今回のテーマは『関数|比例と反比例』です。
この記事は比例と反比例がテーマです。
最初に変数・定数などの用語をわかりやすく解説します。関数とは何か、グラフとは何かをしっかりと理解できる構成です。
この記事を読めば、関数の基礎から比例・反比例の利用まで学ぶことができるので、関数でつまづくことが無くなります!ぜひ最後まで読んでください!

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関数とは|変数と定数の意味
では関数とは何かについて解説します。
関数とは
関数とは、入力された数を決められた式で計算して出力する機械と思ってもらえるといいです。

例えば図のように、機械に\(2\)を入れたら\(4\)が出てきました。
一方で、\(-3\)を入れたら\(-6\)が出てきたとします。
この機械どうやら、入れた数を\(2\)倍しているようです。
機械の中にある機能を式にすると、
$$出力=2\times入力$$
になりそうですね!
この機械のことを関数と呼びます。
また一般的に入力と出力は、アルファベットを使って表します。
普通は出力を\(y\)・入力を\(x\)とします。
式にするとこんな感じです。
$$y=2x$$
変数と定数の意味
次は変数と定数です。変数と定数がわからなくなる学生さんも多いので、しっかりついてきてください!
変数とは、『数量を置き換えた、いろいろな値を取る文字』のことです。
定数とは、『変化しない決まった値』のことです。
文章で見てもわからないと思うので、図で確認しましょう。

さっきの機械は、式にすると\(y=2x\)でした。
この\(x\)と\(y\)が変数で、\(2\)が定数となります。
\(x\)と\(y\)は変わるから変数、\(2\)は変わらないから定数!
変域とは
変域とは、\(x\)と\(y\)の範囲を決めるよーってものです。
例えば関数という機械があるだけなら、\(x\)は何を入れてもOK。
ただ、関数によっては、\(x\)はこの範囲にしてくれよな!ってやつがあります。
この範囲のことを変域と呼びます。後半の比例・反比例の利用で出てくるので、うっすら覚えていてください!
グラフと座標|関数との関係
次は関数を学ぶ上で絶対に必要なグラフと座標の解説です。
グラフは関数を学ぶ上で、絶対に必要な部分になります。
グラフとは何か、グラフを理解するのに大切な用語、グラフの座標と書き方を解説していきます。
グラフとは
グラフとは、『関数の入力と出力をひと目でわかるようにしたもの』と考えてください。

この関数は入力が増えると、出力は増えるのかな?減るのかな?
入力が減ると、出力はどうなるのかな?といった疑問に瞬時に答えてくれる、とっても大切な関数のパートナーです。
そんなグラフを使いこなせるように、グラフの見方を解説します。
グラフの軸と原点
グラフには『軸』と『原点』という2つの重要な要素があります。

軸には入力を表す\(x\)軸と、出力を表す\(y\)軸があります。
この\(x\)軸と\(y\)軸が交わる点を『原点』と言います。
\(x\)軸に注目すると、原点から右に行くと数が大きく、左に行くと数が小さくなります。
\(y\)軸に注目すると、原点から上に行くと数が大きく、下に行くと数が小さくなります。
座標とは|座標の書き方
最後は座標です。
グラフ上のある点を示す値を座標と言います。
例えば入力の\(x\)が\(2\)、出力の\(y\)が\(4\)だとします。
\(x\)が\(2\)、\(y\)が\(4\)の点はどこでしょうか?
グラフ上では\(x=2\)、\(y=4\)の交差点に点を打ちます。

点Pを打つと、上の図のようになります。
この時、点Pの\(x\)座標は\(2\)、\(y\)座標は\(4\)といいます。
また\((2,\ 4)\)と書き表し、この\((2,\ 4)\)を点Pの座標と言います。

今の段階では、なんのこっちゃと思っていても、後からつながってくるから今は頑張って先に進みましょう!確実に力はついていますよ!!
比例の意味とグラフ
関数とグラフの基礎的な部分は終わりました。
ここからは比例の意味とグラフついて理解していきましょう!
比例とは|比例の意味
実は数学で最初に習う関数は、これから学ぶ『比例』と呼ばれる関数です。
算数でも習うので、言葉に馴染みはあると思います。
比例とは、『2つの量の比が常に一定であること』です。
つまり、\(x\)が2、3、4倍と増えると、\(y\)も2、3、4倍と増えるということです。
比例の式と比例定数
比例を式で表すとどうなるでしょうか。
実はさっきの\(y=2x\)も比例の式です。
このように、\(y=◯x\)の式を比例の式と言います。数学的に書くと、
$$y=ax$$
が比例の式です。この時\(x,\ y\)を変数、\(a\)を定数と言います。
\(x,\ y\)は入出力、\(a\)は機械の性質を表すからです。

そして定数\(a\)のことを比例定数と呼びます。
比例のグラフ
では、比例のグラフを書いていきましょう。
最初は\(a=2\)の\(y=2x\)のグラフを見ていきましょう。

表の\(x\)と\(y\)の座標位置に点を打って繋げるとグラフになります。
比例のグラフは図のように原点を通る直線になります。
そして、\(a>0\)(\(a\)が正の数)だとグラフは右上がりに。
\(a<0\)(\(a\)が負の数)だとグラフは右下がりになります。

こちらのグラフは\(y=-\displaystyle \frac{1}{2}x\)のグラフです。
\(a\)の絶対値が\(2\)より小さいので、傾きが小さく、負の数なので右下がりのグラフですね。
反比例の意味とグラフ
続きまして、反比例の解説です。
反比例とは|反比例の意味
反比例とは、『2つの量の積が常に一定であること』です。
言い換えると、\(x\)が2, 3, 4倍と増えていくと、出力は\(\displaystyle \frac{1}{2},\ \displaystyle \frac{1}{3},\ \displaystyle \frac{1}{4}\)と減少していく関数です。
つまり、\(x\)と\(y\)の積は常に一定になるってわけです。
反比例の式と比例定数
反比例の式は以下の通り。
$$y=\displaystyle \frac{a}{x}$$
です。

この時\(x\)と\(y\)は変数で、\(a\)は定数です。
そして比例と同様に、\(a\)のことを比例定数と呼びます。
\(a\)は定数で一定なので、\(y=\displaystyle \frac{a}{x}\)より、\(xy=a\)で、\(x\)と\(y\)の積は一定と言えるのです。
反比例のグラフ
反比例のグラフは双曲線と呼ばれています。
例えば、\(a=2\)のグラフを見てみましょう。

表の\(x\)と\(y\)の座標位置に点を打って繋げるとグラフになります。
図のように、1つの式で2つの曲線ができるので、双曲線と呼ばれているのです。
ポイント!
反比例では\(x=0\)には絶対になりません。\(0\)で割ってはいけない数学のルールに反するからです。
また、\(y=0\)にもなりません。\(xy=a\)とした時、\(y=0\)だと\(a=0\)となります。\(y=\displaystyle \frac{a}{x}\)で\(a=0\)は反比例のグラフではないからです。
要するに\(x=0\)にも\(y=0\)にもならないので、反比例のグラフが軸と交わることはありません!
\(a=-2\)のときを見ると、グラフの様子が変わります。

反比例では、\(a>0\)だとグラフの右上と左下に、\(a<0\)だとグラフの左上と右下に双曲線が出てきます。
覚えておきましょう。
比例と反比例の利用
最後に比例と反比例の利用を解説していきます。
利用とは、じゃあ比例と反比例って何に使えるの?って部分です。
早速問題を通して解説していきます。
比例の利用
【問題】
\(200\)ℓの水を入れられる水そうに、毎分\(4\)ℓの水を入れる。このとき、\(x\)分後に水そうの中の水が\(y\)ℓになるとき次の問いに答えよ。
(1)\(y\)を\(x\)の式で表しなさい。
(2)\(x\)と\(y\)の変域を求めなさい。
(3)水の量が\(128\)ℓになるのは何分後か答えなさい。
(4)\(y\) と\(x\)の関係を示すグラフを書きなさい。


無理のない範囲で解いてみましょう!
解答と解説
(1) \(y=4x\)
毎分4ℓの水が水そうの中に入るので、\(x\)分後には\(4x\)ℓの水が入っているはずです。よって答えは、\(y=4x\)です。
(2) \(0≦y≦200\), \(0≦x≦50\)
最初に少しだけ触れた変域です。
\(y\)が許す範囲はどこですか?ってやつです。\(y\)は水そうの中の水なので、水そうの容量を超えることはできません。また、負の数になることもできません。
よって\(y\)の範囲は\(0≦y≦200\)となります。
同様に時間である\(x\)も負の数にはなれません。
また、水そうは\(4\times50=200\)で一杯になるので、時間も\(50\)分が最大です。
よって、\(x\)の範囲は\(0≦x≦50\)となります。

(3) \(32\)分後
(1)より、式は\(y=4x\)です。\(128\)ℓになっているので、\(y=128\)です。これを代入すると、
$$128=4x$$
となり、方程式を解くことで\(x=32\)だとわかります。
よって答えは\(32\)分後です。
(4) 図参照


わからないところがあれば、コメントやTwitterでいつでも聞いてくださいね!
反比例の利用
【問題】
バイクに乗って移動しています。このバイクは\(1\)ℓのガソリンで\(x\ km\)走ることができます。\(380\ km\)先の目的地に行くために必要なガソリンを\(y\)ℓとする。
(1) \(y\)を\(x\)の式で答えなさい。
(2) (1) 式のグラフを書きなさい
(3) バイクが\(1\)ℓで\(20\ km\)走れるとき、目的地まで行くのに必要なガソリンの量を答えなさい。

【解答と解説】
(1) \(y=\displaystyle \frac{380}{x}\)
\(380\ km\)先に行くまでに必要なガソリンは、バイクの性能(\(x\))で決まります。\(1\)ℓで\(380\ km\)走れるならガソリンは\(1\)ℓでいいってことですね。
なので、この式になります。ちなみに数式だけ見ると、\(x=\displaystyle \frac{380}{y}\)でも正解ですが、問題文に「\(y\)を\(x\)の式で」と書いてあるので、正解は\(y=\displaystyle \frac{380}{x}\)です。
(2) 図を参照

(3) \(19\)ℓ
\(y=\displaystyle \frac{380}{x}\)で\(x=20\)のときの\(y\)を求める問題です。
よって\(y=\displaystyle \frac{380}{20}=19\)となります。
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