三角比の\(\sin x\)(サイン), \(\cos x\)(コサイン), \(\tan x\)(タンジェント)は独立しているようで、相互関係があります。
三角比の相互関係の中で重要な公式が以下の3つです!
- \(\sin^2 θ+\cos^2 θ=1\)
- \(\tan θ=\displaystyle \frac{\sin θ}{\cos θ}\)
- \(\tan^2 θ+1=\displaystyle \frac{1}{\cos^2 θ}\)
今回はこの相互関係公式の証明と使い方を解説します。
これらの公式は三角比(三角関数)を求めるときには絶対に使う公式なので、しっかり理解しましょう!
3つの公式を覚える方法も用意していますよ!

三角比の相互関係が覚えられない。
なんで3つの式が成り立つか分からない。
証明もできるようになっておきたいな。
今回はそんな悩みにお答えしていきます!
この記事でわかること!
- 三角比の相互関係の式3つの証明
- 相互関係の公式の使い方
- 相互関係の公式の覚えられる!
よく使う特に重要な公式を選んだので、最後まで読んで理解してもらえたらと思います!
三角比の相互関係の公式を証明
最初に三角比の相互関係の式を証明していきたいと思います!
\(\sin^2 θ+\cos^2 θ=1\)の証明
三角比の相互関係は定理ではないので、証明ってほどでもないですが簡単なのでちゃちゃっとやっちゃいましょう!
このような三角形を基本に考えます。
すると、
$$\begin{align}
\sin^2 θ+\cos^2 θ&=\left(\frac{y}{r}\right)^2+\left(\frac{x}{r}\right)^2\\&=\frac{x^2+y^2}{r^2}\\&=\frac{r^2}{r^2}※\\&=1\end{align}$$
(※ピタゴラスの定理より\(x^2+y^2=r^2\))
簡単ですよね。
\(\tan θ=\frac{\sin θ}{\cos θ}\)の証明
こちらもこの三角形を使います。
$$\begin{align}\frac{\sin θ}{\cos θ}&=\frac{\frac{y}{r}}{\frac{x}{r}}
\\&=\frac{y}{x}
\\&=\tan θ \end{align}$$
これで証明完了です!
\(\tan^2 θ+1=\frac{1}{\cos^2 θ}\)の証明
これは上の2つの式を使えばすごく簡単です。
三角比相互関係の公式(再掲)$$\sin^2 θ+\cos^2 θ=1・・・(1)$$
$$\tan θ=\frac{\sin θ}{\cos θ}・・・(2)$$
$$\begin{align}\tan^2 θ+1 &=\left( \frac{\sin θ}{\cos θ}\right)^2+\frac{\cos^2 θ}{\cos^2 θ}
\\&=\frac{\sin^2 θ+\cos^2 θ}{\cos^2 θ}
\\&=\frac{1}{\cos^2 θ}
\end{align}$$
まずは\(\tan x=\displaystyle \frac{\sin x}{\cos x}\)を使って変形しています。
また、\(\sin^2 x+\cos^2 x=1\)も使って証明できましたね。
相互関係の式の覚え方
絶対に覚えなければいけない公式なので、3ついっぺんに覚える方法です。
その方法は、流れで全て導けるようになる。
です。
相互関係を証明の流れで覚える順序

覚えるのは上の三角形の\(r=1\)バージョンだけです。
では証明を順序立ててやっていきます!
まず、\(\tan \theta=\displaystyle \frac{y}{x}\)です。
\(\sin \theta=\displaystyle \frac{y}{1}=y\)で\(\cos \theta=\displaystyle \frac{x}{1}=x\)なので、
$$\tan \theta=\displaystyle \frac{y}{x}=\displaystyle \frac{\sin \theta}{\cos \theta}$$
ここで、三平方の定理から、\(x^2+y^2=1\)であるから、
$$\sin^2 \theta+\cos^2 \theta=1$$
が導ける。
さらに、\(\sin^2 \theta+\cos^2 \theta=1\)の両辺に\(\displaystyle \frac{1}{\cos^2 \theta}\)を掛ける。
\begin{eqnarray} \displaystyle \frac{\sin^2 \theta}{\cos^2 \theta}+\displaystyle \frac{\cos^2 \theta}{\cos^2 \theta}&=&\displaystyle \frac{1}{\cos^2 \theta}\\
1+\tan^2 \theta&=& \displaystyle \frac{1}{\cos^2 \theta} \end{eqnarray}
これで3つの相互関係の公式を覚える(導ける)ようになりましたね!
相互関係公式の使い方
相互関係公式は様々な場面で使えますが、三角比のどれか1つから3つ全てを導くのが最も使う方法です!
- \(\sin^2 θ+\cos^2 θ=1\)
- \(\tan θ=\displaystyle \frac{\sin θ}{\cos θ}\)
- \(\tan^2 θ+1=\displaystyle \frac{1}{\cos^2 θ}\)
例えば\(\sin \theta\)が分かれば、(1)の式から\(\cos \theta\)が求まります。
そして\(\sin \theta\)と\(\cos \theta\)で(2)を使うと\(\tan \theta\)を導けます!
このように、1つの三角比から他を導くために使える公式です。

その他にも使い所はすごくすごく多いので、このページをブックマークしておいて、たまに見返すのがいいですよ!
三角比の相互関係まとめ
何度も言いますが、今回の3つの相互関係公式は使う場面がすごく多いです。
しかも、三角関数でもたくさん出てくるので、今のうちにしっかり理解しておきましょう!
三角比は3種類あるのですが、3つバラバラではなく、3つ揃って三角比という意識を持っておくと良いでしょう。
$$\sin^2 θ+\cos^2 θ=1・・・(1)$$
$$\tan θ=\frac{\sin θ}{\cos θ}・・・(2)$$
$$\tan^2 θ+1=\frac{1}{\cos^2 θ}・・・(3)$$
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