アークタンジェント(arctan, tan-1)の基本と微分積分

逆三角関数のアークタンジェントについて解説します。

トムソン
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アークタンジェント(arctan)とは

アークタンジェントとは、逆三角関数と呼ばれる関数の1つで、三角形の辺の比から角度を求める関数です。

例えば\(\tan \theta=x\)とすると、
\(\arctan x=\theta\)の関係になります。

具体例を見てみましょう。

アークタンジェントの具体例

$$\tan \left( \displaystyle \frac{\pi}{6}\right)=\displaystyle \frac{1}{\sqrt{3}}$$

$$\arctan \left( \displaystyle \frac{1}{\sqrt{3}}\right)=\displaystyle \frac{\pi}{6}$$

このように、\(\tan\)(タンジェント)と\(\arctan\)(アークタンジェント)は同じ計算を『角度』から見るか、『辺の比』から見るかの違いがあるだけです。

アークタンジェント(arctan)のグラフ

アークタンジェントのグラフ(\(y=\tan^{-1} x\))

アークタンジェントのグラフ(\(y=\tan^{-1} x\))は上記のような形になります。
グラフの特徴は3つ!

  1. 定義域は\(−∞≦x≦∞\)
  2. \(y\)の範囲(主値)は\(-\displaystyle \frac{\pi}{2}≦y≦\displaystyle \frac{\pi}{2}\)
  3. \(x=1\)のとき\(y=\displaystyle \frac{\pi}{4}\)

特徴を1つずつ解説していきます。

アークタンジェントの定義域

アークタンジェントの定義域は下記の通りです。

\begin{eqnarray}
\tan^{-1} x &=& \theta\ ,\ −∞≦x≦∞\ ,\ -\displaystyle \frac{\pi}{2}≦y≦\displaystyle \frac{\pi}{2}\end{eqnarray}

アークタンジェントは\(x\)と\(\theta\)に明確な定義域が存在します。

\(\tan x\)のグラフを見ると分かる通り、
\(y=\tan x\)だと\(−∞≦y≦∞\)になります。

tan x(タンジェント)のグラフ
y=tan x(タンジェント)のグラフ

つまり、\(\tan^{-1} x\)のxの範囲は\(−∞≦x≦∞\)となります。

アークタンジェント以外の逆三角関数である、アークタンジェントとアークタンジェントにも同様に定義域が存在します。

アークタンジェントの\(y\)の範囲(主値)

アークタンジェント(\(y=\tan^{-1}x\))の\(y\)の範囲は\(x\)の定義域によって決定しています。

\(x\)の定義域は\(−∞≦x≦∞\) ですから、\(y=\tan^{-1}x\)より\( -\displaystyle \frac{\pi}{2}≦y≦\displaystyle \frac{\pi}{2}\)が\(y\)の範囲となります。

アークタンジェントの微分

アークタンジェントの微分

\((\tan^{-1}x)’ = \displaystyle \frac{1}{1+x^2}\)

アークタンジェントの微分の証明

$$y=Tan^{-1}x$$

とすると、これは逆三角関数なので

$$x=\tan y \dots(1)$$

と同じ意味になります。

ここで(1)式の両辺をxで微分します。

$$\begin{eqnarray}
\frac{d}{dx}x &=& \frac{d}{dx}\tan y \\
1 &=& \frac{d}{dy}\tan y\frac{dy}{dx}(合成関数の微分法)\\
1 &=& (1+\tan^2 y) \frac{dy}{dx}\\
\frac{dy}{dx}&=&\frac{1}{1+\tan^2 y}
\end{eqnarray}$$

となります。

最初に示した通り、この問題は逆三角関数なので

$$y=tan^{-1}x \leftrightarrow x=\tan y$$

この式から\(\tan y=x\)を代入すると、下記のように計算できます。

$$\begin{eqnarray} \frac{dy}{dx}&=& \frac{1}{1+\tan^2 y} \\
&=& \frac{1}{{1-x^2}}\\
\end{eqnarray}$$

微分は以上です。
逆関数の微分法を使うと、もう少し簡単に微分ができます。

アークタンジェントの積分

アークタンジェントの積分

$$\displaystyle\int \tan^{-1}xdx=x\tan^{-1}x-\displaystyle \frac{1}{2}\log(1+x^2)$$

アークタンジェントの積分の証明

部分積分法より、

\begin{eqnarray}
\displaystyle\int\tan^{-1} xdx &=& \displaystyle\int 1\cdot\tan^{-1} xdx\\
&=& x \tan^{-1} x -\displaystyle\int x\cdot\displaystyle \frac{1}{1+x^2}dx\cdots(1)\\
\end{eqnarray}

と変形できる。

ここで\(1+x^2=t\)とおくと、
\(2xdx=dt\leftrightarrow dx=\displaystyle \frac{dt}{2x}\)となる。
(1)に\(t,\ dx\)を代入すると下記の式を得られる。

\begin{eqnarray}
&=& x \tan^{-1} x- \displaystyle\int x\cdot\displaystyle \frac{1}{1+x^2}\left( \displaystyle \frac{dt}{2x}\right) \\ \\
&=& x \tan^{-1} x- \displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle\int \displaystyle \frac{1}{t}dt\\\\
&=& x \tan^{-1} x-\displaystyle \frac{1}{2}\log(t)\\
&=&x \tan^{-1} x-\displaystyle \frac{1}{2}\log(1+x^2)
\end{eqnarray}

まとめ

アークタンジェントについて解説してきました。

アークタンジェント(arctan)について難しいイメージが少しでも薄れたなら幸いです。

参考動画

最後に参考になる動画を紹介しておきます。
本記事とは切り口が少し違うので、理解が深まると思います。

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