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[数2]部分分数分解|3つの公式から分かるやり方|詳しい方法を解説!

部分分数分解

\(\displaystyle \frac{1}{(x+1)(x-2)}=-\displaystyle \frac{1}{3}\displaystyle \frac{1}{x+1}+\displaystyle \frac{1}{3}\displaystyle \frac{1}{x-2}\)

上記の式のように、分母が因数分解されている分数をいくつかの分数に分解することを部分分数分解と言います。

この部分分数分解について解説します!

部分分数分解は積分や数列で大活躍する方法なのでしっかり理解しておきましょう。

この記事を読むと・・・

  • 部分分数分解が何か分かる!
  • 部分分数分解のやり方が分かる!
  • 部分分数分解を簡単にできるようになる!!

練習問題も用意したので、最後まで読んでくださいー

目次

部分分数分解とは

部分分数分解とは、下記の式のように分数をいくつかの分数に分解することです。

$$\displaystyle \frac{1}{(x+1)(x-2)}=-\displaystyle \frac{1}{3}\displaystyle \frac{1}{x+1}+\displaystyle \frac{1}{3}\displaystyle \frac{1}{x-2}$$

この部分分数分解はただの式変形ではありません。

積分や数列では欠かせない式変形の技術となります。

是非とも身につけて置きたい計算方法ですね!

部分分数分解の公式3つ

部分分数分解は突き詰めればとても深い分野になります。

ですが、受験で使う部分に絞れば3つだけ式変形の型を覚えればOKです。

\begin{eqnarray}1&.&\ \displaystyle \frac{px+q}{(ax+b)(cx+d)} = \displaystyle \frac{A}{ax+b}+\displaystyle \frac{B}{cx+d} \\
2&.&\ \displaystyle \frac{px+q}{(ax+b)^2} = \displaystyle \frac{A}{ax+b}+\displaystyle \frac{B}{(ax+b)^2}\\
3&.&\displaystyle \frac{px^2+qx+r}{(ax+b)^2(cx+d)} = \displaystyle \frac{A}{ax+b}+\displaystyle \frac{B}{cx+d}+\displaystyle \frac{C}{(ax+b)^2}
\end{eqnarray}

この3つの部分分数分解の公式を解く方法として有名なのは係数比較法です。

3つそれぞれ例題を用意しましたので、係数比較法で解いてみましょう。

部分分数分解

では係数比較で解いていきます。

公式1|部分分数分解

例題1

以下の式を部分分数分解せよ。

$$\displaystyle \frac{1}{(x+1)(x-2)}$$

この式は先ほどの公式の1番になります。

では、解いていきましょう。

係数比較では、ひとまず分子を\(A\)や\(B\)と置いて、通分した後に各係数を比較していく方法になります。

一度見た方が早いですね!

解答1

\begin{eqnarray} \displaystyle \frac{1}{(x+1)(x-2)}&=&\displaystyle \frac{A}{x+1}+\displaystyle \frac{B}{x-2} \\
&=& \displaystyle \frac{A(x-2)+B(x+1)}{(x+1)(x-2)}\\
&=& \displaystyle \frac{(A+B)x+(-2A+B)}{(x+1)(x-2)} \end{eqnarray}

ここで与式と計算結果の分子を比較すると以下の式が成り立つ。

\begin{eqnarray} & &(A+B)x+(-2A+B)=1\\
&\rightarrow& A+B=0,\ -2A+B=1 \end{eqnarray}

$$∴\ A=-\displaystyle \frac{1}{3},\ B=\displaystyle \frac{1}{3}$$

以上より、

$$\displaystyle \frac{1}{(x+1)(x-2)}=-\displaystyle \frac{1}{3}\displaystyle \frac{1}{x+1}+\displaystyle \frac{1}{3}\displaystyle \frac{1}{x-2}$$

公式2|部分分数分解

例題2

以下の式を部分分数分解せよ。

$$\displaystyle \frac{2x+1}{(x-3)^2}$$

では2つ目の公式を例題を使って理解していきましょう。

公式1の場合は分子を2つに分ければOKでしたが、今度の分子は\((x-3)^2\)です。

2乗の場合は単純に分けるのではなく、\((x-3)^2\)と\(x-3\)に分ける必要があります。

実際に見ていきましょう。

解答2

\begin{eqnarray} \displaystyle \frac{2x+1}{(x-3)^2}&=&\displaystyle \frac{A}{(x-3)^2}+\displaystyle \frac{B}{x-3} \\
&=& \displaystyle \frac{A+Bx-3B}{(x-3)^2}\\
&=& \displaystyle \frac{(Bx+(A-3B)}{(x-3)^2} \end{eqnarray}

ここで与式と計算結果の分子を比較すると以下の式が成り立つ。

\begin{eqnarray} & &Bx+(A-3B)=2x+1\\
&\rightarrow& B=2,\ A-3B=1 \end{eqnarray}

$$∴\ A=7,\ B=2$$

以上より、

$$\displaystyle \frac{2x+1}{(x-3)^2}=\displaystyle \frac{7}{(x-3)^2}+\displaystyle \frac{2}{x-3}$$

公式3|部分分数分解

例題3

以下の式を部分分数分解せよ。

$$\displaystyle \frac{x^2+2x+6}{(x+2)(x-1)^2}$$

公式の3番目の例題になります。

この例題は公式1と公式2を組み合わせると比較的簡単に解くことができます。

解答3

\begin{eqnarray} \displaystyle \frac{x^2+2x+6}{(x+2)(x-1)^2}&=&\displaystyle \frac{A}{x+2}+\displaystyle \frac{B}{x-1}+\displaystyle \frac{C}{(x-1)^2} \\
&=& \displaystyle \frac{A(x-1)^2+B(x+2)(x-1)+C(x+2)}{(x+2)(x-1)^2}\\
\end{eqnarray}

ここで分子を整理すると以下の式となる。

$$(A+B)x^2+(-2A+B+C)x+(A-2B+2C)$$

与式と計算結果の分子を比較すると以下の式が成り立つ。

\begin{eqnarray} &A&+&B&&=&1\\
-2&A&+&B&+\ C&=&2\\
&A&-2&B&+2C&=&6 \end{eqnarray}

上記の連立方程式を解くと下記の解が得られる。

$$∴\ A=\displaystyle \frac{2}{3},\ B=\displaystyle \frac{1}{3},\ C=3$$

以上より、

$$\displaystyle \frac{x^2+2x+6}{(x+2)(x-1)^2}=\displaystyle \frac{2}{3}\displaystyle \frac{1}{x+2}+\displaystyle \frac{1}{3}\displaystyle \frac{1}{x-1}+\displaystyle \frac{3}{(x-1)^2}$$

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係数比較法のメリット・デメリット

係数比較法のメリットとデメリットは以下の通りだと考えています。

メリット:全ての部分分数分解は係数比較法で解ける

デメリット:計算量が多くてめんどくさい

そこで、少しテクニックは必要ですが、全ての部分分数分解に使えて、計算が少し楽になる方法があります。

代入法というのですが、詳しい解説は次の記事に譲りたいと思います。

まとめ|部分分数分解

部分分数分解の方法を解説してきました!

  • 部分分数分解の覚えるべき公式は3つ
  • 分母に2乗がある場合は1乗と2乗の分数に分ける
  • 係数比較法であればどんな部分分数分解でも解ける!

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