三角関数の最大値・最小値を求める方法の中でも、今回は三角関数の合成を使う求め方を解説します。
例えば、
$$y=\sin x-\cos x$$
の最大値・最小値を求めるイメージですね。
この記事でわかること
- 三角関数の合成とは何か
- 三角関数の合成の証明
- 三角関数の合成を使った最大値・最小値の求め方

加法定理や公式など、三角関数の知識をフルに使うことになります。でも大丈夫!その都度、解説を入れて行くので、安心してください。
では、三角関数の合成とは何かを解説していきます!
三角関数の合成とは何か
三角関数の合成とは
$$a\sin x+b\cos y=\sqrt{a^2+b^2}\sin (x+\alpha)$$
ただし、
\begin{eqnarray} \cos α &=& \displaystyle \frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}\\
\sin α &=&\displaystyle \frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}\end{eqnarray}
このように、\(a\sin x+b\cos y\)の形を、\(\sin\)だけで表すことができるのが、三角関数の合成です。
三角関数の合成|証明
三角関数の合成の証明です。
証明だけで、結構長くなってしまったので別記事にまとめました。
よかったらご活用ください!
三角関数の合成で最大値・最小値を求める
本題の三角関数の合成を使って、最大値・最小値を求めていきましょう!
例題1
$$y=\sin x-\cos x$$
の最大値・最小値を求め、その時の\(x\)の値を求めよ。
まずは、$$y=\sin x-\cos x$$
を\(\sin\)の形に合成します。
解答1
$$\sin x-\cos x=\sqrt{a^2+b^2}\sin(x+α)$$
とする。
この時\(a=1,\ b=-1\)であるから、
\begin{eqnarray}
\sin x-\cos x
&=&\sqrt{a^2+b^2}\sin(x+α)\\
&=&\sqrt{2}\sin(x+α)\\\\\\
\cos α=\displaystyle \frac{1}{\sqrt{2}}\\\\
\sin α=\displaystyle \frac{-1}{\sqrt{2}}\\
\end{eqnarray}
より、\(-\displaystyle \frac{\pi}{2}<α<0\)なので、\(α=-\displaystyle \frac{\pi}{4}\)である。
以上より、
$$\sin x-\cos x=\sqrt{2}\sin \left(x-\displaystyle \frac{\pi}{4} \right)$$
である。
\(-1≦\sin x≦1\)なので、\(-\sqrt{2}≦y≦\sqrt{2}\)となる。
以上より、
\(x=-\displaystyle \frac{\pi}{4}\)のとき、最小値\(y=-\sqrt{2}\)
\(x=\displaystyle \frac{3\pi}{4}\)のとき、最大値\(y=\sqrt{2}\)
である。
三角関数の合成|最大値・最小値 まとめ
三角関数の合成を使った、最大値と最小値の求め方を解説してきました。
三角関数の合成とは、\(a\sin x+b\cos y\)の形を、\(\sin\)だけで表すことができる方法です。
また、三角関数の合成を使えば、複雑な式も最大値・最小値を求めることができるようになります!
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