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[中2]直角三角形の合同条件2つ、なぜ合同になるか、証明のコツ

直角三角形の合同条件は、三角形の合同条件と違い、2つあります。
下記に示す2つで、どちらも斜辺が条件に入っているのです。

  1. 斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい。
  2. 斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい。

比較的暗記はしやすいですが、「なんでこれで合同が証明できるのか」と納得しづらい人もいると思います。

今回は合同条件についての図を用いてわかりやすく解説します!
さらに、証明問題の解き方についても詳しく解説していくので、ぜひ活用してくださいね。

※参考記事
[中2]三角形の合同条件3つと証明問題の解き方を解説

目次

直角三角形の合同条件

直角三角形の場合、合同条件は以下の2つとなります。
直角三角形は内角の1つが90°と決まっているため、とてもシンプルです。

  1. 斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい。
  2. 斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい。

それぞれが条件となり得る理由を解説します。

①の条件

  1. 斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい。

①の場合、斜辺と1つの鋭角がはっきり決まると、もう1つの内角まで自動的に決まるからです。

以下の図を見ていただけるとイメージしやすくなります。
内角が全て決まり、かつ斜辺が決まると、他の2辺も決まった長さでないと三角形が崩れてしまうのです。

直角三角形の合同条件1
直角三角形の合同条件1_間違った例

②の条件

  1. 斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい。

②の場合、考え方は三角形の合同条件にある「3組の辺がそれぞれ等しい」とほとんど一緒です。

斜辺と他の1辺が決まると、残り1辺も決まった長さにならないと、三角形にならず崩れてしまいます。

このことから、斜辺、他の1辺、もう1つの辺の3組の辺が等しければ合同と言えるわけですね。

直角三角形の合同条件2
直角三角形の合同条件2_間違った例

直角三角形の合同を証明1

実際に証明問題を解説していきます。
図からわかること、または仮定をどのように使っていくかに注目しましょう。

例題

以下の△PQRにおいて、PQ=PRである。
さらに、頂点QからPRに垂直に伸びている線分をQT、RからPQへ向かい垂直に伸びている線分をRSとする。

このとき、△QRSと△RQTが合同であることを証明しなさい。

解答例

$△QRS$と$△RQT$において、仮定より、△PQRは二等辺三角形である。
二等辺三角形の底辺にある両端の角は等しいので、$∠SQR=∠TRQ\cdots①$

斜辺QRは共有しているため$QR=QR\cdots②$

$∠QSR=∠RTQ=90°$なので、$△QRS$と$△RQT$はそれぞれ直角三角形である。

①②より、直角三角形の斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しいので
$△QRS≡△RQT$(証明終)

解説

証明では、まず使うべき三角形についてはっきり書きます。

ここでは、△QRSと△RQTについて証明しなければならないので、「△QRSと△RQTにおいて」と最初に書きます。

次に書くことは、仮定からわかること情報が優先です。
例題の場合、問題文の「PQ=PR」から、△PQRは二等辺三角形であることからはじめます。

二等辺三角形の底辺にある2つの角は等しくなりますよね。
そこから、2つの三角形の鋭角がどちらも等しいことを述べます。

くわえて、$∠QSR=∠RTQ=90°$と書くことで△QRSと△RQTは、直角三角形であると書いておくことが重要です。
合同条件として直角三角形の合同条件を使うためです。

直角三角形の合同を証明2

今度は例題1で使わなかった条件を利用した証明問題の解説です。

例題

次の図において、$□ABCD$は正方形である。$CD$と$DA$をそれぞれ延長し、$AE=BF$となるように作図をしたとき、$△ADE$と$△BAF$が合同であることを証明しなさい。

解答例

△ADEと△BAFにおいて、仮定より$AE=BF\cdots①$
□ABCDは正方形であることから、$AD=BA\cdots②$

また、正方形の内角は全て直角なので、$∠BAF=∠ADE=90°\cdots③$
①②③より、直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいので、$△ADE≡△BAF$(証明終)

解説

例題1と同様に、文章から仮定としてわかることを先に述べます。

また、どちらの例題にもあるように、特定の図形の特徴を知っておく必要もあるのです。
いくつかの図形が絡み合ったかのような問題が多いので、見間違いが多発します。
そのため、図の注目したい部分を塗りつぶすなど、区別をつけることがおすすめです。

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直角三角形の合同条件まとめ

直角三角形の合同条件について解説しました。
ポイントは下記の3つです。

  • 直角三角形の合同条件は、「斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい」と「斜辺と他の1つの辺がそれぞれ等しい」の2つ
  • 直角三角形は内角の1つが90°と分かっているだけに、合同条件はシンプル。
  • 二等辺三角形や正方形など、特徴的な図形も覚えておくと証明に有利。

直角三角形の合同を証明するのに、二等辺三角形や正方形が登場しましたよね。同じ内角や、同じ長さの辺でできた図形から直角三角形についてふれる問題はたくさんあります。

いい機会なので、証明練習と一緒に図形の復習もしておきましょう。

※参考記事
[小5]二等辺三角形の辺の長さからわかる定義と定理

[小4]正方形の面積の求め方|対角線から面積を求める方法も紹介

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