等比数列の和|公式と覚え方、証明など一挙に解説

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等比数列の和の公式

等比数列は初項にある数をかけ続ける数列です。

【例】

$$3,\ 3\times4,\ 3\times4^2,\ 3\times4^3,\cdots,\ 3\times4^{n}$$

数字で表すと上記のようになります。
上記の数列の場合、初項\(3\)で公比が\(4\)の等比数列です。

そして、等比数列の和の公式は下記で表されます。

初項\(a\), 公比\(r\), 項数\(n\)の等比数列の和は

\begin{eqnarray}
S_n=\begin{cases}
\displaystyle \frac{a(1-r^n)}{1-r}=\displaystyle \frac{a(r^n-1)}{r-1}\ \ &(r\neq 1)&\\
na&(r=1)&
\end{cases}\end{eqnarray}

等比数列の和は公比\(r\)によって使い分けされています。

\(r≠1\)か\(r=1\)かの使い分けです。

公式の覚え方と語呂合わせ

公式の語呂合わせは『井伊参る、英も参るn乗(いい まいる、えいも まいる n じょう)』です。

$$S_n=\displaystyle \frac{a(1-r^n)\{英も参るn乗\}}{1-r\{井伊参る\}}$$

語呂合わせを紹介しましたが、公式の覚え方は次に解説する等比数列の和の証明を覚える方法もあります。
証明のやり方を覚えてしまえば、パッと導くことができるからです。

好きな方を使ってください!

等比数列の和を証明

では、等比数列の和を証明していきましょう。
等比数列の和は公比\(r\)によって使い分けが必要です。

\begin{eqnarray}
S_n=\begin{cases}
\displaystyle \frac{a(1-r^n)}{1-r}=\displaystyle \frac{a(r^n-1)}{r-1}\ \ &(r\neq 1)&\\
na&(r=1)&
\end{cases}\end{eqnarray}

r=1のとき

初項\(a\), 公比\(1\)の等比数列の初項から第\(n\)項までの和を\(S_n\)とすると、下記のように書くことができる。

$$S_n=a+a+a\cdots a+a=na$$

r≠1のとき

初項\(a\), 公比\(r\), 項数\(n\)の等比数列の和を\(S_n\)とすると、下記のように書くことができる。

$$S_n=a+ar+ar^2+ar^3\cdots ar^{n-2}+ar^{n-1}\cdots①$$

ここで①式の両辺を\(r\)倍する。

$$rS_n=ar+ar^2+ar^3+ar^4\cdots ar^{n-2}+ar^{n-1}+ar^n\cdots②$$

\(①-②\)より、下記のように計算できる

\begin{eqnarray}
S_n&=&a+ar+ar^2+ar^3\cdots ar^{n-2}+ar^{n-1}\\
-rS_n&=&\ \ \ \ -ar-ar^2-ar^3\cdots ar^{n-2}-ar^{n-1}-ar^n)\\
(1-r)S_n&=&a-ar^{n}\\
S_n&=&\displaystyle \frac{a(1-r^n)}{1-r}
\end{eqnarray}

以上より、初項\(a\), 公比\(r=1\), 項数\(n\)の等比数列の和は

\begin{eqnarray}
S_n=\begin{cases}
\displaystyle \frac{a(1-r^n)}{1-r}=\displaystyle \frac{a(r^n-1)}{r-1}\ \ &(r\neq 1)&\\
na&(r=1)&
\end{cases}\end{eqnarray}

n-1項までの和がn乗になる理由

質問で、「等比数列の和ですが、初項から\(n-1\)項までの和なのに、公式で\(r^n\)が出てくるのはなんでですか?」と聞かれます。

答えは証明を見ればわかりますね。

\(S_n\)と\(rS_n\)差を計算しているから、第\(n-1\)項までの計算なのに\(r^n\)が出てくるのですね。

シグマ (Σ)を使った等比数列の和

では、シグマを使った等比数列の和について考えてみましょう。

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n ar^{k-1}\)

この式の意味は、『\(k\)に\(1〜n\)までを代入したときの和』です。

\begin{eqnarray}
k=1\rightarrow ar^0=a\\
k=2\rightarrow ar^{2-1}=ar\\
k=3\rightarrow ar^{3-1}=ar^2\\
\cdots\\
k=n-1 \rightarrow ar^{(n-1)-1}=ar^{n-2}\\
k=n\rightarrow ar^{n-1}\\
\end{eqnarray}

といった感じに計算できますよね。
これらを全て足しますよ!っていうのがシグマの式の意味です。
\(\displaystyle \sum_{k=1}^n ar^{k-1}\)

つまり、等比数列の和ってことですね。

シグマを使った等比数列の和の求め方

じゃあどうやって、シグマの式から等比数列の和を求めるの?って疑問が出てきます。

答えは、シグマの式から初項\(a\)と公比\(r\)と項数\(n\)をもとめて、
等比数列の和の公式に代入しましょう!が答えになります。

例えば、下記の式ならどうでしょう。

$$\displaystyle \sum_{k=1}^8 5\times 2^{k+1}$$

初項、公比、項数の順番で求めてみましょう。

初項

初項は最初の項なので、\(k=1\)のときの値です。
よって\(5\times 2{1+1}=5\times2^2=20\)となり、\(a=20\)です。

公比

次に公比を求めましょう。
\begin{eqnarray}
k=1\rightarrow 5\times2^2=20\\
k=2\rightarrow 5\times2^3=40\\
k=3\rightarrow 5\times2^4=80\\
\cdots
\end{eqnarray}

上記の通り\(\times2\)になっているのがわかります。
つまり、公比は\(r=2\)です。

項数

最後に項数を考えます。

問題は\(\displaystyle \sum_{k=1}^8 5\times 2^{k+1}\)です。

シグマ(\displaystyle \sum_{k=1}^8 )の部分の意味は、\(k=1\)から\(k=2\), \(k=3\)と1ずつ増やしていって\(8\)まで増やすよ。そして全部を足すよ。という意味です。

なので項数は\(1\)から\(8\)なので、\(n=8\)となります。


以上をまとめると、
初項\(a=20\), 公比\(r=2\), 項数\(n=8\)です。
公比は\(r≠1\)なので、下記の式に代入します。

\(S_n=\displaystyle \frac{a(1-r^n)}{1-r}\)

代入して計算すると、

\begin{eqnarray}
S_n&=&\displaystyle \frac{20(1-2^8)}{1-2}\\
&=&\displaystyle \frac{20(1-256)}{-1}\\
&=&20\times255\\
&=&5100
\end{eqnarray}

以上より、
\(\displaystyle \sum_{k=1}^8 5\times 2^{k+1}=5100\)

k=0の場合

シグマ(\(\displaystyle \sum_{k=1}^n\))に関して、1点注意すべきことがあります。
\(k=0\)から始まることがある点です。

例えばさっきの問題が、下記のように\(k=0\)から始まっていたとしましょう。

$$\displaystyle \sum_{k=0}^8 5\times 2^{k+1}$$

解き方は2通りあります。

  1. 初項、公比、項数を求めて代入する
  2. \(k=0\)の値と\(\displaystyle \sum_{k=1}^8 5\times 2^{k+1}\)の値を足す

1つずつみていきましょう。

初項、公比、項数を求める

まずは、最も一般的な解き方の初項、公比、項数を求める方法をみていきます。

初項は\(k=0\)なので\(5\times 2^1=10\)
公比は\(r=2\)
項数は\(0から8\)なので、\(n=9\)

等比数列の和の公式に代入して計算すると、

\begin{eqnarray}
S_n&=&\displaystyle \frac{10(1-2^9)}{1-2}\\
&=&\displaystyle \frac{10(1-512)}{-1}\\
&=&10\times511\\
&=&5110
\end{eqnarray}

となります。

\(k=0\)の値を足す

次に\(k=0\)を足す方法をみていきましょう。
もし\(\displaystyle \sum_{k=1}^8 5\times 2^{k+1}\)の値がわかっていれば、こちらの方法が簡単です。

シグマの性質より、下記の式変形が成り立ちます。

$$\displaystyle \sum_{k=0}^8 5\times 2^{k+1}=5\times 2^{0+1}+\displaystyle \sum_{k=1}^8 5\times 2^{k+1}$$

つまり、\(\displaystyle \sum_{k=0}^8 5\times 2^{k+1}\)に\(5\times 2=10\)を足せば答えが出るのです。

\(\displaystyle \sum_{k=1}^8 5\times 2^{k+1}=5100\)は先に解説しているため、求まっています。
これに\(10\)を足せば\(5110\)と簡単に求められます。

この公式が使える場面

この公式が使える場面は、例えば以下のような場合です。

【問題】次の値を求めよ

(1) \(\displaystyle \sum_{k=1}^8 5\times 2^{k+1}\)
(2) \(\displaystyle \sum_{k=0}^8 5\times 2^{k+1}\)

この場合だと(2)は計算しなくてもOKです。
(1)で求めた値に、\(k=0\)のときの値(\(5\times 2^{0+1}=10\))を足せば求められるのです。

無限の等比数列の和

無限の等比数列の和を解説していきます。
シグマで書くと下記のような式になります。

$$\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} a r^{k-1}=a+ar+ar^2+\cdots$$

この和を求めるには等比数列の和の公式が使えます。
しかし、初項\(a\)と公比\(r\)がわかっても、項数\(n=\infty\)となって計算ができません。
そこで\(\displaystyle\lim_{n\to\infty}\)を使って表現します。

\begin{eqnarray}
&&\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} a r^{k-1}\\
&=&\displaystyle\lim_{n\to\infty}S_n\\
&=&\displaystyle\lim_{n\to\infty}\displaystyle \frac{a(1-r^n)}{1-r}
\end{eqnarray}

ここで、\(\displaystyle\lim_{n\to\infty}r^n\)がポイントになります。
結論を言うと\(-1<r<1\)の範囲に\(r\)があれば、
\(\displaystyle\lim_{n\to\infty}r^n = 0\)になります。

例えば\(r=0.5\)なら、

\begin{eqnarray}
n=1&\rightarrow& r^1=0.5\\
n=2&\rightarrow& r^2=0.25\\
n=3&\rightarrow& r^3=0.125\\
\cdots
\end{eqnarray}

となって最終的には\(\displaystyle\lim_{n\to\infty}r^n = 0\)となるからです。
これは\(r\)の絶対値が\(1\)未満の場合(\(-1<r<1\)の範囲に\(r\)がある場合)のみです。

\(r\)の絶対値が\(1\)以上になると、\(\displaystyle\lim_{n\to\infty}r^n\)は無限に発散してしまいます。

以上より、無限等比数列の和は下記のようにまとめることができます。

\begin{eqnarray}
\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} ar^{k-1}=\displaystyle\lim_{n\to\infty}\displaystyle \frac{a(1-r^n)}{1-r}=
\begin{cases}\displaystyle \frac{a(1-0)}{1-r}= \displaystyle \frac{a}{1-r}\ (|r|<1)\\
\infty\ (|r|>1)
\end{cases}
\end{eqnarray}

公比が分数の等比数列の和

最後に公比\(r\)が分数の場合はどうなるか解説して終わりたいと思います。
結論を言うと、公比\(r\)が分数でもやることは変わりません。

例えば、初項\(a=2\)、公比\(r=\displaystyle \frac{1}{3}\)、項数\(n=5\)だったとします。
等比数列の和の公式より、

\begin{eqnarray}
S_n&=&\displaystyle \frac{a(1-r^n)}{1-r}\\\\
&=&\displaystyle \frac{2\left( 1-\left( \displaystyle \frac{1}{3}\right)^5\right)}{1-\displaystyle \frac{1}{3}}\\
&=&\displaystyle \frac{2\left(1-\displaystyle \frac{1}{243} \right)}{\displaystyle \frac{2}{3}}\\
&=&\displaystyle \frac{2\left(\displaystyle \frac{242}{243} \right)}{\displaystyle \frac{2}{3}}\\
&=&\displaystyle \frac{2\times242\times3}{243\times2}\\
&=&\displaystyle \frac{242}{81}
\end{eqnarray}

と計算できます。
計算自体はややこしくなりますが、やることは同じです!


等比数列の和の解説は以上です!

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