\(4+3=7\)など、繰り上がりのない計算は小学生でも指で数えることができます。
しかし、\(7+6=13\)など繰り上がりが出る計算は、指が足りなくなるため、計算するための道具が必要となってきます。
物を使って数えたり、図を書いて数えたりです。
その中の1つとして使われているのがさくらんぼ計算なのです。
この記事では、お子さんに「さくらんぼ計算が分からない」と質問された親御様に向けて、以下の内容を解説しました!
学生時代は数学が苦手だった方でも簡単に分かるように解説しましたので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
さくらんぼ計算って何?|\(10\)を作る計算方法
さくらんぼ計算は簡単に言うと「\(10\)を作る計算方法」です。
大人であれば暗算で計算できるようなレベルですが、計算を始めたばかりの子ども達にとっては、繰り上がりの計算は難しいです。
そこで繰り上がりを分かりやすく説明するために生まれたのがさくらんぼ計算というわけです。
例えば、\(7+6=13\)を使って解説していきましょう。

計算のステップとしては、
- \(7\)に何を足すと\(10\)になるだろうかと考えます。
- \(7+3=10\)だなと分かります。
- \(6\)を\(3+3\)に分けます。(\(①\))
- \(7+3=10\)を計算します。(\(②\))
- 最後に\(10+3\)として、\(13\)を求めます。(\(③\))
これがさくらんぼ計算の流れになります。
さくらんぼ計算は必要?|知っておいて損はない
こんなにややこしい計算が本当に必要なの?と考える親御さんは多くいらっしゃいます。
実際Twitterで「さくらんぼ計算」と調べると、
- 難しい
- 必要ない
- 暗算でできるのに
と言った声を確認できます。
私の見解ですが、さくらんぼ計算は知っておいて損はないです。
繰り上がりを教えるにはとても優秀な計算方法だからです。
図にすると分かりやすいかと思います。
さくらんぼ計算の優秀な点(メリット)
さくらんぼ計算の優秀な点は、\(10\)までの計算方法を駆使して解ける点です。
つまり、お子さんがこれまでに学んできた計算方法 \(+\) ちょっとの新しいことで計算できる点が優秀なのです。
\(7+6\)の場合だと、\(7+3=10\)、\(3+3=6\)、\(10+3=13\)の\(3\)つの足し算で計算できてしまいます。
\(10+3=13\)がちょっとの新しいことですね。
ちょっとの新しいことで、繰り上がりの足し算をできるようになるのは素晴らしいですよね。
さくらんぼ計算のデメリット
もちろん優秀な方法でも、デメリットはあります。
「お子さんにさくらんぼ計算が合わない可能性がある」ことです。
さくらんぼ計算はあくまで計算を習得する方法の1つであることを認識する必要があります。
他にも繰り上がりを勉強する方法はあるので、さくらんぼ計算が苦手な場合は他の方法を教えてあげましょう。
例えば、図のような教え方もありではないかと思います。

これはどの計算方法にも当てはまるデメリットなのですが、1つの方法に固執すると、算数が嫌いになる可能性があるので注意しておきましょう。
さくらんぼ計算のやり方
では、実際にさくらんぼ計算のやり方を、いくつかの例題を通して解説していきます。
足し算と引き算のやり方を紹介しますね。
お子さんと一緒に考えられる構成にしていますので、ご活用ください。
足し算
(1) \(5+9=\)
(2) \(7+4=\)
(3) \(9+8=\)
以上3問を解説していきます!
大人からすると計算の過程が非常にめんどくさく感じると思います。
しかし、これから学ぶ算数・数学の土台を作るのに重要な役割を果たしますのでご安心ください。
(1) \(5+9=\)
まずは、\(5\)に何を足したら\(10\)になるかを考えます。
\(5+5=10\)なので、\(5\)を足したら\(10\)になりますね。
なので、次は\(9\)を\(5\)と何かに分けます。
\(9=5+4\)もしくは、\(9-5=4\)と考えて、\(9\)を\(5\)と\(4\)に分けます。
すると、
$$5+9=5+5+4=10+4=14$$
と計算することができます。
以上より、
$$5+9=14$$
となります。
(2) \(7+4=\)
\(7\)に何を足したら\(10\)になるかを考えます。
\(7+3=10\)なので、\(3\)を足したら\(10\)になりますね。
なので、\(4\)を\(3\)と何かに分けます。
\(4=3+1\)もしくは、\(4-3=1\)と考えて、\(4\)を\(3\)と\(1\)に分けます。
すると、
$$7+4=7+3+1=10+1$$
と計算することができます。
以上より、
$$7+4=11$$
となります。
(3) \(9+8=\)
\(9\)に何を足したら\(10\)になるかを考えます。
\(9+1=10\)なので、\(1\)を足したら\(10\)になりますね。
なので、\(8\)を\(1\)と何かに分けます。
\(8=1+7\)もしくは、\(8-1=7\)と考えて、\(8\)を\(1\)と\(7\)に分けます。
すると、
$$9+8=9+1+7=10+7=17$$
と計算することができます。
以上より、
$$9+8=17$$
となります。
では、続いて引き算にいきましょう。
引き算
引き算も足し算と同様に例題を通して解説していきますね!
(1) \(12-5=\)
(2) \(14-3=\)
(3) \(18−7=\)
足し算とは違い、引く数を\(10\)と何かに分けてから計算を始めます。
(1) \(12-5=\)
まずは、\(12\)を\(10\)と何かに分けます。
\(12-2=10\)なので、\(10\)と\(2\)に分けることができます。
ここで、\(12-5=10+2-5\)と直します。
そして、\(10-5=5\)を先に計算します。
最後に\(5+2=7\)と計算できるわけです。
$$12-5=10+2-5=10-5+2=5+2=7$$
となります。
(2) \(14-3=\)
\(14\)を\(10\)と何かに分けます。
\(14-4=10\)なので、\(10\)と\(4\)に分けることができます。
\(14-3=10+4-3\)と直します。
そして、\(10-3=7\)を先に計算します。
最後に\(7+4=11\)と計算できるわけです。
$$14-3=10+4-3=10-3+4=7+4=11$$
となります。
(3) \(18-7=\)
\(18\)を\(10\)と何かに分けます。
\(18-8=10\)なので、\(10\)と\(8\)に分けることができます。
\(18-7=10+8-7\)と直します。
そして、\(10-7=3\)を先に計算します。
最後に\(3+8=11\)と計算できるわけです。
$$18-7=10+8-7=10-7+8=3+8=11$$
となります。
さくらんぼ計算の教え方
さくらんぼ計算の教え方ですが、\(10\)がひとつのまとまりであることを中心に教えてあげると、理解が早くなるお子さんが多い印象です。
10で桁が上がることをこの段階で理解していると、\(100\)、\(1000\)と位が上がったときの理解を手助けしてくれます。
「どうやったら\(10\)を作れるか考えてみようか〜」
といった具合に教えてあげるといいのではないでしょうか。
まとめ|さくらんぼ計算
最後にこの記事のまとめです。
繰り返しにはなりますが、
お気軽にコメントください! 質問でも、なんでもどうぞ!