定理(積の形)

区間\((a,b)\)で微分可能で、\([a,b]\)で連続な関数\(f(x)\)に対して、
\(f(b)-f(a) = f'(c)(b-a)(a<c<b)\)を満たす実数\(c\)が存在する。

難関大学を目指す人はこの形も頭に入れておく必要があります。
次に平均値の定理の証明に入ります。

この証明はレベルが高いのでわからない人は飛ばして構いません。

まず証明に利用するロルの定理を紹介します。
なお閉区間で連続な関数は最大値・最小値を持つことを証明無しで使っています。

平均値の定理の証明

\(f(x)\)が定数関数なら定理は明らか。

\(f(x)\)が定数関数でないとき、\(f(x) > f(a)\)または\(f(x) < f(a)\)をみたす実数\(x\)が区間\((a,b)\)に存在する。
以下\(f(x) > f(a)\)の場合を示せば、\(f(x)<f(a)\)の場合も同様に示せるので、\(f(x) > f(a)\)の場合を考える。

閉区間\([a.b]\)で\(f(x)\)は連続なので、\(f(a)=f(b)<f(x)\)より、ある区間内の一点\(c(a<c<b)\)で最大値をとる。

\(f(x)\)は微分可能だから\(f'(c)=0\)より定理は示される。

平均値の定理の証明|ロルの定理を使う

ロルの定理

区間\((a,b)\)で微分可能で、\([a,b]\)で連続な関数\(f(x)\)が\(f(a)=f(b)\)をみたすとき\(f'(c)=0(a<c<b)\)となる実数\(c\)が存在する。

平均値の定理の証明

ロルの定理を用いることで以下のように平均値の定理が示せます。

関数\(\phi(x) = (b-a)f(x) – (f(b)-f(a))x\)を考える。

\(\phi(a) = bf(a) – af(b) = \phi(b)\)であり、
\(\phi(x)は区間(a,b)\)で微分可能なので、ロルの定理より
\(\phi'(c) = (b-a)f'(c) – (f(b) – f(a))c = 0(a<c<b)\)をみたすcが存在する。

すなわち\(\frac{f(b)-f(a)}{b-a} = f'(c)(a<c<b)\)を満たす実数cが存在する。

平均値の定理の例題

不等式の証明例題

例題1

\(x>0\)のとき下記の式を示せ。

$$\frac{1}{x+1} < \log(x+1) – \log x < \frac{1}{x}$$

本問は同じ形の関数どうしの差です。
そこから平均値の定理の可能性に気づくことがポイントです。

解答

\(f(x)=\log x\)とおくと\(f'(x)=\frac{1}{x}\)である。

平均値の定理より

$$f(x+1) – f(x) = \frac{f(x+1) – f(x)}{(x+1) – x} = f'(c)(x < c < x+1)$$

を満たす実数cが存在するので、
\(\frac{1}{x+1} < \frac{1}{c} < \frac{1}{x\)}が成立する。

これは、
\(\frac{1}{x+1} < \log(x+1) – \log x < \frac{1}{x}\)を意味する。

極限の例題

例題2

 次の極限値を求めよ。

$$\lim{x \to 0}\frac{\sin x – \sin(\sin x)}{x- \sin x}$$

本問は\(f(x)=\sin x\)とみると\(\frac{f(x) – f(\sin x)}{x – \sin x}\)の形になっていることがわかります。
そこで平均値の定理を使おうという発想になります。

解答

\(x=0\)の近くでは\(x \leqq 0\)の場合、
\(x \leqq \sin x\)、

\(x > 0\)の場合、
\(x  > \sin x\)

なので、いずれの場合も平均値の定理を用いて

\((\sin x)’ = \cos x\)より

$$\frac{\sin x – \sin(\sin x)}{x- \sin x} = \cos c$$

(\(x \leqq 0\)の場合、\(x < c < \sin x\)。\(x > 0\)の場合、\(\sin x < c < x\)。)

をみたす\(c\)が存在する。

\(x \to 0\)なので\(c \to 0\)であり、
\(\cos c \to 1\)

よって\(\lim{x \to 0}\frac{\sin x – \sin(\sin x)}{x- \sin x}=1\)

平均値の定理とロルの定理の違い

平均値の定理の証明の際、ロルの定理が出てくることを見ました。

ロルの定理は、区間の両端の値が等しいとき、間の点のどこかで微分の値が0になることを主張しています。

平均値の定理は、区間の両端の値が等しくなくても、使うことができます。
つまり平均値の定理は、ロルの定理の一般化です。

まとめ

平均値の定理は、同じ形の関数の差の形がでてきたときに、威力を発揮する定理です。

抽象的な存在条件を扱う際も中間値の定理と並んで重要な定理です。

論証問題が多い難関大学の受験を考えている方はぜひマスターして武器にしましょう!

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