二次関数が難しく感じる原因の1つがこの平行移動です。「この平行移動が良くわかない!」となった経験があるのではないでしょうか。しかし、理解すればなんてことありません。そのコツとして二次関数の式が何を表しているのかをもう一度理解しましょう。
この記事では二次関数の式が表す意味をしっかり解説し、例題を解くことでグラフの平行移動はどんなものか学べるような構成にしました。

二次関数の式から頂点座標を求めて、グラフが書けること前提に記事を書きましたので、怪しい場合は「頂点座標とグラフの書き方」を一読ください。

\(y=a(x-b)^2+c\)に二次関数の情報が全て詰まっている
よく見る式の形に
$$y=a(x-b)^2+c$$があると思います。
\(y=2(x-3)^2+5\)だったり、\(y=(x+1)^2-1\)だったりです。実はこの式に平行移動の全ての情報が詰まっています。
$$y=a(x-b)^2+c$$
という2次関数の式があったらaは二次関数の形を決めます。aが正か負かで形が逆になりますし、aの大きさで細くなったり太くなったりしますよね。
bはxの移動距離、cはyの移動距離
ではbとcは何を表しているのか。
bはxの移動距離、cはyの移動距離を表しています。例えば、\(y=2(x-3)^2+5\)を考えてみましょう。まずは原点に頂点を持ってきて、\(y=2x^2\)のグラフを書きます。
難しく考えずに、中学生の時に習ったように書けばOKです!
ここで\(y=2(x-3)^2+5\)のbとcは何でしょうか。\(b=3, c=5\)ですよね。つまり、\(y=2x^2\)のグラフを、xに3、yに5移動させれば\(y=2(x-3)^2+5\)のグラフの完成です。
式の意味さえ分かってしまえば意外と簡単だと思います。
1つ注意点があるとすればこの形。$$y=(x+1)^2-1$$\(b=-1, c=-1\)ですよね。つまり、x方向に-1、y方向に-1移動するということです。
うっかり、b=1だ!と勘違いしないように気を付けましょう。
ところで・・・\(y=Ax^2+Bx+C\)のときはどうやるのかな?
という疑問が浮かびましたか?それについての回答をさせていただきます。
\(y=a(x-b)^2+c\)ではないときの平行移動
\(y=a(x-b)^2+c\)の平行移動は分かったところで、\(y=Ax^2+Bx+C\)について考えましょう。
実はすごく簡単でこの\(y=Ax^2+Bx+C\)を\(y=a(x-b)^2+c\)に変形すればそれで解決します。この変形のことを平方完成と呼びます。

平方完成は少し難しいので別の記事を準備しました。\(y=Ax^2+Bx+C\)を\(y=a(x-b)^2+c\)に変形する方法です。
この式変形については、こちらの記事をご覧いただけたらと思います。

まとめ(二次関数の平行移動)
- \(y=a(x-b)^2+c\)のときはbとcに注目
- x方向にbだけ、y方向にcだけ\(y=ax^2\)を平行移動
- \(y=Ax^2+Bx+C\)のときは平方完成で変形!
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