完全数は英語でPerfect Number(パーフェクトナンバー)と呼ばれる数字です。
一体どんな数字なの!?難しそう・・・
と思うかもしれませんが、一番身近な完全数は6です。
意外に単純な数字ですよね。
しかし、完全数は奥が深く非常に面白いテーマです。
あなたがこの記事を読んで、少しでも完全数に興味を持ってもらえたら嬉しいなと思って書きました。
ぜひ最後まで読んでみてください。
完全数とは

完全数とは、その数字自身を除く約数の和がその数字自身に等しい自然数
文字だとよくわかりませんよね。
それでは、6を例に考えてみましょう。
6の約数は1, 2, 3, 6の4つです。
完全数とは、『その数字自身を除く約数の和』が『その数字自身に等しい自然数』です。
今、『その数字自身』とは6のことです。
そこで、6以外の約数を足してみましょう。
$$1+2+3=6$$
6になりました。
つまり、『その数字自身を除く約数の和』が6であり、『その数字自身に等しい自然数』になりましたね。
これが、完全数です。
完全数は何個あるの?

完全数が何個あるのかは未だに解明されていません。
完全数が無数に存在するのか、それとも100個しかない!など、その個数が決まっているのか、世界中の優秀な数学者でも解けていない問題です。
2022年時点で発見されている完全数の数は51個です。
完全数の一覧(小さい方から10個)
小さい方から10個だけ紹介します。
- 6
- 28
- 496
- 8128
- 33550336
- 8589869056
- 137438691328
- 2305843008139952128
- 2658455991569831744654692615953842176
- 191561942608236107294793378084303638130997321548169216
本当なら51個の完全数を紹介したいところですが、桁数が大きくなりすぎるため、10だけ紹介しました。
完全数の約数一覧
完全数の約数も紹介しておきます。
完全数の面白い特徴
完全数には興味深い特徴がいくつかあるので紹介します。
偶数は全て\(2^{n-1}\times (2^n-1)\)である
奇数の完全数が存在するかどうかは、未解決の問題で、あるのか無いのかわかっていません。
完全数が無数にあるのか、数が決まっているのか解決していないのと同じ状況です。
今まで見つかった完全数は全て偶数であり、偶数の完全数は全て\(2^{n-1}\times (2^n-1)\)で表すことができます。
$2^n-1$はメルセンヌ数と呼ばれており、$2^n-1$が素数となる場合は「メルセンヌ素数」と呼ばれています。
$2^n-1$が素数なら\(2^{n-1}\times (2^n-1)\)は完全数であり、その逆も成り立つことが知られています。
つまり、メルセンヌ素数と偶数の完全数は1対1で存在しているのです。
公式で計算してみる
\(2^{n-1}\times (2^n-1)\)に代入して計算してみましょう。
\begin{eqnarray} 6&:&\ n=2&\rightarrow&(2^1\times(2^2-1)\\
28&:&\ n=3&\rightarrow&(2^2\times(2^3-1)\\
496&:&\ n=5&\rightarrow&(2^4\times(2^5-1)\\
8128&:&\ n=7&\rightarrow&(2^6\times(2^7-1)\\
33550336&:&\ n=13&\rightarrow&(2^{12}\times(2^{13}-1)\ \end{eqnarray}
といった計算ができます。
完全数は自然数の和である
2つ目の特徴は、完全数は自然数の和で表されることです。
いくつか確認してみましょう。
- $6\ (=1+2+3)$
- $28\ (=1+2+3+4+5+6+7)$
- $496\ (=1+2+\cdots+30+31)$
- $8128\ (=1+2+3+\cdots+127)$
- $33550336\ (=1+2+3\cdots+8191)$
時間があれば実際に計算してみましょう!
6以外の完全数の特徴2つ
完全数の中でも最初に出てくる6以外に共通している特徴も2つあります。
その2つを紹介しましょう。
- 完全数は奇数の立方和で表すことができる
- 完全数は4の倍数である
この2つです。
1つずつみていきましょう。
完全数は奇数の立法和で表すことができる(6以外)
- 28=13+33
- 496=13+33+53+73
- 8128=13+33+53+73+93+113+133+153
- 33550336=13+33+53+$\cdots$+1233+1253+1273
完全数は4の倍数である(6以外)
また、6以外の完全数は4の倍数になっています。
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