【集中力】大幅アップの勉強タイマー

[数B]ベクトルの垂直、垂直条件、求め方、公式、証明を解説

今回は垂直なベクトルについて考えます。

垂直なベクトルは計算式だけ覚えると複雑なように見えますが、図で理解すると簡単になります。

図で理解する方法はこの記事でしっかり解説していますので、ぜひ自分で手を動かして理解してみましょう!

目次

垂直なベクトルとは?

垂直なベクトルとは「あるベクトルに対して成す角が90度となるベクトル」を表します。
図のように始点を揃えたときになす角が90°になります。

垂直なベクトル
垂直なベクトル

上記の図は平面上のベクトルを表記していますが、空間上のベクトルでも垂直なベクトルが成り立ちます。

$\vec{a}$と$\vec{b}$が垂直の時、$\vec{a}\perp\vec{b}$と表記します。

ベクトルの垂直条件

ベクトルの垂直条件は$\vec{a}・\vec{b}=0$です。

ベクトルの内積は$\vec{a}・\vec{b}=|\vec{a}||\vec{b}|\cos\theta$で表されますが、ベクトルが垂直の場合、$\cos{90^{\circ}}=0$なので必ず内積は0になります。

※参考記事
[数B]ベクトルの内積、公式と求め方、3次元、角度がわからないときも解説

垂直なベクトルを求める例題を1問解いてみましょう。

例題

以下のベクトルの中で垂直なベクトルの組み合わせを示せ。
$\vec{a}=(3,-4)$、$\vec{b}=(12,5)$、$\vec{c}=(8,6)$

答え

$\vec{a}・\vec{b}=3\times12+(-4)\times5=-16$
$\vec{b}・\vec{c}=12\times8+5\times6=126$
$\vec{c}・\vec{a}=8\times3+6\times(-4)=0$

したがって垂直なベクトルの組み合わせは$\vec{a}$と$\vec{c}$である。

垂直なベクトルを求める

垂直なベクトルの求め方について練習問題を解いてみましょう。

練習問題

問1

$\vec{a}=(8,10)$に垂直なベクトルを1つ求めよ。

解答1

あるベクトルに対して垂直なベクトルを求めるには「内積が0」になるベクトルを求めれば良いので、
「元のベクトルのx,y成分を入れ替えて片方の符号を反転させる」ことで内積が0になるベクトルを求めることが出来る。

よって$\vec{a}=(8,10)$に垂直なベクトルの1つは(10,-8)である。もちろん(-10,8)も垂直なベクトルの1つである。
垂直であればよいので長さを変えても垂直であることは変わらない。

(10,-8)や(-10,8)を1/2倍にした(5,-4)、(-5,4)も垂直なベクトルである。

問2

$\vec{b}=(6,-8)$に垂直な単位ベクトル$\vec{c}$を求めよ。

解答2

$\vec{b}=(6,-8)$に垂直なベクトルの1つは(8,6)であり、単位ベクトルなので長さが1になるように定数倍することで求められる。

つまり$\vec{c}=a(8,6)$(aは実数を表す。)と表記することができ、長さが1なので$(8a)^2+(6a)^2=1$となる。

これを解くと$100a^2=1$、つまり$a=\pm\frac{1}{10}$となる。
これを代入すると、$\vec{c}=(\frac{4}{5},\frac{3}{5})$または$(-\frac{4}{5},-\frac{3}{5})$となる。

※参考記事
[数B]単位ベクトルとは?求め方、内積、垂直をわかりやすく解説

解説

図4のように1つのベクトルに対して垂直なベクトルは2方向考えることが出来ます。今回は垂直な単位ベクトルを求める問題なので向きが正反対の単位ベクトル2つが答えとなります。垂直なベクトルを求める際には「2方向考える」必要があることに気をつけましょう。

\ おすすめの参考書! /

垂直なベクトルとは?のまとめ

今回は垂直なベクトルについて解説しました。
ポイントは下記の3つです。

  • 垂直なベクトルとは「あるベクトルに対して成す角が90度となるベクトル」を表します。
  • ベクトルの垂直条件は$\cos{90^{\circ}}=0$で表されます。
  • 垂直なベクトルを求める際には「2方向考える」必要があります。

垂直なベクトルは3次元空間でも考えることができますが、かなり複雑になります。でも内積が0になることを用いて求めることが出来ます。

垂直なベクトルを求める際には必ず自分で図を書いて理解することを心がけましょう!

ベクトル関連記事

コメント

コメントする

目次