二次関数の最大値・最小値を求め方は、受験でも出てくるかなり重要な計算です。
とは言っても、理解してしまえば、二次関数の最大値・最小値を求める計算はそこまで難しくありません。
しかし、二次関数のグラフの書き方を勉強して、グラフを見ながら答えを導く必要が出てくるので、つまづいてしまう学生さんが多いのも事実です。

2次関数の最大値・最小値ってどうやって求めたらいいの?定義域がある場合とない場合があるけど何が違うのか分からない・・・
今回はそんな疑問にお答えしていきます!
定義域がある場合とない場合に分けて、丁寧に解説していきますので、よかったら最後まで読んでみてください。
『最大値』『最小値』を簡単に理解できる説明になっています!

二次関数の基礎については別記事に記載していますよ。具体的には、\(y=a(x-b)^2+c\)の式の頂点座標を見つけ方とグラフの書き方の解説です。二次関数自体が苦手な場合はこちらの記事も参考になりますよ!
二次関数の最大と最小って何?
そもそも二次関数の最大と最小って何でしょうか。
例えば、$$y=a(x-b)^2+c$$があったとします。
二次関数ではよく見る形ですよね。
グラフの書いてみましょう。
ここで\(a>0\)の場合は図の左のグラフになり、最小値が存在することになります。
一方で、\(a<0\)の場合は図の右のグラフとなり、最大値が存在しています。
二次関数のグラフは無限に続いていくので、定義域がない場合は『最大値』もしくは『最小値』しか存在しません。
\(a>0\)のとき(左のグラフのとき)、『\(x=b\)のとき、最小値は\(c\) 』と書きます。
\(a<0\)のときは(右のグラフのとき)、『\(x=b\)のとき、最大値は\(c\) 』と書きます。

確かに、\(x=b\)のときに\(y\)が最小か最大になってますよね!
定義域がない場合の最大値・最小値のポイント
定義域が指定されていない場合は、2次関数の最大値・最小値は頂点座標の値になる。
定義域がない場合は頂点座標の値が最大値もしくは最小値となります。
最大値になるのか、最小値になるのかは、二次関数の式である$$y=a(x-b)^2+c$$の\(a\)が\(0\)より大きいか小さいかで場合分けできます!
二次関数が最大値を取るか、最小値を取るかの判断基準
$$y=a(x-b)^2+c$$
\(a>0\):最小値が存在する
\(a<0\):最大値が存在する
では、簡単な例題を使って解説していきます。
簡単な例題|最大値・最小値を求めよう
以下の式の\(y\)最大値と最小値を求めよ。存在しない場合は『存在しない』と書くこと。
$$y=2(x-4)^2+3$$
解答|最大値・最小値を求めよう
まずは頂点座標を求めます。
頂点座標は\((4,\ 3\)ですね。
また、\(a=2>0\)なので最小値が存在します。
よって答えは、 \(x=4\)のとき最小値が\(3\)、最大値は存在しない。
となります。
二次関数のグラフは絶対に「U」、もしくは「\(\cap\)」の形になります。
グラフの形が「U」なら、そのグラフには最小値が存在しています。
逆に「\(\cap\)」の形なら、最大値が存在するわけです。

定義域がある場合を計算するためにも、ここまでのことはとっても重要です。定義域の解説に入る前に、例題で理解度をUPさせましょう〜!
二次関数の最大値・最小値例題|定義域がない場合
\(y=(x-2)^2+1\)の場合
\(y=(x-2)^2+1\)の最大値と最小値を求めよ。
答え:
最大値は「存在しない」、最小値は「1(\(x=2\)のとき、\(y=1\))」
解説:
二次関数において最大値と最小値が両方存在することはありません。(ちょっと引っかけ問題ですね)
例えば「U」の形の場合、最大値は\(\infty\)ですよね。
同様に「\(\cap\)」の形なら最小値は\(-\infty\)となります。
今回の問題は、$$y=a(x-b)^2+c$$で表すと\(a=1>0\)なのでグラフは「U」の字です。
つまり、最大値は「存在しない」が答えとなります。
(最大値は\(\infty\)ではないのでご注意を!)
では最小値を計算してみましょう。
「\(\cap\)」の形の最小値は、頂点座標が答えとなります。
$$y=(x-2)^2+1$$の頂点座標は(2, 1)ですよね。
頂点座標は下の図のように、
「x=2のとき、最小値1」が答えとなります。
もう1問解いてみましょう!
\(y=-3(x-1)^2+4\)の場合
\(y=-3(x-1)^2-4\)の最大値と最小値を求めよ。
今回は\(a=-3<0\)とaが0より小さくなっています。つまりグラフは・・・「\(\cap\)」の字ですね。
ということは、最大値と最小値のどっちが存在しないことになるでしょう。
理解してしまえば簡単ですよね!
二次関数の最大値・最小値|定義域がある場合
それでは定義域がある場合について見ていきましょう。
まずは定義域があると何が変わるのかを解説します。
その後例題を通して、理解を深めていきます!
定義域があると何が変わるのか
定義域がある場合とない場合で変わることは大きく2つです。
- 最大値と最小値の両方が存在する(片方の場合もあり)
- 頂点座標が『最大値』『最小値』にならないことが多い
もう少し具体的な違いを例題を通して解説していきます。
例題|定義域がある場合の最大値・最小値
以下の式において、定義域が指定されている場合の\(y\)最大値と最小値を求めよ。存在しない場合は『存在しない』と書くこと。
$$y=2(x-4)^2+3$$
\((1)\ 3≦x≦6\)
\((2)\ 2≦x≦3\)
解答|定義域がある場合の最大値・最小値
\((1)\)の解答と解説
答え:\(x=4\)のとき最小値\(3\)、\(x=6\)のとき最大値\(11\)
解説:定義域がある場合は、グラフを書くのが1番の近道です。

グラフを書いたら、\(x=3\)と\(x=6\)の点に印をつけます。(上の図の黒い点)
この間から最大値と最小値を探していきます。
今回は定義域の中に頂点座標が入っているので、最小値は頂点座標だと分かります。
頂点座標は\((4,\ 3\)なので、\(x=4\)のとき最小値\(3\)です。
では、最大値はどうでしょうか。
グラフを見ると、右の黒い点\(x=6\)が最大値ですね。
計算すると、
\begin{eqnarray} y&=&2(x-4)^2+3 \\
&=& 2(6-4)^2+3\\
&=&11 \end{eqnarray}
つまり、\(x=6\)のとき最大値\(11\)です。
この\(11\)は式から計算しても、グラフから求めてもOKです。
\((2)\)の解答と解説
答え:
解説:こちらも同様にまずはグラフと定義域を描きます。

今回は定義域の中に頂点座標が入っていませんね。
つまり、最小値は頂点座標ではありません。
グラフを見ると最小値は\(x=3\)の点で、最大値は\(x=2\)の点ですね。
それぞれ計算すると、
\begin{eqnarray}
x=3のとき\\
y&=&2(x-4)^2+3\\
&=& 2(3-4)^2+3 \\
&=& 5 \end{eqnarray}
\begin{eqnarray}
x=2のとき\
y&=&2(x-4)^2+3\
&=& 2(2-4)^2+3 \
&=& 11 \end{eqnarray}
以上より、\(x=3\)のとき最小値\(5\)、\(x=2\)のとき最大値\(11\)
となります。
二次関数の最大値・最小値の求め方|まとめ
二次関数の最大値・最小値について解説しました。
二次関数は頂点が1点だけ存在して、その頂点から、永久に上がる、もしくは下がるグラフなります。
- 二次関数は「U」の字、もしくは「\(\cap\)」の字になる。
- それぞれ、「U」の形なら最小値、「\(\cap\)」の形なら最大値が存在する。
- 定義域がある場合は少し違って、最大値も最小値も存在する場合が多い
- 頂点座標が最大値・最小値にならない場合もある

最大値・最小値は頂点座標を求めればいいんだ。と覚えておけばテストでも役に立ちますよ!定義域がある場合は少し複雑になるので注意です。また、頂点座標を求める際に使う『平方完成』についても解説しているので、こちらも併せて理解しておくと良いでしょう!
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