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[数B]ベクトルの足し算、成分、絶対値、交換法則、結合法則を解説

この記事ではベクトルの足し算について解説します。

ベクトルの世界には足し算、引き算、掛け算があり、通常の四則演算とは多少異なる点があります。
足し算と引き算については通常の四則演算とそこまで違いはありません。

本記事でベクトルの足し算を式と図を用いて説明しますのでより深く理解できます。
ベクトルという分野は苦手にする方が多いのでぜひここで理解してライバルに差をつけましょう!

※参考記事
[数B]ベクトルの引き算、成分、絶対値、交換法則、結合法則を解説

目次

ベクトルの足し算

ベクトルの足し算とは「2つのベクトルを合わせて新たなベクトルを作る事」です。
足し算と言えば「2+3=5」のように「数を足す」事を表しますが、ベクトルの足し算の場合は「2つのベクトルを組み合わせて新たなベクトルを作る」事を表します。

例えば「右に3歩、前に2歩進む」後に「右に4歩、前に1歩進む」事を考えてみましょう。
その場合、右には「3+4=7歩」、前には「4+1=5歩」進んでいるので「右に7歩、前に5歩進む」事と同じ意味になります。

このようにベクトルの足し算とは「2つの進み方を1つにまとめる」事なのです。
$\vec{a}$と$\vec{b}$の足し算を図で表現すると下記のようになります。

ベクトルの足し算
ベクトルの足し算

図で考える場合は図1のように「ベクトルの始点と終点を合わせてできた道筋の始点と終点を結んだ矢印」がベクトルの足し算結果になります。

ベクトルの足し算を成分で計算

実際にベクトルの足し算を行う場合、計算式は下記になります。

$\vec{r_{1}}=(x_{1},y_{1})$と$\vec{r_{2}}=(x_{2},\ y_{2})$を足した場合を考えてみます。
$\vec{r_{1}}+\vec{r_{2}}=(x_{1}+x_{2},\ y_{1}+y_{2})$

ベクトルの足し算はx成分同士、y成分同士を足すことで求められます。

ちなみに今回はベクトルの成分がx、yのみの2次元空間の計算式を記載しましたが、ベクトルの成分が3、4、5…と増えても同じ成分を足す事でベクトルの和を求める事が出来ます。

※参考記事
[数B]ベクトルの成分表示とは?大きさと計算、書き方、内積を解説

ベクトルの足し算の性質

ベクトルの足し算の性質として4つ覚えたい性質があります。

  1. 結合法則
    ベクトルの足し算は順番を入れ替えても答えは同じになります。
    $\vec{a}+\vec{b}=\vec{b}+\vec{a}$
  2. 結合法則
    ベクトルの足し算はどの順番で足しても答えは同じです。
    $(\vec{a}+\vec{b})+\vec{c}=\vec{a}+(\vec{b}+\vec{c})$
  3. ゼロベクトル
    ベクトルにも数字の0と同じゼロベクトルがあります。
    数字の0と同じで足しても引いても、もとのベクトルは変わりません。
    $\vec{a}+\vec{0}=\vec{a}$
  4. 逆方向のベクトルの足し算
    あるベクトルと逆方向のベクトルを足すとゼロベクトルになります。
    $\vec{a}+\vec{-a}=\vec{0}$

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ベクトルの足し算|まとめ

今回はベクトルの足し算について解説しました。
ポイントは下記3つです。

  1. ベクトルの足し算は「2つのベクトルを組み合わせて新たなベクトルを作る」こと。
  2. ベクトルの同成分を足すことでベクトルの和は求められる。
  3. 結合法則、交換法則、ゼロベクトル、逆方向のベクトル和はゼロベクトルになる、といった実数の四則計算と同じ性質を持つ。

余談ですが、ベクトルの掛け算については通常の四則演算とは異なる点があります。
ベクトルには掛け算が内積と外積の2種類あり、内積は交換法則が成り立ちますが外積は交換法則が成り立ちません。

つまりベクトルには入れ替えてはいけない掛け算があるのです。
高校数学で外積を使うことはありませんが、深く学んでいくと「一般的には成立するものが成立しない分野」に出くわします。

今回のベクトルではその1つとしてとらえるととより深い学びが得られるかもしれません。

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