平方完成は二次関数を理解するには絶対に必要ですが、難しいのも確かです。ここでは平方完成のやり方や使い方を、分かりやすく簡単に解説します。
但し、頂点座標やグラフの内容が理解できていないと「????」となってしまいます。
ですので、$$y=a(x-b)^2+c$$の頂点座標が分からない方がいましたら、こちらの解説を読んでおきましょう!


平方完成は習得するのに練習が必要ですが、慣れてしまえば簡単です。あなたが他の科目を学ぶ際も、とても役に立つ知識ですので、がんばって理解しましょう。
平方完成ってなに?
まずは平方完成って何なの?ってことについての解説です。前回までは
$$y=a(x-b)^2+c$$ のようにキレイに式がまとめられていました。
だから簡単に頂点座標は(b, c)って分かった訳です。しかし、これがもし展開された状態で表示されていたらどうでしょう。$$y=4x^2+8x+5$$の頂点座標を示せって問題があったとき、パッと答えが言えますか??
なかなか難しいですよね。そんなときに使うのが平方完成って方法になります。
使いこなすには少しコツが必要なのですが、練習すれば超絶簡単なので頑張りましょう!!
平方完成の例題
では、例題を通して使い方を学びましょう!
例題
$$y=4x^2+8x+5$$ の頂点座標を示せ。また、グラフを書け。
ではいってみましょう!
最終目標を確認しておきます。
例題の式である\(y=4x^2+8x+5\)を
$$y=a(x-b)^2+c$$ の形にすることが目標であり、これを平方完成と呼びます。
まずは、\(4x^2+8x\)の部分に注目して\(a\)を求めます。
\(4x^2+8x=4(x^2+2x)\)と\(4\)で括ってやります。この括った\(4\)が\(a\)です!
次に \(4(x^2+2x)\)を使って\(b,\ c\)を一気に求めます。
ゴールの形は\((x-b)^2\)なので、\(x^2+2x\)を変形する必要があります。試しに\((x-b)^2\)を展開してみましょう。
$$(x-b)^2=x^2-2bx+b^2$$
となります。ここで\(x\)の項に注目すると、\(-2bx=2x\)となるはずなので、\(b=-1\)と分かるのです。
しかし、 \((x+1)^2\)を展開すると$$(x+1)^2=x^2+2x+1$$となって、最初の式と比べると\(+1\)が余分ですよね。
この\(+1\)の帳尻を合わせるために\(-1\)を付け加えてやります。
$$(x+1)^2-1$$
ここまでの変形をまとめます。
$$\begin{eqnarray} y &=&4x^2+8x+5 \\ &=& 4(x^2+2x)+5\\ &=& 4[(x^2+2x)-1]+5\\ \end{eqnarray}$$
最後に\(c\)を求めるのですが、これは非常に簡単です。
\(4[(x^2+2x)-1]+5\)を展開するだけです。
\(4[(x^2+2x)-1]+5=4(x^2+2x)-4+5=4(x^2+2x)+1\)
つまり、\(c=1\)となります。
んーーー、と違和感を覚えたかもしれませんが、練習していくうちに慣れるので安心してください。
\(y=Ax^2+Bx+C\)の形を無理矢理\(y=a(x+b)^2+c\)の形に変換しているのでパズルのようになってしまうのです。
ただ、この変換をすることで二次関数として、かなり扱いやすくなるので昔の偉い人が考えた素晴らしい手法なんだなーくらいに考えていただければと思います。
平方完成の式変形
$$\begin{align}y &=4x^2+8x+5 \\&=4(x^2+2x)+5 \\&=4[(x+1)^2-1]+5 \\&=4(x+1)^2-4+5//&=4(x+1)^2+1\end{align}$$
この変形を「平方完成」と言います。
例題の再確認
それでは、ここまで来てもう一度例題を確認しましょう。
例題
$$y=4x^2+8x+5$$ の頂点座標を示せ。また、グラフを書け。
さっきまで、意味不明でしたがゴールが見えてきた感じがしませんか?
つまり、
$$y=4x^2+8x+5= 4(x+1)^2+1 $$ なのです。
じゃあ、頂点座標は簡単ですね。
はい、(-1, 1)です!
※(1, 1)ではない点に注意!!
平方完成のグラフを書いてみよう!
まあグラフは正直簡単で、$$y=4x^2$$のグラフを(-1, 1)から書けばOKです!

まとめ:平方完成
- 平方完成とは式の変形であり、結構簡単
- 式を変形することで、頂点座標が分かりやすくなる
- 違和感のある変形だと思うけど、繰り返し練習すれば違和感がなくなる
ってところです。練習問題も用意したので、チャレンジしてみてください!理解できていれば簡単ですよ〜
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