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[数1]恒等式とは?解き方を解説、係数比較法と数値代入法

恒等式とはどんな式なのか、そして恒等式の問題の解き方を「係数比較法」と「数値代入法」という2つの方法を使って解説します。

目次

恒等式とは?

恒等式とは、式に含まれている文字にどんな値を代入しても成り立つ等式のことです。
例えば、① にx=1を代入すると左辺=9、右辺=9となり等式が成り立ちます。

①はx=1だけでなくx=2,3,4,・・・どんな値を代入しても必ず左辺=右辺の等式が成り立ちます。
このように恒(つね)に左辺と右辺が等しくなる式を恒等式といいます。

展開の公式や、因数分解の公式はすべて恒等式です。

※参考記事
[数1]展開公式|高校数学、公式一覧、3つ、4つ、三乗を紹介

[数1]因数分解とは?公式やたすきがけなど、5つのやり方を解説

恒等式の性質

恒等式には次の性質があります。

②がxについての恒等式である⇔a=A,b=B,c=C

特に、③がxについての恒等式である ⇔a=b=c=0 (右辺=$0x^2+0x+0$と考えます。)

つまり項の次数が同じであればそれぞれの係数は等しくなるということです。

※参考記事
[中1]項とは?数学での意味、項と係数の関係求め方をわかりやすく解説

[中1]係数とは?係数と次数の関係、係数の意味と求め方を簡単に解説

恒等式の解き方

恒等式の解き方には、係数比較法と数値代入法の2つの方法があります。

係数比較法とは、恒等式の「左辺と右辺の項の次数が同じ係数は等しい」という恒等式の性質を使い、左辺と右辺の係数を比較して解く方法です。

数値代入法とは、「恒等式のxなどの変数にどんな数値を代入しても左辺=右辺の等式が成り立つ」という性質を使い解く方法です。

下記の例題を「係数比較法」と「数値代入法」の2通りの解き方で解説します。

《例題》等式⑤がxについての恒等式であるとき、定数a,b,cの値を求めよ。

係数比較法

1.右辺を展開して降べきの順に並べます。

2.左辺、右辺のそれぞれの項の係数を比較し、式を作ります。
同じ次数の項の係数は等しいので

3.(1),(2),(3)の連立方程式を解きます。
(1)よりa=2 を(2)に代入して、$b+c=0……(4)$
a=2,を(3)に代入して$-b+3c=4……(5)$
(4),(5)より$b=-1,c=1$
よって$a=2,b=-1,c=1$ 

係数比較法の解き方は以上です。

数値代入法

1.xに任意の数を代入します。
x=1を代入→4=4c……(1)
x=-3を代入→4=-4b……(2)
x=0を代入→-2=-3a-b+3c……(3)
※変数a,b,cのいずれかが消える値を代入すると計算が楽になります。

2.(1),(2),(3)の連立方程式を解きます。
(1)よりc=1,(2)よりb=-1
b,cの値を(3)に代入してa=2
これでa,b,cの値が求まりましたが、この段階ではx=1,-3,2のときだけ成り立つ値です。

3.求めたa,b,cの値のとき、xがどのような値であっても成り立つ恒等式であることを示します。
a=2,b=-1,c=1を元の式に代入し、左辺=右辺となればすべてのxにおいて等式が成り立ちます。

左辺=右辺となり確かに恒等式であることが示せました。
よって$a=2,b=-1,c=1$

数値代入法は恒等式であることを示す手順が必要になりますが、因数分解されているような式であれば計算が楽になります。2つの方法を覚えて使い分けられるようにしましょう。

恒等式のまとめ

恒等式について解説しました。
ポイントは下記の3つです。

  1. 恒等式とは変数にどのような値を代入しても恒(つね)に左辺=右辺が成り立つ等式です。
  2. 恒等式の解き方には、係数比較法と数値代入法の2つの方法があります。
  3. 係数比較法と数値代入法は問題によって使い分けられるようにしましょう。数値代入法では必ず最後に恒等式であることを示すのを忘れないでください。


いろいろなパターンの問題を解いて恒等式をしっかりマスターしてください。

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