逆数とは、「その数に掛け合わせると1になる数」であり、数学(算数)や物理(理科)で度々使用されます。
いくつか逆数を紹介します。
$$\displaystyle \frac{2}{5}\rightarrow\displaystyle \frac{5}{2}$$
$$0.3\rightarrow\displaystyle \frac{10}{3}$$
$$4\rightarrow\displaystyle \frac{1}{4}$$
これらが逆数になります。
今回は、逆数をどうやって求めるのか、逆数は何に使われるのか、について8つの例題を通して解説していきたいと思います!
逆数とは|掛けると1になる数
逆数とは、「その数に掛け合わせると1になる数」と定義されています。
文字で見ると分かりにくいので1つ例を挙げましょう。
\(\displaystyle \frac{3}{8}\)の逆数を求めよ。
この場合だと、\(\displaystyle \frac{3}{8}\)に何を掛けると\(1\)になるかを考えればOKです。
答えは、\(\displaystyle \frac{8}{3}\)
\(\displaystyle \frac{3}{8}\times\displaystyle \frac{8}{3}=1\)になるからです。
それでは、分数の逆数を簡単に求める方法を解説していきます。
分数の逆数を計算する
分数の逆数を計算する方法はとっても簡単です!
分母と分子を入れ替えるだけ!
\(\displaystyle \frac{5}{12}\)の逆数を求めよ。
このとき、分母は\(12\)、分子は\(5\)なので、これらを入れ替えればOKです。
答え、\(\displaystyle \frac{12}{5}\)
今回は真分数で計算しましたが、仮分数でも同じ方法で逆数を求めることができます。
では、帯分数はどうでしょうか?
帯分数の逆数を計算する
帯分数の逆数は、最初に帯分数を仮分数に直す必要があり、計算にひと手間かかります。
\(3\displaystyle \frac{3}{5}\)の逆数を求めよ。
まずは帯分数を仮分数に直します。
$$3\displaystyle \frac{3}{5}=\displaystyle \frac{18}{5}$$
変換した仮分数の分母と分子を入れ替えると、逆数となります。
答え、\(\displaystyle \frac{5}{18}\)
やっていることは同じなので、難しくないと思います。
小数の逆数を計算する
次に小数の逆数を計算します。
小数の逆数を求めるには、小数を分数に直す必要があります。
\(0.4\)の逆数を求めよ。
まずは小数を分数に直します。
$$0.4=\displaystyle \frac{4}{10}=\displaystyle \frac{2}{5}$$
\(0.4=\displaystyle \frac{2}{5}\)が分かったので、分母と分子を入れ替えると逆数となります。
答え、\(\displaystyle \frac{5}{2}\)
小数を分数に直す工程以外は同じですね!
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整数の逆数を計算する
分数、小数と来て、最後に整数の逆数を計算します。
小数は分数に変換することで、逆数を求めました。一方で整数は、分数に見立てて逆数を求めます。
\(3\)の逆数を求めよ。
整数は分数として見ると、分母に\(1\)があると見ることもできます。
$$3=\displaystyle \frac{3}{1}$$
と言った具合です。この\(\displaystyle \frac{3}{1}\)の分母と分子を入れ替えることで、逆数となります。
答え、\(\displaystyle \frac{1}{3}\)
とても簡単ですね。
ただし、整数の中でも少し注意すべき数が2つありますので、解説していきます。
1と0の逆数を計算する
最後に整数の中でも特殊な\(1\)と\(0\)について考えます。
まずは\(1\)から。
\(1\)の逆数を求めよ。
例題5のときと同様に\(1\)を分数に見立てます。
$$1=\displaystyle \frac{1}{1}$$
ここで、\(\displaystyle \frac{1}{1}\)の分母と分子を入れ替えても、\(\displaystyle \frac{1}{1}\)ですね。
また、\(\displaystyle \frac{1}{1}=1\)なので、
答え、\(1\)
次に、\(0\)の逆数を考えます。
\(0\)の逆数を求めよ。
先に答えを言うと、\(0\)の逆数は存在しません。
逆数とは、「その数に掛け合わせると1になる数」と定義されています。しかし、\(0\)には何を掛けても\(0\)になるので、逆数が存在しないのです。
一応、分母と分子を入れ替えた計算をやってみましょう。
整数を一旦、分数であると見立てます。
$$0=\displaystyle \frac{0}{1}$$
そして、分母と分子を入れ替えると、
$$\displaystyle \frac{1}{0}$$
となります。しかし、数学(算数)において、分母に\(0\)が来ることは禁止されています。
よって、\(0\)の逆数は存在しないと言えるのです。
\(0\)の逆数が無いことに関するより詳しい解説は下記をご覧ください。
逆数はいつ使われるのか
ここまで逆数を求めましたが、では逆数が何の役に立つのか・・・
これについて簡単に説明します。一番役に立つのは方程式かなと個人的には考えています。
\(\displaystyle \frac{2}{3}\times □=4\)のとき、\(□\)に入る数を答えよ。
例題8の場合、\(□\)に入る数字は何かな・・・と考えるより、
\(\displaystyle \frac{2}{3}\)の逆数は何かな・・・と考える方が早いです。
\(\displaystyle \frac{2}{3}\)の逆数は\(\displaystyle \frac{3}{2}\)であることを利用します。
\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{2}{3}\times □ &=& 4\\
\frac{2}{3}\times □\times\displaystyle \frac{3}{2} &=& 4\times\displaystyle \frac{3}{2}\\
1\times□ &=& 6\\
□ &=& 6\\
\end{eqnarray}
この様にいらない数(計算上少し邪魔な数)を\(1\)として消すことができるので、逆数はとても役に立つ計算技術です。
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