【恒等式とは?】方程式との違いと恒等式を使った問題の解き方!

数学では\(=\)で結ばれた式をとても高い頻度で使います。

この\(=\)で結ばれた式ですが、大きく2つに分けることができます。

それが今回のテーマの【恒等式】と【方程式】です。

今回は恒等式と方程式の違いや恒等式を使った問題の解き方を解説していきます!

この記事で分かること!

  • 恒等式と方程式の違い
  • 恒等式の問題の解き方
  • 係数比較法と数値代入法

恒等式と方程式の違い

恒等式:変数がどのような値でも成り立つ等式

方程式:変数が特定の値のときだけ成り立つ等式

恒等式はいつでも成り立つのに対して、方程式は変数が特定の値のときだけ成り立つという特徴があります。

文章だと難しいので実際の例を見ていきましょう。

恒等式の例

恒等式は〇〇の公式などに多いです。

恒等式の例

\((a+b)^2=a^2+2ab+b^2\)

\(\sin^2 a+\cos^2 a=1\)

\(a, b\)の値が\(1\)でも\(2\)でも何が入っても成立する等式が恒等式です。

展開公式や因数分解が良い例かもしれません。

方程式の例

一方で方程式は変数が特定の値のときだけ成立する等式です。

恒等式の例

\(3x-9=0\)

\(\sin a=1\)

上の式は\(x=3\)でしか成立しません。

下の式も\(a=\displaystyle \frac{\pi{}}{2}\)のときだけ成立しますね。

恒等式は公式などを示すことが多いのに対して、方程式は変数を求める(解く)意識が強い式になりますね。

恒等式を使った問題の解き方

ここからは、恒等式を使った問題の解き方を解説していきます。

問題を解く方法は大きく2つ紹介します。

  • 係数比較法
  • 数値代入法
例題

下記の等式が変数\(x\)の恒等式となるように定数\(a, b, c\)を求めよ。

$$3x^2+15x+20=a(x+2)(x+1)+b(x-3)+c(x+5)$$

解答:\(a=3,\ b=2,\ c=4\)

解説:係数比較法と数値代入法の説明と一緒に解説します!

では係数比較法から説明していきたいと思います。

係数比較法

係数比較法とは文字通り係数を比較して定数\(a, b, c\)を求める方法になります。

今回の場合、まず右辺を展開して、\(x^2\)の係数・\(x^1\)の係数・\(x^0\)の係数に分けます。

そして、それぞれの係数を比較することで、定数\(a, b, c\)を求めます。

では、例題の右辺を展開します。

例題(再掲)

下記の等式が変数\(x\)の恒等式となるように定数\(a, b, c\)を求めよ。

$$3x^2+15x+20=a(x+2)(x+1)+b(x-3)+c(x+5)$$

\begin{eqnarray} & &a(x+2)(x+1)+b(x-3)+c(x+5) \\
&=& a(x^2+3x+2)+bx-3b+cx+5c \\
&=& ax^2+(3a+b+c)x+(2a-3b+5c) \end{eqnarray}

展開結果を左辺と比較してみます。

$$3x^2+15x+20=ax^2+(3a+b+c)x+(2a-3b+5c)$$

\(x^2\)の係数・\(x^1\)の係数・\(x^0\)の係数で比較すると3つの式を導けます。

\begin{eqnarray} a &=& 3 \ \ (x^2の係数)\dots (1) \\
3a+b+c &=& 15 \ (x^1の係数)\dots (2)\\
2a-3b+5c &=& 20 \ (x^0の係数)\dots (3)\end{eqnarray}

あとはこれらの式を使って定数\(a, b, c\)を計算していきましょう!

\((1)\)式より,

\(a=3\ \dots\ (4)\)

\((4)\)を\((2),\ (3)\)に代入する。

\(b+c=6\ \dots\ (5)\)

\(-3b+5c=14\ \dots\ (6)\)

\(3\times(5)+(6)\)を計算する。

\(8c=32\)となるので、\(c=4\)

\(c=4\)と\((5)\)より、\(b=2\)

以上より、\(a=3,\ b=2,\ c=4\)

以上が係数比較法の使い方になります。

数値代入法

数値代入法は、\(x\)に計算し易い数値を代入して定数\(a, b, c\)を求める方法になります。

恒等式はどんな変数\(x\)でも成り立つ特徴を利用した方法です。

例題(再掲)

下記の等式が変数\(x\)の恒等式となるように定数\(a, b, c\)を求めよ。

$$3x^2+15x+20=a(x+2)(x+1)+b(x-3)+c(x+5)$$

例えば、\(x=3\)を代入すれば\(b\)の係数は\(0\)になるので計算しやすそうですよね。

このようなイメージで\(x\)を代入していき、出てきた数式の連立方程式を解きます。

今回は、\(x=-1,\ x=3,\ x=-5\)を代入して解いていきましょう。

\begin{eqnarray} a-4b+4c &=& 8\ \ (x=-1) \\
20a+8c &=& 92 \ (x=3)\\
12a-8b &=&20 \ (x=-5)\end{eqnarray}

この連立方程式を解くことで、\(a=3,\ b=2,\ c=4\)を求めることが可能です。

(今回は細かい計算は省略します。実際に解いてみてください!)

数値代入法の注意点

数値代入法には1点注意すべき点があります。

上記の方法では\(x=-1,\ x=3,\ x=-5\)のときに変数\(x\)の恒等式が成り立つことを示ただけです。

全ての\(x\)で成り立つことは示ていません。

そのため、\(a=3,\ b=2,\ c=4\)の時に全ての\(x\)で成り立つことを計算で示す必要があります。

係数比較法より一手間多いので気をつけて使用しましょう。

恒等式のまとめ

恒等式について解説してきました。

  • 恒等式は方程式と違い、変数がどんな値でも等式が成り立つ
  • 恒等式を解く方法は、係数比較法と数値代入法の2つある
  • 数値代入法は全ての\(x\)で成り立つことを示す必要あり

数値代入法は最後に一手間必要になります。

なので普段は係数比較法を使用して、計算がややこしい時は数値代入法を使用するといった使い分けが良いのではないでしょうか!

ここまでで分からない点がありましたら、
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