今回は必要条件と十分条件、必要十分条件の解説です。
必要条件・十分条件とは
『\(P\)ならば \(Q\)』が成立するとき、
\(Q\)は\(P\)であるための必要条件、\(P\)は\(Q\)であるための十分条件という。
文字で見てもなかなか理解が難しくてややこしいですよね。
私も学生時代は必要条件と十分条件の区別がつかなかったです。
しかし、定義を確認して理解すると不思議なくらい違いがわかってきました。
そこで今回は定義を理解できるように、わかりやすく説明します。

最後には必要十分条件の解説もしていきます。違いを一瞬で見分ける方法も紹介していきますよ!
必要条件と十分条件の定義
まずは2つの定義です。
必要条件・十分条件の定義
『\(P\)ならば \(Q\)』が成立するとき、
\(Q\)は\(P\)であるための必要条件、\(P\)は\(Q\)であるための十分条件という。
非常にわかりにくいですね。
しかし、これは定義なのでわかりにくくて当然!
今から噛み砕いて説明していきます!
例で見る必要条件と十分条件
例えば、「犬は動物である。」という文章があったとします。
犬は動物ですね。
でも「動物ならば犬である」は間違いですよね。
図にしてみましょう。

このように、犬・タコ・ぶた・ペンギンのように動物にはたくさん種類がいます。
「動物 ならば 犬」は間違いと言えます。
十分条件|犬 → 動物を考えてみる
犬は動物である。
これは十分条件になります
犬であれば動物であることは確実です。
つまり、犬であることは動物であることを示すのに十分な条件と言えるのです。
ブタは動物である。も同様です。
必要条件|動物 → 犬を考えてみる
逆を考えてみましょう。
動物なら犬である、は成り立ちませんね。
動物は他にもたくさんいるからです。
つまり、
- 犬が動物は『真(しん)』ですが
- 動物が犬は『虚』になります。
以上より、
犬は動物であるは十分条件、動物は犬であるは必要条件となります。
必要条件と十分条件を1瞬で見分ける
まだややこしいと思うので、1瞬で見分ける方法を伝授します。この図をどうぞ!

です。Pが犬、Qが動物となります。
PがQなら十分条件。
QがPなら必要条件となるわけです。
この記事のタイトルもそうですが、必要条件・十分条件の順番で言うことが多いです。でも、この図を使うなら逆で覚えておいた方がミスが減りますね。
十分条件・必要条件 実践!
問1
- 球技はスポーツであるための〇〇条件
- 球技は野球であるための〇〇条件
この2つについて考えてみましょう。まずは1番から。
球技はスポーツであるための十分条件

この図に当てはめると、1番だとP=球技、Q=スポーツです。
ここで、
- 球技であればスポーツである・・・真です。
- スポーツであれば球技である・・・虚です。
真の方が答えになりますので、球技はスポーツであるが答えです。
これを言い換えると、PはQであるとなります。
となると簡単ですね。
1. 球技はスポーツであるための十分条件です。
球技は野球であるための必要条件
では検討しましょう
- 球技であれば野球である・・・嘘ですね。
- 野球であれば球技である・・・真ですね。
真の方が答えになりますので、野球であれば球技であるが答えです。
しかし、今回の前提は「球技は野球であるための〜〜条件」ですので注意が必要です。今回はP=球技、Q=野球となります。つまり、真の方を言い換えると、QはPである。となります。

この図を使うと、QはPなので、必要条件ですね。
よって解は、球技は野球であるための必要条件となります。

問題が出たら、解く前にPとQの図を書くと分かりやすいよ!
必要十分条件(どちらの矢印も成り立つ)
最後に必要十分条件について見ていきましょう。
数学的な例を見ながら理解していきます!
【例題】
\(x^2-10x+25=0\)は\(x=5\)である〇〇条件
答えは、お察しの通り必要十分条件です。笑
こちらの式を因数分解してみますと、\((x-5)^2=0\)は\(x=5\)である〇〇条件となります。
- \((x-5)^2=0\)であれば\(x=5\)である・・・真
- \(x=5\)であれば\((x-5)^2=0\)である・・・真
このようにP➡︎Qも、Q➡︎Pも成り立つ場合は、必要十分条件と言います。
つまり\(x^2-10x+25=0\)は\(x=5\)であるは 必要十分条件と言えます。

さっきの図を使って、両方が真なら必要十分条件ってことですね!
必要条件と十分条件|まとめ
以上をまとめますね。
- QはPであるための必要条件
- QはPであるための十分条件
- 両方が成り立つなら必要十分条件
となります。

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