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[中1]正負の数の四則計算|加法、減法、乗法、除法|問題の解き方

今回のテーマは『正負の数』です。

解説する内容!
  • 正負の数とは
  • 正負の数の加法・減法
  • 正負の数の乗法・除法
  • 素数と素因数分解

中学数学で最初に登場する正負の数。最初に出てくるだけあって、とっても重要です。正負の数とは何か?どうやって計算するかに重点を置いて解説しました!

最初は数学の定義ばかりでつまらないかもしれませんが、わかりやすく解説しています。ぜひ最後まで読んでください!

目次

正負の数とは

正負の数とは、『\(0\)より大きい数を正の数、\(0\)より小さい数を負の数』とする数の表し方です。

正の数には正の符号として\(+\)を付けて表すことがあります。

ですが、数学を進めていくと、実際にはあまり付けないケースの方が多いです

(正負の数を学んでいる間だけつける、くらいに考えていてもいいですね!)

負の数には負の符号として\(-\)を付けます。

こちらは基本的には絶対付けると考えていてOKです!

自然数とは

正負の数と同時に習うのが自然数です。

自然数とは『正の整数』のことです。

\(1\)以上の整数のことで、\(0\)は自然数には含まれません。

数直線での正負の数

数直線上では\(0\)を起点として、右側が正の方向、左側が負の方向になります。

ちなみに\(0\)の点は原点と呼びます。

数直線上では、右に行くほど数が大きいです。

\(-9\)より\(2\)の方が大きいってことです。\(2>-9\)と表しますね。

絶対値

負の数が登場することで、絶対値という考え方も出てきます。

絶対値とは数直線上で、\(0\)からの距離のことです。

\(-9\)なら\(9\)、\(+5\)なら\(5\)といった具合です。

絶対値については詳しい記事を準備しているので、よかったらご参照ください。

数学のトムラボ
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また、正の数・負の数の具体例が知りたいときは、こちらも参考になると思います!

正負の数|加法と減法

ここからは計算の話になります!

まずは足し算と引き算ですが、算数の足し算・引き算と大きくは変わらないので肩の力を抜いていきましょう。

加法

問題を解きながら慣れていきましょう!

【問題】

気温が\(-4℃\)から\(8℃\)上がりました。気温は何度になるでしょう。

\(-4℃\)から\(8℃\)気温が上昇した時の温度を聞かれた問題です。

では数直線を使って考えてみましょう。

数直線
数直線

最初は\(-4℃\)なので、\(-4\)に印を付けます。

そこから\(8℃\)気温が上昇したので右に\(8\)個、印を動かしてみます。

数直線を使った計算
数直線を使った計算

これで、\(-4℃\)から\(8℃\)気温が上昇した時の温度は\(+4℃\)だと分かりました。

この計算を数式で表してみましょう。

数式を使った負の数の計算

先ほどの問題をもう一度見てみます。

【問題】

\(-4℃\)から\(8℃\)上がると温度は何度になるでしょう。

『\(8℃\)上がる』とは温度が\(+8℃\)と考えることもできますね。

つまり、数式で表すと、

$$(-4℃)+(8℃)$$

とできます。

これを計算すると、\((-4+8=4\)となるわけです。

加法の計算の決まり

数学的に計算のルールを確認しましょう。

加法の計算の決まりは『足す数字の符号が同じなら、数字同士を足して元の符号をつける』です。

【例】

$$(-5)+(-4)=-9,\ (+5)+(+1)=+6$$

といった具合です。

一方で、『足す数字同士の符号が違う場合は、絶対値が大きい数から絶対値が小さい数を引いて、絶対値が大きい方の符号をつける』です。

【例】

$$(-5)+(+4)=-1,\ (-5)+(+3)=-2$$

文章で書くと難しく感じますが、計算自体は直感に従ってできるものです。

ルールも覚えなくて大丈夫ですよ!

減法

減法のルールは『ある数から、正の数もしくは負の数を引くことは、引く数の符号を変えて加えることである』と記載されています。

難しいので、例をみていきましょう。

図にあるよに、\((-5)-(-6)=+1\)となります。

減法の決まりで、引く数である\((-6)\)の符号を変えて(\(-\)から\(+\)に変わって)、ある数に\((-5)\)加えることに等しいので、\((-5)+(+6)\)と変形することになります。

よって答えが\(+1\)になります。

\(-\)と\(+\)が出会ったら\(-\)、\(-\)と\(-\)が出会ったら\(+\)になるのです。

加法と減法の問題

【問題】

(1) \((+4)+(+5)=\)

(2) \((-4)-(-6)=\)

(3) \((-9)-(+2)=\)

(4) \((-4)+(-6)=\)

(1)\(+9\)

【解説】加法で符号が同じなので、絶対値を足して\((+)\)をつける。

(2)\(+2\)

【解説】減法なので、引く数の\((-6)\)の符号を\((+6)\)に変えて加えます。
\((-4)+(+6)=+2\)となります。

(3)\(-11\)

【解説】減法なので、引く数の\((+2)\)の符号を\((-2)\)に変えて加えます。
\((-9)+(-2)=-11\)となります。

(4)\(-10\)

【解説】加法で符号が同じなので、絶対値を足して\((-)\)をつける。

わからない問題があったらコメント欄からお気軽にお問い合わせください!

加法と減法は『ただの足し算・引き算!』と割り切れれば難しくないですが、数学のルール通りに計算するとわからなくなる可能性があります。

数学のルールの部分をより詳細に解説した記事もあるので、こちらもご参照ください!

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正負の数|乗法と除法

次はかけ算とわり算、乗法と除法です!

乗法の計算方法

まずは乗法の計算方法から。

正負の数|乗法の計算手順
  1. 絶対値の積を計算する
  2. 符号を決める(2数のかけ算の場合)
    1. 同じ符号なら結果は\(+\)
    2. 違う符号なら結果は\(-\)
  3. 3つ以上の数の掛け算なら、負の数の数で符号を決める
    1. 負の数が偶数個なら\(+\)
    2. 負の数が奇数個なら\(-\)

文章で見ると少々ややこしいですね。

練習していきましょう!

【問題】

(1) \((-3)\times(+4)=\)
(2) \((+6)\times(+5)=\)
(3) \((-3)\times(+4)\times(-5)=\)

【解答】

(1). \(A.\ -12\)

【解説】
まずは絶対値の積を計算します。\(3\times4=12\)
次に符号を決めます。2数のかけ算で、\(-\)と\(+\)で符号が違うため符号は\(-\)です。
以上より\((-3)\times(+4)=-12\)となります。

(2). \(A.\ +30\)

【解説】
まずは絶対値の積を計算します。\(6\times5=30\)
次に符号を決めます。2数のかけ算で、\(+\)と\(+\)で符号が同じため符号は\(+\)です。
以上より\((+6)\times(+5)=+30\)となります。

(3). \(A.\ +60\)

【解説】
まずは絶対値の積を計算します。\(3\times4\times5=60\)
次に符号を決めます。3数のかけ算で、\(-\)が偶数個(2個)あるため符号は\(+\)です。
以上より\((-3)\times(+4)\times(-5)=+60\)となります。

除法の計算

次は除法の計算です。

除法の計算での符号の考え方は、以下の通り乗法と同じです。

除法の符号の考え方
  • 2数の計算の場合
    • 同じ符号なら結果は\(+\)
    • 違う符号なら結果は\(-\)
  • 3数以上の計算の場合
    • \(-\)が偶数個なら結果は\(+\)
    • \(-\)が奇数個なら結果は\(-\)

『2数なら』『3数以上なら』と場合分けしていますが、要するに負の符号が奇数個なら\(-\)で偶数個なら\(+\)になります!

除法を計算するときは、逆数の乗法として計算するのが簡単でおすすめです。

\(\div(-6)\)なら\(\times\left( -\displaystyle \frac{1}{6}\right)\)とするイメージです。

これであれば、乗法の計算方法をそのまま使えますし、乗法・除法が混ざった計算でも迷うことはなくなります!

問題を通して理解していきましょう!

【問題】

(1) \((-6)\div(-4)=\)
(2) \((+24)\div(+8)\times(-4)=\)
(3) \((-12)\div(+9)\times(-6)\div\left(+\displaystyle \frac{8}{3} \right)=\)

【解答と解説】

(1) \(A. +\displaystyle \frac{3}{2}\)

【解説】
まず\(\div(-4)\)を\(\times\left( -\displaystyle \frac{1}{4}\right)\)に直します。
次に絶対値で計算します。
\(6\div4=6\times \displaystyle \frac{1}{4}=\displaystyle \frac{6}{4}=\displaystyle \frac{3}{2}\)
最後に符号を決めます。\((-)\)の数は偶数個なので結果は\((+)\)
以上より、\((-6)\div(-4)=+\displaystyle \frac{3}{2}\)

(2) \(A. -12\)

【解説】
まず\(\div(+8)\)を逆数の乗法にして絶対値で計算します。
\(24\div8\times4=24\times \displaystyle \frac{1}{8}\times4=12\)
最後に符号を決めます。\((-)\)の数は奇数個なので結果は \((-)\)
以上より、\((+24)\div(+8)\times(-4)=-12\)

(3) \(A. +3\)

【解説】
まず除法を逆数の乗法にして絶対値で計算します。
\(12\times\displaystyle \frac{1}{9}\times6\times\displaystyle \frac{3}{8}=3\)
最後に符号を決めます。\((-)\)の数は偶数個なので結果は\((+)\)
以上より、\((-12)\div(+9)\times(-6)\div\left(+\displaystyle \frac{8}{3} \right)=+3\)

乗法・除法のもう少し詳しい解説や、ここにはない累乗の解説はこちらの記事をご参照ください。

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分配法則

乗法と除法がわかったら、分配法則が出てきます。

分配法則とは、

$$a\times(b+c)=a\times b+a\times c$$

上記の式のようにかっこを外して分解できる計算方法です。

分配法則はとても重要なため、あえて別記事としました。

この記事を読み終わったら、読んでみてください!分配法則の全てを詰め込んだ記事のため、学年が上がっても使える知識になりますよ!

\ おすすめの参考書! /

素数と素因数分解

最後は素数と素因数分解です。
中学3年生で習う因数分解の基礎的な計算が素因数分解だと思っておきましょう!

素数とは

素数とは、『\(1\)とその数以外に約数がない自然数のこと』です。

\(2,\ 3,\ 5,\ 7,\ 11\)などが素数です。

ポイントは\(1\)は素数ではないことです。

素因数分解とは

素数である約数を素因数と言います。

そして、自然数を素因数の積で表すことを素因数分解と言います。

例えば\(56\)を考えてみましょう。

\begin{eqnarray} 56 &=& 7\times8 \\
&=& 7\times(2\times2\times2 )\\
&=&2^3\times7 \end{eqnarray}

\(56\)は\(2\)が3つと\(7\)が1つの積だとわかりました。

ポイント!累乗の指数とは

\(2\times2\times2\)のように、同じ数の積を書くとき、\(2^3\)と表記することができる。

【例】
\(3\times3=3^2\)
\(5\times5\times5\times5\times5=5^5\)

このように、自然数をこれ以上分解できない素数で表すことを素因数分解と言います!

今回は以上です!

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